妹は双子、カノジョである。~双子がダブるってマ!?~

沢鴨ゆうま

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Folge 62 呪い!?

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「なぜだ!」

 テストの結果が。

「どうして!」

 続々と。

「馬鹿な!」

 返されて。

「……嘘だろ」

 生徒達は。

「……抜かりは無かった」

 科目ごとに。

「……だのに~な~ぜ~」

 一喜一憂。

「あはは。そっかそっか、夢だな」

 逃避も始まり。

「まあまあまあ。ここからだって、そうだよ」

 幻想を抱きだす。

「……負けた、ぐはっ」
 
 そして、白旗を上げる。
 全九科目の答案が返されたのだ。
 友人である裕二が偉大なるオレに挑んだテスト。
 大物に小物が挑んだのだ。
 彼はよく頑張った。
 しかし、戦いは儚い。
 夢は夢でしかなかった。

「今回はいけると思ったのになあ」

「お前ってさ、一桁順位取ったことあったか?」

「いや、無い」

「オレは?」

「常連だな」

「そいつに勝とうとするなら?」

「一桁順位を取らねばならんな」

「よくわかってんじゃん」

 両手で頭を掻きむしる。
 フケがハラハラと落ちて行く。
 何かしらケアをしろよと心の中で呟いた。

「なぜいつも通りの結果が出せたんだ?」

「言っただろ? 咲乃たちに手伝ってもらったって」

「反則ってことか。勝てば官軍とはよく言ったものだ」

 オレ、頑張ったぞ!
 最後尾からいつもの順位に上がっただけだ。
 とやかく言われる筋合いではない。

「お前は友達なんかじゃないやい!」

「ひゃ! サダメ可愛い!」

 あれ?
 後ろから首に抱き着かれた。
 怒ったのに。

「はあ。もうわかったよ。はい、負け負け。負けましたっと」

 初めからそう言えばいいんだよ。
 まったく。

「左近君ありがと。サダメの可愛い所が見られちゃった」

 スリスリ。
 頬ずりが激しい。
 可愛い所、あったか?
 わからん。

「負けたのに感謝されて、俺は何をやっていたんだろう」

「でも、史上最高位だったんだろ?」

「……そうだな。それはお前のお陰と言えるだろう」

「なんでマウントをとれるんだ?」

「俺だからだ」

 もう、何の話をしているかわからなくなってきた。
 帰ろう。
 最大の峠は越したのだ。
 後は。
 そう!
 お・と・ま・り!

「ありがとな、二人共。いつも通りの結果が出せたよ」

「サダメちゃんは元々出来る人ですからね。教えるのも楽でした」

「ちゃんとボクの愛も受け止めながらだったからね。ラブパワーもあったね!」

「ラブパワー、ね。妙にパワーワードだな」

「妹ちゃんには負けない愛だから、無くなると禁断症状に襲われるからね」

「怖い事言うなよ」

「ほんとだもん。毎日補充すれば大丈夫だから」

「咲乃はキスしたいだけじゃない。やり過ぎよ、あんなに」

 確かになあ。
 やり過ぎと言えるほどのキス休憩だった。
 また腫れるんじゃないかと、実はテストより心配していたかも。
 ……一度も拒否はしなかった。
 咲乃のキス。
 パンチ力が半端なくって、今では癖になりつつある。
 確かに途切れると禁断症状が出かねないな。

「サダメちゃん? まさか思い出していないでしょうね?」

「何を?」

「涎が垂れてきそうな程に表情が緩んでいるので」

「そ、そんなことはないだろう」

「天井見上げながらニヤニヤしてね、あの時を思い出しているんだねって感じだったよ」

 マジか。
 すぐ顔に出るからなあ。
 思っていることが筒抜けになりがち。

「サダメ、いつでもしてあげるから。ちゃんと言うんだよ」

「わかった……じゃなくて、あ、あ、あわわ」

「はあ。咲乃キスを美咲キスに上書きしないといけないわね」

「は!?」

「恥ずかしいなんて言っていられないわ。私も頑張ります!」

 頬を両手でパンパンと叩いて気合を入れている美咲。
 いやいや。
 そういうの頑張らなくてもいいから。
 頑張らなくても。
 ちょっとぐらいなら頑張ってもいいけど。
 無理しない程度にしてもらえれば、こちらは歓迎です、はい。

「無理しないでね」

「ちょっと! 美咲のキスも欲しいって言うの!?」

「その、咲乃ばかりじゃフェアじゃないというか――」

「フェアとか要らないから。じゃあボクが倍頑張る!」

「ふぇ!?」

「私がやっと決心したというのに、咲乃が本気出したら困る」

「ならしなければいいんだよ。キスは、ボクが担当」

「サダメちゃんに私を擦りこめなくなるでしょ、だからやめて!」

 大声でなんという言い合いするんだ。
 ……させているのはオレか。
 二人の争いを見たら、妹たちも参戦するよな。
 テスト疲れ、取れるかな。
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