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しおりを挟む婚約者との顔合わせは最悪のものだった。
「黒髪なんて聞いてない!俺は認めないからな!こんな不気味な女!」
と、喚くだけ喚いてその場を去った王子は、私の顔合わせの肖像画を見ていなかったのだろうか。
あまりに幼稚で、この国の時期国王とは思えない。
まぁ、齢10も行かない子供に何を言っても無駄なのだろう。
この年頃の男子はクソガキであると相場が決まっている。
顔合わせは30分もしないうちに終わり、私は早々に家に返された。
後に王家から謝罪の手紙が来たが、
婚約者の考え直しという形で収まってしまった。
考え直しと言っても、家柄、礼儀、頭脳において、私より有力な候補がいないらしく、王子妃、王妃教育というものが行われるらしい。
つまり、毎日のように宮殿に通い、
毎日のように王子と顔を合わせなければならない。
最悪である。
そもそも、15になったら王立学園に通うと言うのに、なぜ今からそんなに勉強する必要があるのか。
家庭教師もつけているし、
どうせ婚約破棄されるだろうからやっても無駄なのでは?
そんなことを思っていても現実とは過酷なもの。
まともに受けたら性格が歪むほどの厳しい王妃教育に、私はすぐに限界を迎えることとなる。
__数ヶ月後__
「持ち方が違います」
ムチで手を叩かれティーカップを落とす。
ティーカップは割れてしまい、破片が飛び散った。
「動きが硬いのです。もう少ししなやかに。優雅に見せなければなりません」
何が違うのか全く分からない。
なぜ叩かれたのかも分からない。
前世でそれなりに生きた私でもきつい。
これを7歳児にやるのか。
現世であったら即教育委員に話が行くことだろう。
赤く腫れ上がって手を見て溜息をつきそうになる。
「申し訳ありません、先生。」
新しく出されたティーカップを持ち、痛みで震える手を添える。
「まぁ、及第点でしょう。」
その言葉が出たのは私の手から血が滲み始めたときだった。
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