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出会い

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「ナタリア、君とアルフォンソ第1王子殿下との婚約が決まったよ。」
父からそう言われたのは2ヶ月前のこと。
その直後から気分が悪くなり床に伏せっていた時に、前世というものを思い出した。
よくある悪役令嬢に転生というやつ。
正直、なんの作品のどのポジションかも分からないし、そもそも乙女ゲームを嗜んだことがない。
ただ、転生ものの漫画や小説は読み漁っていたので、何となく王子の婚約者であり、公爵令嬢という点から自分はきっと悪役令嬢であろうと想像ができた。

また、つり上がった琥珀色の目、この国では誰も憧れない黒髪を持っていたことも、
その原因のひとつだった。
黒に不吉というイメージを持つ人は多い。
もちろん、黒髪を持つ人は少なくない。
ただ、神話に登場する神や天使たちは皆そろって髪の色が明るい。
異国の貴族であった母に似た私は、周りから不気味がられることも少なくなかった。

もとより、うっすら記憶は残っていたのだろう。
年頃の貴族令嬢らしくなく、
王族というものに憧れがなく、
婚約者となる王子も少し見た事があるくらいで、好きになることなどはなかった。
むしろ、何故皆が金髪碧眼というだけで第1王子に憧れるのか理解に苦しんだくらいだ。

その本人と初めて対面で話す。
顔合わせと言うやつだ。
普通は2ヶ月もかからないものだが、
私が体調を崩したことにより私を溺愛する両親が大事をとって延期を提案してくれたのだ。
しかし、そこまで長い期間は伸ばすことができず、とうとう今日、私は宮殿に出向くことになった。

宮殿につき、応接間に案内される道中、
「お待ちください!」というメイドの声とともに、背中に大きな衝撃が走った。
私は前に倒れ、何事かと後ろを振り返る。
底には私にぶつかって倒れたのだろう、
薄い綺麗な茶髪を切りそろえ、海のように深く青い瞳を潤ませる、美しい男の子がいた。
「ぁ、ごめんなさい、、」
怒られると思ったのか、さらに涙を貯め私を見つめる可愛らしい少年。
少年と言うよりまだ幼児くらいの年頃だろうか。
あまりに可愛く、私の胸は高鳴る一方である。
「いいのよ、気にしないで。
貴方は大丈夫?怪我はないの?」
頭を撫でようと手を伸ばすと、追いついてきたメイドが目の前の少年に話しかけた。

「第2王子殿下!急に走り出されたと思ったらこんな所に、、お怪我はありませんか??」

第2王子。
恐ろしい言葉が聞こえた気がする。
王族にあのような口調で話しかけるなど不敬にあたる。触ろうとするなど言語道断。
あぁ、これは終わったな、と心の中で十字を切る。

「令嬢、大丈夫ですか。」
護衛の騎士が私を立ち上がらせる。
少し足を捻ってしまったが、これくらいなら大丈夫だろう。

「第2王子殿下とは知らず、失礼いたしました。フォスタル公爵が娘、ナタリアと申します。」
カーテシーをするが少しぐらついてしまった。
殿下は私をしばらく見つめた後、ドレスの裾をつかみ、「あし、いたい?」と首を傾げる。
あぁなんて可愛いんだろう。
「いいえ、大丈夫です。
ご心配ありがとうございます」
構い倒したいが、そんな時間はない。
私は再び礼をし、その場を去るのだった。












めちゃくちゃな文ですみません🙄
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