62 / 107
Folge 62 呪い!?
しおりを挟む
「なぜだ!」
テストの結果が。
「どうして!」
続々と。
「馬鹿な!」
返されて。
「……嘘だろ」
生徒達は。
「……抜かりは無かった」
科目ごとに。
「……だのに~な~ぜ~」
一喜一憂。
「あはは。そっかそっか、夢だな」
逃避も始まり。
「まあまあまあ。ここからだって、そうだよ」
幻想を抱きだす。
「……負けた、ぐはっ」
そして、白旗を上げる。
全九科目の答案が返されたのだ。
友人である裕二が偉大なるオレに挑んだテスト。
大物に小物が挑んだのだ。
彼はよく頑張った。
しかし、戦いは儚い。
夢は夢でしかなかった。
「今回はいけると思ったのになあ」
「お前ってさ、一桁順位取ったことあったか?」
「いや、無い」
「オレは?」
「常連だな」
「そいつに勝とうとするなら?」
「一桁順位を取らねばならんな」
「よくわかってんじゃん」
両手で頭を掻きむしる。
フケがハラハラと落ちて行く。
何かしらケアをしろよと心の中で呟いた。
「なぜいつも通りの結果が出せたんだ?」
「言っただろ? 咲乃たちに手伝ってもらったって」
「反則ってことか。勝てば官軍とはよく言ったものだ」
オレ、頑張ったぞ!
最後尾からいつもの順位に上がっただけだ。
とやかく言われる筋合いではない。
「お前は友達なんかじゃないやい!」
「ひゃ! サダメ可愛い!」
あれ?
後ろから首に抱き着かれた。
怒ったのに。
「はあ。もうわかったよ。はい、負け負け。負けましたっと」
初めからそう言えばいいんだよ。
まったく。
「左近君ありがと。サダメの可愛い所が見られちゃった」
スリスリ。
頬ずりが激しい。
可愛い所、あったか?
わからん。
「負けたのに感謝されて、俺は何をやっていたんだろう」
「でも、史上最高位だったんだろ?」
「……そうだな。それはお前のお陰と言えるだろう」
「なんでマウントをとれるんだ?」
「俺だからだ」
もう、何の話をしているかわからなくなってきた。
帰ろう。
最大の峠は越したのだ。
後は。
そう!
お・と・ま・り!
「ありがとな、二人共。いつも通りの結果が出せたよ」
「サダメちゃんは元々出来る人ですからね。教えるのも楽でした」
「ちゃんとボクの愛も受け止めながらだったからね。ラブパワーもあったね!」
「ラブパワー、ね。妙にパワーワードだな」
「妹ちゃんには負けない愛だから、無くなると禁断症状に襲われるからね」
「怖い事言うなよ」
「ほんとだもん。毎日補充すれば大丈夫だから」
「咲乃はキスしたいだけじゃない。やり過ぎよ、あんなに」
確かになあ。
やり過ぎと言えるほどのキス休憩だった。
また腫れるんじゃないかと、実はテストより心配していたかも。
……一度も拒否はしなかった。
咲乃のキス。
パンチ力が半端なくって、今では癖になりつつある。
確かに途切れると禁断症状が出かねないな。
「サダメちゃん? まさか思い出していないでしょうね?」
「何を?」
「涎が垂れてきそうな程に表情が緩んでいるので」
「そ、そんなことはないだろう」
「天井見上げながらニヤニヤしてね、あの時を思い出しているんだねって感じだったよ」
マジか。
すぐ顔に出るからなあ。
思っていることが筒抜けになりがち。
「サダメ、いつでもしてあげるから。ちゃんと言うんだよ」
「わかった……じゃなくて、あ、あ、あわわ」
「はあ。咲乃キスを美咲キスに上書きしないといけないわね」
「は!?」
「恥ずかしいなんて言っていられないわ。私も頑張ります!」
頬を両手でパンパンと叩いて気合を入れている美咲。
いやいや。
そういうの頑張らなくてもいいから。
頑張らなくても。
ちょっとぐらいなら頑張ってもいいけど。
無理しない程度にしてもらえれば、こちらは歓迎です、はい。
「無理しないでね」
「ちょっと! 美咲のキスも欲しいって言うの!?」
「その、咲乃ばかりじゃフェアじゃないというか――」
「フェアとか要らないから。じゃあボクが倍頑張る!」
「ふぇ!?」
「私がやっと決心したというのに、咲乃が本気出したら困る」
「ならしなければいいんだよ。キスは、ボクが担当」
「サダメちゃんに私を擦りこめなくなるでしょ、だからやめて!」
大声でなんという言い合いするんだ。
……させているのはオレか。
二人の争いを見たら、妹たちも参戦するよな。
テスト疲れ、取れるかな。
テストの結果が。
「どうして!」
続々と。
「馬鹿な!」
返されて。
「……嘘だろ」
生徒達は。
「……抜かりは無かった」
科目ごとに。
「……だのに~な~ぜ~」
一喜一憂。
「あはは。そっかそっか、夢だな」
逃避も始まり。
「まあまあまあ。ここからだって、そうだよ」
幻想を抱きだす。
「……負けた、ぐはっ」
そして、白旗を上げる。
全九科目の答案が返されたのだ。
友人である裕二が偉大なるオレに挑んだテスト。
大物に小物が挑んだのだ。
彼はよく頑張った。
しかし、戦いは儚い。
夢は夢でしかなかった。
「今回はいけると思ったのになあ」
「お前ってさ、一桁順位取ったことあったか?」
「いや、無い」
「オレは?」
「常連だな」
「そいつに勝とうとするなら?」
「一桁順位を取らねばならんな」
「よくわかってんじゃん」
両手で頭を掻きむしる。
フケがハラハラと落ちて行く。
何かしらケアをしろよと心の中で呟いた。
「なぜいつも通りの結果が出せたんだ?」
「言っただろ? 咲乃たちに手伝ってもらったって」
「反則ってことか。勝てば官軍とはよく言ったものだ」
オレ、頑張ったぞ!
