【完結】いつも私をバカにしてくる彼女が恋をしたようです。〜お相手は私の旦那様のようですが間違いはございませんでしょうか?〜

珊瑚

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「ねぇセシル。私、好きな人が出来たの。」
「……え?」

セシルと呼ばれた少女は向かいに座っている少女の突然の言葉にチョコレートブラウンの目を瞬かせた。

向かいに座っているのはロッセリーニ子爵令嬢、モニカ。翡翠の瞳に癖ひとつない、陽の光を受けて輝くプラチナブロンドの髪を腰まで伸ばした美しい少女だ。彼女はセシリアが結婚前、まだセシリアが彼女と同じ子爵令嬢だった時代からの友人だ。

モニカとセシリアは同じ学園に通っていた。しかし、在学途中にモニカは隣国へ留学したのだった。
久しぶりに帰ってきたモニカはセシリアを半ば引きずる様にして自分の家に連れていった。
――そして、今に至る。


「昨日ね、国に帰ってきて、久しぶりに王都に戻ったんだからアクセサリーでも買いに行こうかと思ってちょっと出かけてきたのよ。そしたらそこで私が落としたハンカチを拾ってくれた方がいて、その方がとっっってもかっこよかったの♡サラサラの茶髪に、赤い瞳が印象的な方だったわ。身のこなしもスマートで、笑顔が素敵だったの!」
「そう……だったの。良かったわね……?」

突然連れてこられ、堰を切ったように話し続けるモニカに、セシリアは戸惑うばかりだ。


「丁度あんたの目みたいな色の髪だったわ。平凡でつまらない色だと思ってたけど、それは身に纏う人によるのねぇ……。まぁ、あんたのくすんだ金髪と違って私は綺麗な髪だし?文句なしに美しいもの。きっと彼を落としてみせるわ!」

友人――と先程言ったのは語弊があるかもしれない。
昔からモニカは何かにつけてセシリアを馬鹿にするのだ。学園でできた友人や、昔一緒に遊んだ男の子たち。果ては小さなパーティーなどの場でも彼女を蔑んだ様な発言をする。その癖ベッタリとくっついてくるのだからタチが悪い。逃げたくても逃げられなかったのだ。
だから、モニカの留学が決まった時、セシリアは本当に安心したものだ。やっと解放される――と。
短期留学だった為、ほんの少しの間だけだったが、それでも心が軽くなったのだった。

適当に相槌をうちながら聞いていた彼女の話はやっと終わったようだった。さぁやっと帰れると思った矢先、モニカは美しい口元を醜く歪ませたまま続けた。


「そういえば、あんた結婚したんだっけ?」

セシリアはまだ解放されないようだ。
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