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第一話 俺の事好きなんだろ?
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双葉はあるマンションの一室に来ていた。
「ここが樋野良輔の・・」
「樋野良輔」彼は20歳で歌手デビューを果たし、天才的な才能と麗しい歌声で世界に名を轟かせた。現在は27歳にして天才作曲家として音を提供していた。
三谷双葉は彼の音楽に影響を受け、歌手になることを志した。
いつか彼の音楽と共に自分の声を世界に届けたい。
母の友人が彼と知り合いだと知り、会う事に成功。この日を心待ちにしていた。
インターホンを鳴らすと扉が開き、なんとも美形な顔立ちの男性が出てきた。
「あっ、あの初めまして!三谷双葉ともうしま・・・」だが即座に扉が閉まろうとした。
「え!?あ、ちょっと待ってください!」双葉は扉を必死に掴み、閉まらないようにした。
「・・・あんた誰。言っとくけど女子高生なんか部屋に連れ込んだら犯罪なんですけど。」眠そうに目を擦るとそう言い放った。
「だから三谷双葉です!黒木咲さんご存知ですよね?彼女の友人の娘です。今日はお願いがあってこちらに・・部屋に入るのがいけないなら喫茶店にでも・・・。」
「やだ、俺今日久々のオフなんだけど。ねむ・・」良輔は大きなあくびをすると再び扉を閉めようとする。
「お休みのところすいませんでした!だけど今日しかないんです!お願いします、話だけでも聞いて頂けませんか!?」
「大きい声出さないでくれる?癇に障る。早く入れば。もし警察来たら痴女だってあんたのこと突き出すけど。」
「はっ!?それはただの言いがかりです!おうちに入れてくれるなら早くしてください、手短に終わらせるので。」
良輔は双葉を渋々家に入れると、リビングの椅子に座らせた。
「で、手短に済ませてくれるんでしょ。早く。」良輔はストップウォッチを押すと机に置いた。
「ご、5分!?」 「うん、俺だって今日がオフっつっても家で作曲する仕事だってあるし。痴女に割いてる時間ないから。」
「だからその呼び方やめてくださいよ・・あぁもう4分!あの、じゃあ単刀直入に・・。ボイストレーニングを受けさせてください!!」
「いや。」良輔は無表情で即答した。
「そ、即答なんてありですか!?7年前に歌手されてたんですよね!?私、樋野さんの音楽を聞いて歌手になりたいって思って・・だからお願いします!!」
「7年前の話なんて関係ないし。嫌なもんは嫌。はい、話終わった。出てって。」
「終わってないですよ!!お願いします!首を縦に振ってくれるまで帰りません!絶対受けたいんです!」
「・・へぇ、つまり俺の事好きなんだ。」
「・・・は?」
「俺の音楽と歌に惚れて俺を好きになって歌手になりたくなって俺のレッスンを口実に家に上がり込もうって魂胆でしょ?見え見えだよ?」
「あの、嘘が半分練りこまれてるんですけど。」
「ふーん。じゃ、別に俺じゃなくてもいいでしょ。嫌なら何で俺がいいか言ってみ?言わないなら即帰すし、金輪際ここに来ても入れない。むしろ警察に突き出す。」
「無茶苦茶じゃないですか!理由は歌手になりたい、それだけです!天才と呼ばれた作曲家に教わりたいと思って当然じゃないですか!」
「別にこの世に天才なんていっぱいいるかもしんないよ。俺以外にも沢山。」
「自分が天才なのは認めるんですね。」
「だから俺じゃなくていいじゃん。はい、会話終了5分ピッタリ。帰って。」
背中を押されて玄関へ促される。
「ちょ、え!?い、いやです!レッスン受けさせてください!」
「嫌なら言えっつってんじゃん。はいご帰宅ー」
「え、ちょっと!おねが・・もう!!!!あなたが好きです、だからレッスン受けさせてください!!!」赤面しながら双葉は言った。
「合格。言っとくけど俺甘くないから。辞めたいならいつでも言え。俺にビシビシ叩き込まれる覚悟あるなら付いてこい」
