20 / 25
19
しおりを挟む
19
「…………は?」
誰もが衝撃に声を出せずにいる中、ユーゴが思わず声を漏らす。
「別にお前のこの先の未来を権力でもって潰すようなことはしない。だが、手助けをすることも一切無いだろう。」
王家の籍から外されると言うことはつまり、突然平民に落とされるということであり、王家を自分の後ろ盾とすることは今後一切叶わなくなるのだ。
今まで王宮で次期国王としてチヤホヤされてきたことも、その身分によってされてきた忖度も、これからはなくなるのだ。
「この……このわたしが平民なんぞに……?……何かの間違いに決まっている……!そうですよね!?父上!!」
「……まだ理解出来ないのか、お前は……。それだけのことをしでかしたのだ。」
「…っ!わたしが今後どうなってもいいと言うことですか!?働かないと生きていけない生活なんてあり得ない!」
「……国王は、ひいては王族が働かなくてもいい。その前提がまず間違えている。民のことを、国のことを常に第一に考え、その一生を捧げ、国のために奉仕する。それが国王という職務だ。お前には今までそれを理解できるように育ててきたつもりだったのだが…………到底それが足りていなかったようだな。」
「でも父上、わたしがいなければ次の代の国王はどうされるおつもりですか!?困りますでしょう!!??やはりこれはわたしを騙すためのはったりだったのですね!!!」
「………………いや。」
王太子ではないが、自分が次期国王であり、その立場が揺らぐことなどないと思っているユーゴは一転、余裕ぶったセリフを吐いたが、即座に国王がそれを否定した。
彼の瞳には諦念が浮かんでいた。
「次の国王は、お前の弟である、第二王子に任せることにする。」
「…………は?」
誰もが衝撃に声を出せずにいる中、ユーゴが思わず声を漏らす。
「別にお前のこの先の未来を権力でもって潰すようなことはしない。だが、手助けをすることも一切無いだろう。」
王家の籍から外されると言うことはつまり、突然平民に落とされるということであり、王家を自分の後ろ盾とすることは今後一切叶わなくなるのだ。
今まで王宮で次期国王としてチヤホヤされてきたことも、その身分によってされてきた忖度も、これからはなくなるのだ。
「この……このわたしが平民なんぞに……?……何かの間違いに決まっている……!そうですよね!?父上!!」
「……まだ理解出来ないのか、お前は……。それだけのことをしでかしたのだ。」
「…っ!わたしが今後どうなってもいいと言うことですか!?働かないと生きていけない生活なんてあり得ない!」
「……国王は、ひいては王族が働かなくてもいい。その前提がまず間違えている。民のことを、国のことを常に第一に考え、その一生を捧げ、国のために奉仕する。それが国王という職務だ。お前には今までそれを理解できるように育ててきたつもりだったのだが…………到底それが足りていなかったようだな。」
「でも父上、わたしがいなければ次の代の国王はどうされるおつもりですか!?困りますでしょう!!??やはりこれはわたしを騙すためのはったりだったのですね!!!」
「………………いや。」
王太子ではないが、自分が次期国王であり、その立場が揺らぐことなどないと思っているユーゴは一転、余裕ぶったセリフを吐いたが、即座に国王がそれを否定した。
彼の瞳には諦念が浮かんでいた。
「次の国王は、お前の弟である、第二王子に任せることにする。」
37
あなたにおすすめの小説
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
冤罪で婚約破棄したくせに……今さらもう遅いです。
水垣するめ
恋愛
主人公サラ・ゴーマン公爵令嬢は第一王子のマイケル・フェネルと婚約していた。
しかしある日突然、サラはマイケルから婚約破棄される。
マイケルの隣には男爵家のララがくっついていて、「サラに脅された!」とマイケルに訴えていた。
当然冤罪だった。
以前ララに対して「あまり婚約しているマイケルに近づくのはやめたほうがいい」と忠告したのを、ララは「脅された!」と改変していた。
証拠は無い。
しかしマイケルはララの言葉を信じた。
マイケルは学園でサラを罪人として晒しあげる。
そしてサラの言い分を聞かずに一方的に婚約破棄を宣言した。
もちろん、ララの言い分は全て嘘だったため、後に冤罪が発覚することになりマイケルは周囲から非難される……。
そちらがその気なら、こちらもそれなりに。
直野 紀伊路
恋愛
公爵令嬢アレクシアの婚約者・第一王子のヘイリーは、ある日、「子爵令嬢との真実の愛を見つけた!」としてアレクシアに婚約破棄を突き付ける。
それだけならまだ良かったのだが、よりにもよって二人はアレクシアに冤罪をふっかけてきた。
真摯に謝罪するなら潔く身を引こうと思っていたアレクシアだったが、「自分達の愛の為に人を貶めることを厭わないような人達に、遠慮することはないよね♪」と二人を返り討ちにすることにした。
※小説家になろう様で掲載していたお話のリメイクになります。
リメイクですが土台だけ残したフルリメイクなので、もはや別のお話になっております。
※カクヨム様、エブリスタ様でも掲載中。
…ºo。✵…𖧷''☛Thank you ☚″𖧷…✵。oº…
☻2021.04.23 183,747pt/24h☻
★HOTランキング2位
★人気ランキング7位
たくさんの方にお読みいただけてほんと嬉しいです(*^^*)
ありがとうございます!
逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?
魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。
彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。
国外追放の系に処された。
そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。
新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。
しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。
夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。
ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。
そして学校を卒業したら大陸中を巡る!
そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、
鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……?
「君を愛している」
一体なにがどうなってるの!?
お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<あなた方を相手にするだけ、時間の無駄です>
【私に濡れ衣を着せるなんて、皆さん本当に暇人ですね】
今日も私は許婚に身に覚えの無い嫌がらせを彼の幼馴染に働いたと言われて叱責される。そして彼の腕の中には怯えたふりをする彼女の姿。しかも2人を取り巻く人々までもがこぞって私を悪者よばわりしてくる有様。私がいつどこで嫌がらせを?あなた方が思う程、私暇人ではありませんけど?
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる