僕は何度も君に恋をする

乃愛

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第9話

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僕は呆然と桜木を見た。恥ずかしそうに下を向いた桜木は
「私…ずっ、ずっと好きだったから!」桜木は顔を赤らめて駆けていってしまった。
…また僕が…こ、告白された…?

翌日、絢香ちゃんから呼び出されて2人でカフェに入った。
「話って?」
「…お姉ちゃんのことで少し、お話ししたい事があって。」
「なに?」
「…お姉ちゃん、もう誰とも付き合う気は無いと思います。」
「…え?」
「お姉ちゃんが小動さんに話してないこと、あるんです。」

絢香ちゃんが僕に話したことは小宮さんの秘密、なのだろうか。
小宮さんには18歳の頃、彼氏がいたそうだ。
名前は春山修。端正な顔立ちで他校から女子が押し寄せるほどの人気ぶり。
小宮さんは静かで大人しい性格のため、全くと言っていいほど関わりがなかった。
そんなある日、突然彼は小宮さんに告白した。
小宮さんは彼の告白を受け入れ、交際を始めた。誰にも言わず内緒で付き合い始めた為学校で話すことは滅多になかったが、メールなどのやり取りは頻繁にしていた。
そして、付き合い始めて半年が経った頃、小宮さんは彼がとても美しい女の子に言い寄られている光景を目撃してしまった。もちろん彼は丁寧に断ったものの、ずっと心の中にあった、モヤモヤが小宮さんの中で"劣等感"に変わった。自分は特別かわいいわけでも性格がいいわけでもない。でも彼は…。
そんなことを考えるうちに彼といるのが恥ずかしくなり、徐々に避け始めてしまう。

その半年後、丁度付き合い始めて1年が経ったある日のことだった。

小宮さんは1年の記念日に連絡をしてこない修が心配になり、電話をかけた。
だが電話は暫くの間、繋がらなかった。 もしかして浮気…?小宮さんは不安が募った。
ー1時間後
着信音が鳴り響いた。小宮さんはすぐに電話に出た。
「修!」
『…もしもし、絢芽ちゃん?』その声は、修の母の声だった。
「はい、あの…修くんは…」
『…今亡くなったの、交通事故に遭って。』
想定外の返答に小宮さんは動揺を隠せない。
「えっ…なんで…どう、して…』
修は携帯電話を持ちながら運転していた男に轢かれて即死した。だが、手にはあるものが、大事に握られていた。それは…紙袋だった。
「これ、修が絢芽ちゃんに渡そうと思っていたものだと思うの。受け取ってあげてくれるかしら?」
中身は、ネックレスと小さな指輪、そして綺麗な便箋に綴られた精一杯の修の気持ちだった。
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