奏楽と貴方に翻弄されて

乃愛

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第二話 絶対歌手にしてやる

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翌日 詳細を決める為に双葉は良輔の家を訪れた。
「今日もお休みなんですか?」
「・・別に。午前中忙しかった。お前が来るせいで一日分の仕事午前中に片付けさせられて疲れた。」
「えっ、すいません!早速詳細を決めさせて欲しいんですけど・・・。」
「お前が決めれば?適当に決めて修正したいとこは俺がする。」
「二人で決めましょう!週何回のレッスンにするかとか決めないと・・・」
「週1回。これは決定事項。もしくは2週間に一回になる可能性もある。俺のスケジュール次第だ。月謝は月5万ってとこか。」
「5万円!?そんなたくさん出せませんよ!せめて3万円で勘弁してください。
バイトしても親からお金を貰っても5万円は払えません。2週間に一回になったらほぼ月一回のレッスンなのに一回5万円とか有り得ないですよ!」
「なんだよ、天才に歌手になれる保証をしてもらうのに5万くらい安いもんだろ。俺が絶対歌手にしてやるって言ってやってんだぞ。」
「絶対なれる保証なんてないじゃないですか!とにかくそこは妥協できません。」
「はぁ・・じゃあ3万でいい。その代わりまず実力を試すテストだ。俺の曲を流すから歌ってみろ。音痴だったら追い出す。俺に聞かせる自信があるんだよなぁ?ここに来てるってことは。」
音響機器が揃った部屋に移動すると早速良輔のデビュー曲がかかった。

歌い終わり、良輔の様子を窺うととてつもなく怒っている様子だった。
「てめぇはふざけてんのか・・・その程度で俺にボイストレーナーをやれってか!?カラオケで練習して出直してこい音痴!!!」
「なんでそこまで言われなきゃいけないんですか!下手だからボイストレーニングを依頼してるんですよ!!」
「お前みたいな音痴の相手してるほど俺は暇じゃねーんだよ!
・・・とりあえず俺が教えるまでもなくカラオケで特訓してこい。俺からアドバイスできることはひたすら練習しろとしか言えない。2週間後の月曜、またオフにトレーニングの時間を取る。その時今以上に上手くなってなかったらボイストレーニングは終了だ。月謝も払わせずお前を追い出す。毎日カラオケで同じ俺の曲6時間練習だ。」
「ろ、6時間も!?・・・分かりました・・・じゃあ2週間後またお邪魔します。」
さすがに音痴と罵られダメージを受けたのか文句を言う気力なく双葉は家を出た。

1週間後 友達に誘われたカラオケで歌を披露した。
「めっちゃ上手い!すっごいいいよ!何でそんな上手いのー!」
本人に音痴と罵倒され毎日6時間特訓してるなんて口が裂けても言えなかった。
「樋野良輔かっこいいよねー!一回会ってみたーい」
同じく1週間後本人の前で歌を披露しなきゃいけないなんて口が裂けても言えない。
「双葉ほんっとすごいよねー卒業したらやっぱ歌手目指すの?」
「うん、まぁね・・今ボイストレーニング習っててそこの先生に認めてもらえたら歌手のオーディション受けるつもり。」
「絶対受かるよ!頑張って!・・あ、もうこんな時間!帰らないと!」
「ごめん、私もうちょっといるね。」
「あ、そう?じゃあ私半分払って先帰るねー」友人に別れを告げ、1時間ほど良輔の曲を歌って帰宅した。

それから1週間後 いよいよ披露する日がやってきた。
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