【完結】負けヒロインに転生しました

珊瑚

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「…………は?」

誰もが衝撃に声を出せずにいる中、ユーゴが思わず声を漏らす。


「別にお前のこの先の未来を権力でもって潰すようなことはしない。だが、手助けをすることも一切無いだろう。」

王家の籍から外されると言うことはつまり、突然平民に落とされるということであり、王家を自分の後ろ盾とすることは今後一切叶わなくなるのだ。
今まで王宮で次期国王としてチヤホヤされてきたことも、その身分によってされてきた忖度も、これからはなくなるのだ。


「この……このわたしが平民なんぞに……?……何かの間違いに決まっている……!そうですよね!?父上!!」
「……まだ理解出来ないのか、お前は……。それだけのことをしでかしたのだ。」
「…っ!わたしが今後どうなってもいいと言うことですか!?働かないと生きていけない生活なんてあり得ない!」
「……国王は、ひいては王族が働かなくてもいい。その前提がまず間違えている。民のことを、国のことを常に第一に考え、その一生を捧げ、国のために奉仕する。それが国王という職務だ。お前には今までそれを理解できるように育ててきたつもりだったのだが…………到底それが足りていなかったようだな。」
「でも父上、わたしがいなければ次の代の国王はどうされるおつもりですか!?困りますでしょう!!??やはりこれはわたしを騙すためのはったりだったのですね!!!」
「………………いや。」

王太子ではないが、自分が次期国王であり、その立場が揺らぐことなどないと思っているユーゴは一転、余裕ぶったセリフを吐いたが、即座に国王がそれを否定した。
彼の瞳には諦念が浮かんでいた。


「次の国王は、お前の弟である、第二王子に任せることにする。」
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