一気に顔が明るくなった双葉は深く頭を下げて部屋を後にした。
「ここが樋野良輔の・・」
「樋野良輔」彼は20歳で歌手デビューを果たし、天才的な才能と麗しい歌声で世界に名を轟かせた。現在は27歳にして天才作曲家として音を提供していた。
三谷双葉は彼の音楽に影響を受け、歌手になることを志した。
いつか彼の音楽と共に自分の声を世界に届けたい。
母の友人が彼と知り合いだと知り、会う事に成功。この日を心待ちにしていた。
インターホンを鳴らすと扉が開き、なんとも美形な顔立ちの男性が出てきた。
「あっ、あの初めまして!三谷双葉ともうしま・・・」だが即座に扉が閉まろうとした。
「え!?あ、ちょっと待ってください!」双葉は扉を必死に掴み、閉まらないようにした。
「・・・あんた誰。言っとくけど女子高生なんか部屋に連れ込んだら犯罪なんですけど。」眠そうに目を擦るとそう言い放った。
「だから三谷双葉です!黒木咲さんご存知ですよね?彼女の友人の娘です。今日はお願いがあってこちらに・・部屋に入るのがいけないなら喫茶店にでも・・・。」
「やだ、俺今日久々のオフなんだけど。ねむ・・」良輔は大きなあくびをすると再び扉を閉めようとする。
「お休みのところすいませんでした!だけど今日しかないんです!お願いします、話だけでも聞いて頂けませんか!?」
「大きい声出さないでくれる?癇に障る。早く入れば。もし警察来たら痴女だってあんたのこと突き出すけど。」
「はっ!?それはただの言いがかりです!おうちに入れてくれるなら早くしてください、手短に終わらせるので。」
良輔は双葉を渋々家に入れると、リビングの椅子に座らせた。
「で、手短に済ませてくれるんでしょ。早く。」良輔はストップウォッチを押すと机に置いた。
「ご、5分!?」 「うん、俺だって今日がオフっつっても家で作曲する仕事だってあるし。痴女に割いてる時間ないから。」
「だからその呼び方やめてくださいよ・・あぁもう4分!あの、じゃあ単刀直入に・・。ボイストレーニングを受けさせてください!!」
「いや。」良輔は無表情で即答した。
「そ、即答なんてありですか!?7年前に歌手されてたんですよね!?私、樋野さんの音楽を聞いて歌手になりたいって思って・・だからお願いします!!」
「7年前の話なんて関係ないし。嫌なもんは嫌。はい、話終わった。出てって。」
「終わってないですよ!!お願いします!首を縦に振ってくれるまで帰りません!絶対受けたいんです!」
「・・へぇ、つまり俺の事好きなんだ。」
「・・・は?」
「俺の音楽と歌に惚れて俺を好きになって歌手になりたくなって俺のレッスンを口実に家に上がり込もうって魂胆でしょ?見え見えだよ?」
「あの、嘘が半分練りこまれてるんですけど。」
「ふーん。じゃ、別に俺じゃなくてもいいでしょ。嫌なら何で俺がいいか言ってみ?言わないなら即帰すし、金輪際ここに来ても入れない。むしろ警察に突き出す。」
「無茶苦茶じゃないですか!理由は歌手になりたい、それだけです!天才と呼ばれた作曲家に教わりたいと思って当然じゃないですか!」
「別にこの世に天才なんていっぱいいるかもしんないよ。俺以外にも沢山。」
「自分が天才なのは認めるんですね。」
「だから俺じゃなくていいじゃん。はい、会話終了5分ピッタリ。帰って。」
背中を押されて玄関へ促される。
「ちょ、え!?い、いやです!レッスン受けさせてください!」
「嫌なら言えっつってんじゃん。はいご帰宅ー」
「え、ちょっと!おねが・・もう!!!!あなたが好きです、だからレッスン受けさせてください!!!」赤面しながら双葉は言った。
「合格。言っとくけど俺甘くないから。辞めたいならいつでも言え。俺にビシビシ叩き込まれる覚悟あるなら付いてこい」
一気に顔が明るくなった双葉は深く頭を下げて部屋を後にした。
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