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第七話 俺の傍を離れるな
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「俺の所有物に触るなんて、いい度胸してるんだな。三流記者。」
良輔は記者の腕を強く握った。
「いてててっ!!!」記者は良輔の力に負けて双葉の腕を離した。
「怖かったぁ・・・」双葉は膝から崩れ落ちた。
「すまなかった、一人で帰らせて。今日は送っていく」良輔は双葉の手を握って歩き出した。
「えっ!?あ・・あのぉ・・手は別に握る必要ないかと・・」
「また俺の後ろを歩いてて拉致られたら困るからな、だが俺は自分の前を歩かれるのが嫌いだ。だから俺の傍を離れるな」良輔は黙って再び歩き出した。
「そう・・ですか・・わ、分かりました。でも、もし変な人に絡まれたら声出しますから!だからちょっと・・ちょっとだけ離してください・・」双葉は耳まで赤くした。
「自分が怯える状況に陥ってすぐに声を出せると思ってる時点でお前は襲われる可能性100%だ。」離そうとする双葉の手を強く引き寄せる。
「えっ、だって・・その・・あの・・は、恥ずかしいんですけど・・」
「恥ずかしい?何故だ、繋ぐ事に何の意味もないのにか?」
「意味なんて関係ないんですっ!最近樋野さんの言動が変だからこんなに意識するんです!!!普通あんな事をされた後に手繋ぐって意識しないとでも思うんですかっ!?」
「・・・俺は意識なんてしない、女なんて全員同じ扱いだ。」
「す、好きだとしてもですか・・?」「俺は誰かを贔屓したいとか、好きだとか感じた事はない。」
「・・そうですか、すいませんでした。私が勘違いしてただけです・・だけど一つ言わせてください。私は違ったかもしれません」
「違った?どういう事だ。」「・・・だから、樋野さんを異性として意識してましたそれだけです!」双葉は手を離して早足で帰ろうとした。
「待て、俺の事が・・か?」「樋野さんって言いましたよね?私の中で樋野さんは貴方ただ一人です。」
「・・・すまん、来週のレッスンは休ませてくれ。自宅練習。」良輔は自宅の方向へ走った。
「・・・・送ってくれるって言ったくせに。」双葉は一人で自宅に帰った。
それから度々自宅練習があり、年を越し会わなくなって半年が経った夏、聞き覚えのない女性からの悪戯電話が続いた。
「私の物ばかり横取りしないでよ。あんたみたいな猫糞死ねばいいのに・・・
本気で歌手になれると思ってるの・・ふっ、馬鹿じゃないの。なれっこないわよ」
女性の低い声が毎日のように耳を通る。双葉は何のことがさっぱり分からないが、怖くて毎日怯えていた。
誰か心当たりもない女性、自分の夢を知っている、双葉は彼女から何かを奪った・・?双葉は毎日頭を抱えて考えた。
良輔は記者の腕を強く握った。
「いてててっ!!!」記者は良輔の力に負けて双葉の腕を離した。
「怖かったぁ・・・」双葉は膝から崩れ落ちた。
「すまなかった、一人で帰らせて。今日は送っていく」良輔は双葉の手を握って歩き出した。
「えっ!?あ・・あのぉ・・手は別に握る必要ないかと・・」
「また俺の後ろを歩いてて拉致られたら困るからな、だが俺は自分の前を歩かれるのが嫌いだ。だから俺の傍を離れるな」良輔は黙って再び歩き出した。
「そう・・ですか・・わ、分かりました。でも、もし変な人に絡まれたら声出しますから!だからちょっと・・ちょっとだけ離してください・・」双葉は耳まで赤くした。
「自分が怯える状況に陥ってすぐに声を出せると思ってる時点でお前は襲われる可能性100%だ。」離そうとする双葉の手を強く引き寄せる。
「えっ、だって・・その・・あの・・は、恥ずかしいんですけど・・」
「恥ずかしい?何故だ、繋ぐ事に何の意味もないのにか?」
「意味なんて関係ないんですっ!最近樋野さんの言動が変だからこんなに意識するんです!!!普通あんな事をされた後に手繋ぐって意識しないとでも思うんですかっ!?」
「・・・俺は意識なんてしない、女なんて全員同じ扱いだ。」
「す、好きだとしてもですか・・?」「俺は誰かを贔屓したいとか、好きだとか感じた事はない。」
「・・そうですか、すいませんでした。私が勘違いしてただけです・・だけど一つ言わせてください。私は違ったかもしれません」
「違った?どういう事だ。」「・・・だから、樋野さんを異性として意識してましたそれだけです!」双葉は手を離して早足で帰ろうとした。
「待て、俺の事が・・か?」「樋野さんって言いましたよね?私の中で樋野さんは貴方ただ一人です。」
「・・・すまん、来週のレッスンは休ませてくれ。自宅練習。」良輔は自宅の方向へ走った。
「・・・・送ってくれるって言ったくせに。」双葉は一人で自宅に帰った。
それから度々自宅練習があり、年を越し会わなくなって半年が経った夏、聞き覚えのない女性からの悪戯電話が続いた。
「私の物ばかり横取りしないでよ。あんたみたいな猫糞死ねばいいのに・・・
本気で歌手になれると思ってるの・・ふっ、馬鹿じゃないの。なれっこないわよ」
女性の低い声が毎日のように耳を通る。双葉は何のことがさっぱり分からないが、怖くて毎日怯えていた。
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