最後尾からいつもの順位に上がっただけだ。
とやかく言われる筋合いではない。
「お前は友達なんかじゃないやい!」
「ひゃ! サダメ可愛い!」
あれ?
後ろから首に抱き着かれた。
怒ったのに。
「はあ。もうわかったよ。はい、負け負け。負けましたっと」
初めからそう言えばいいんだよ。
まったく。
「左近君ありがと。サダメの可愛い所が見られちゃった」
スリスリ。
頬ずりが激しい。
可愛い所、あったか?
わからん。
「負けたのに感謝されて、俺は何をやっていたんだろう」
「でも、史上最高位だったんだろ?」
「……そうだな。それはお前のお陰と言えるだろう」
「なんでマウントをとれるんだ?」
「俺だからだ」
もう、何の話をしているかわからなくなってきた。
帰ろう。
最大の峠は越したのだ。
後は。
そう!
お・と・ま・り!
「ありがとな、二人共。いつも通りの結果が出せたよ」
「サダメちゃんは元々出来る人ですからね。教えるのも楽でした」
「ちゃんとボクの愛も受け止めながらだったからね。ラブパワーもあったね!」
「ラブパワー、ね。妙にパワーワードだな」
「妹ちゃんには負けない愛だから、無くなると禁断症状に襲われるからね」
「怖い事言うなよ」
「ほんとだもん。毎日補充すれば大丈夫だから」
「咲乃はキスしたいだけじゃない。やり過ぎよ、あんなに」
確かになあ。
やり過ぎと言えるほどのキス休憩だった。
また腫れるんじゃないかと、実はテストより心配していたかも。
……一度も拒否はしなかった。
咲乃のキス。
パンチ力が半端なくって、今では癖になりつつある。
確かに途切れると禁断症状が出かねないな。
「サダメちゃん? まさか思い出していないでしょうね?」
「何を?」
「涎が垂れてきそうな程に表情が緩んでいるので」
「そ、そんなことはないだろう」
「天井見上げながらニヤニヤしてね、あの時を思い出しているんだねって感じだったよ」
マジか。
すぐ顔に出るからなあ。
思っていることが筒抜けになりがち。
「サダメ、いつでもしてあげるから。ちゃんと言うんだよ」
「わかった……じゃなくて、あ、あ、あわわ」
「はあ。咲乃キスを美咲キスに上書きしないといけないわね」
「は!?」
「恥ずかしいなんて言っていられないわ。私も頑張ります!」
頬を両手でパンパンと叩いて気合を入れている美咲。
いやいや。
そういうの頑張らなくてもいいから。
頑張らなくても。
ちょっとぐらいなら頑張ってもいいけど。
無理しない程度にしてもらえれば、こちらは歓迎です、はい。
「無理しないでね」
「ちょっと! 美咲のキスも欲しいって言うの!?」
「その、咲乃ばかりじゃフェアじゃないというか――」
「フェアとか要らないから。じゃあボクが倍頑張る!」
「ふぇ!?」
「私がやっと決心したというのに、咲乃が本気出したら困る」
「ならしなければいいんだよ。キスは、ボクが担当」
「サダメちゃんに私を擦りこめなくなるでしょ、だからやめて!」
大声でなんという言い合いするんだ。
……させているのはオレか。
二人の争いを見たら、妹たちも参戦するよな。
テスト疲れ、取れるかな。
0
あなたにおすすめの小説
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編7が完結しました!(2026.1.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる