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「左近さん、それは可哀そうに」
カラスからの攻撃を受けたため、すぐに風呂場へ直行。
「でも、美咲ちゃんたちとのことはイラっとするわよね」
最近ようやくどんな環境にいるのか実感するようになってきた。
だってさ、日常だから。
何も変わっているように思わなかった。
変わっているのは、家の間取りと着替え部屋があることぐらいかな。
親が不在って人の話は聞いたことあるし。
弟妹と仲良くし過ぎているとは裕二から聞いていたけど。
まさかイラっとするほどとは思わないよ。
「妹とならまだしも、美咲ちゃんたちは、ねえ」
「ツィスカちゃんたちとの話も有名だわ。仲が良いを超えているから」
「妹と仲が良くて何がいけないのよ」
「ツィスカちゃんもサダメと同じ考えなんだね」
「同じも何も。仲が良くて問題がある関係じゃないもん」
もう一人の妹が話に加わらない。
何故かと言うと――
カルラはツィスカの背中を抱いていた。
オレがよくやるラッコ抱き。
頭を撫でたり首を抱えたり。
頬を合わせたりして。
一人でツィスカにじゃれていた。
ツィスカはじゃれについては無反応。
カルラの好きにさせながら美乃咲姉妹と話をしていた。
「今のカルラちゃんみたいな感じ、かな」
「カルラ? 姉に甘えるのは普通じゃない。カルラは可愛いのよ」
そうなんだよなあ。
この姉妹。
オレの前では取り合うようなことをするものの、実は普段こんな感じ。
猫のように二人でじゃれ合っている。
それをゆっくり眺めていたいのだけど、させてくれない。
こっちに甘えちゃうからね。
美乃咲姉妹のおかげで珍しくじっくり眺めていられる。
「美咲ちゃんだって咲乃ちゃんの事となると何よりも優先していて」
「言わないで」
「お姉さんなんだなあって。咲乃ちゃん良かったねって思うの」
「そうだね。ボクが外に出られなくなったりしたから余計にね」
「もう、いいってば」
「美咲ちゃんが照れてる! いいわね、もっと見た~い!」
ふむふむ。
姉妹同士の会話っていいね。
それも双子同士で。
いつまでも見ていられる。
「ねえ兄ちゃん」
「どした?」
「いつまでパンツ一枚でそこにいるのよ」
「あ」
「早く入らないと風邪ひいちゃうよ。看病してあたしも風邪ひくぞぉ?」
「それはまずい。入ってくる」
「いってらっしゃい」
五人の声がハモる。
しっかりタケルが混ざっていた。
こういう時にあいつは情報を収集しているんだろうな。
さて。
珍しく一人で風呂。
と言ってもシャワーだけだが。
いやあ変な事ばかり連続で起こったな。
本当に裕二の呪いなのかな。
それはお門違いだろ。
オレを知る女子に勉強を教えてもらった。
それだけだ。
テスト結果で勝負とか、なんでオレに勝ちたがるんだ。
今回のテストはマジで頑張ったんだからな。
えっと、頑張らなきゃならなくしたのは自分だけど。
あ!?
これトリートメントじゃない!
ほらぁ。
どうでもいい事考えているからまたシャンプーしちゃったよ。
めっちゃ泡立つ。
裕二からシャンプーワンプッシュ分としてジュース奢らせるか。
カラスからの攻撃を受けたため、すぐに風呂場へ直行。
「でも、美咲ちゃんたちとのことはイラっとするわよね」
最近ようやくどんな環境にいるのか実感するようになってきた。
だってさ、日常だから。
何も変わっているように思わなかった。
変わっているのは、家の間取りと着替え部屋があることぐらいかな。
親が不在って人の話は聞いたことあるし。
弟妹と仲良くし過ぎているとは裕二から聞いていたけど。
まさかイラっとするほどとは思わないよ。
「妹とならまだしも、美咲ちゃんたちは、ねえ」
「ツィスカちゃんたちとの話も有名だわ。仲が良いを超えているから」
「妹と仲が良くて何がいけないのよ」
「ツィスカちゃんもサダメと同じ考えなんだね」
「同じも何も。仲が良くて問題がある関係じゃないもん」
もう一人の妹が話に加わらない。
何故かと言うと――
カルラはツィスカの背中を抱いていた。
オレがよくやるラッコ抱き。
頭を撫でたり首を抱えたり。
頬を合わせたりして。
一人でツィスカにじゃれていた。
ツィスカはじゃれについては無反応。
カルラの好きにさせながら美乃咲姉妹と話をしていた。
「今のカルラちゃんみたいな感じ、かな」
「カルラ? 姉に甘えるのは普通じゃない。カルラは可愛いのよ」
そうなんだよなあ。
この姉妹。
オレの前では取り合うようなことをするものの、実は普段こんな感じ。
猫のように二人でじゃれ合っている。
それをゆっくり眺めていたいのだけど、させてくれない。
こっちに甘えちゃうからね。
美乃咲姉妹のおかげで珍しくじっくり眺めていられる。
「美咲ちゃんだって咲乃ちゃんの事となると何よりも優先していて」
「言わないで」
「お姉さんなんだなあって。咲乃ちゃん良かったねって思うの」
「そうだね。ボクが外に出られなくなったりしたから余計にね」
「もう、いいってば」
「美咲ちゃんが照れてる! いいわね、もっと見た~い!」
ふむふむ。
姉妹同士の会話っていいね。
それも双子同士で。
いつまでも見ていられる。
「ねえ兄ちゃん」
「どした?」
「いつまでパンツ一枚でそこにいるのよ」
「あ」
「早く入らないと風邪ひいちゃうよ。看病してあたしも風邪ひくぞぉ?」
「それはまずい。入ってくる」
「いってらっしゃい」
五人の声がハモる。
しっかりタケルが混ざっていた。
こういう時にあいつは情報を収集しているんだろうな。
さて。
珍しく一人で風呂。
と言ってもシャワーだけだが。
いやあ変な事ばかり連続で起こったな。
本当に裕二の呪いなのかな。
それはお門違いだろ。
オレを知る女子に勉強を教えてもらった。
それだけだ。
テスト結果で勝負とか、なんでオレに勝ちたがるんだ。
今回のテストはマジで頑張ったんだからな。
えっと、頑張らなきゃならなくしたのは自分だけど。
あ!?
これトリートメントじゃない!
ほらぁ。
どうでもいい事考えているからまたシャンプーしちゃったよ。
めっちゃ泡立つ。
裕二からシャンプーワンプッシュ分としてジュース奢らせるか。
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