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Folge 96 補充
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「兄ちゃん!」
美咲との時間。
とても素敵なロケーションで堪能させてもらった。
素晴らし過ぎて、全く飽きない。
いつまでも話せてしまう。
それを二人とも感じていたから、惜しみつつ戻ることにしたんだ。
お待ちかねの連中を待たせ過ぎると、ね。
どんな制裁を科されるのか分かったものじゃない。
「補充! いいわよね」
ツィスカが突進してきて抱き着いた。
学校へ行くよりは遥かに短い時間だぞ。
そんなに燃費が悪いのに、毎日よくもつな。
「もちろん構わないけどさ、待てる時間だろ?」
「兄ちゃんは、見かけたら捕まえるの!」
猫に捕まるネズミの気分だ。
「毎日の昼間は補充無しじゃないか」
「だから帰ったら捕まえるんでしょ。そしてぇ、一緒に寝るの」
そうだよ。
何を忘れているんだ。
我慢しているんだよな。
その我慢レベル分だけヘトヘトにされる。
常に愛を搾取され、強制注入されるんだ。
それにより、メロメロにされたわけだが。
補充に来られると、愛がもらえる。
これは癖になりますって。
シスコンになるのは仕方ないのだ。
メロメロになったところでウチの弟だよ。
その頃には思考が麻痺している。
ブラコンになるわけだ。
うむ。
このオレを作ったのは弟妹だったのか。
「次はわたしの番ね」
いつも通り、順番に吸い取られてゆく。
手懐けられたようで引っかかるものが無くはない。
けれど、この時間が安心するのは確かだ。
「美咲ちゃんともいい話ができたみたいだね」
「そんなの分かるのか?」
「うん。兄ちゃんだからね」
また気持ちがザルだったか。
……漏れの修理を依頼したい。
タケルともハグを交わし、一連の流れが終わる。
そして時間もそれなりになっていた。
◇
引き籠りな一団。
帰る体力があるうちに帰路に就いた。
電車の中では全員が即寝落ちした。
早めに切り上げたのは正解だったな。
というオレは一人起きている。
全員の寝顔を一人一人眺めながら。
ぐはっ。
オレがオレになれて良かったと心底思うよ。
こればかりは自分で作ることができない環境だ。
作ったのは両親になる。
感謝すべき所なのかな。
いや、普段いない分の報酬なのかもしれない。
なんにせよ、この状況を壊したくないよ。
全員好きだなあ。
この中毒性。
実は良さげに見えて地獄なのか!?
こいつらが傍にいないことに耐えられないもんな。
こいつらもオレがいないことに耐えられそうにないようだし。
地獄にならないようにどっぷり浸かっていたいな。
――――それ、どうすればいいんだ?
「兄ちゃん、ふみゅふみゅ……」
猫のようにオレの膝枕で寝ているツィスカの頭を撫でている。
横にくの字だから起きたら痛さで泣いていそうだ。
そして当然のように片方の肩に頭を乗せているカルラ。
妹サンドウィッチを電車で楽しむのはいいね。
あ、どこでも嬉しいや。
目の前の席には窓枠に頬杖をついたまま寝ているタケル。
真ん中、通路側に咲乃と美咲だ。
三人シートを対面させているわけだ。
さて、帰ったら色々と頭の中を整理しなきゃ。
焦ることはない。
みんな一つ屋根の下だ。
そう思ったら急に睡魔が襲ってきた。
妹の温もりも手伝って寝落ちしてゆく。
乗り過ごさないようにしないと……。
美咲との時間。
とても素敵なロケーションで堪能させてもらった。
素晴らし過ぎて、全く飽きない。
いつまでも話せてしまう。
それを二人とも感じていたから、惜しみつつ戻ることにしたんだ。
お待ちかねの連中を待たせ過ぎると、ね。
どんな制裁を科されるのか分かったものじゃない。
「補充! いいわよね」
ツィスカが突進してきて抱き着いた。
学校へ行くよりは遥かに短い時間だぞ。
そんなに燃費が悪いのに、毎日よくもつな。
「もちろん構わないけどさ、待てる時間だろ?」
「兄ちゃんは、見かけたら捕まえるの!」
猫に捕まるネズミの気分だ。
「毎日の昼間は補充無しじゃないか」
「だから帰ったら捕まえるんでしょ。そしてぇ、一緒に寝るの」
そうだよ。
何を忘れているんだ。
我慢しているんだよな。
その我慢レベル分だけヘトヘトにされる。
常に愛を搾取され、強制注入されるんだ。
それにより、メロメロにされたわけだが。
補充に来られると、愛がもらえる。
これは癖になりますって。
シスコンになるのは仕方ないのだ。
メロメロになったところでウチの弟だよ。
その頃には思考が麻痺している。
ブラコンになるわけだ。
うむ。
このオレを作ったのは弟妹だったのか。
「次はわたしの番ね」
いつも通り、順番に吸い取られてゆく。
手懐けられたようで引っかかるものが無くはない。
けれど、この時間が安心するのは確かだ。
「美咲ちゃんともいい話ができたみたいだね」
「そんなの分かるのか?」
「うん。兄ちゃんだからね」
また気持ちがザルだったか。
……漏れの修理を依頼したい。
タケルともハグを交わし、一連の流れが終わる。
そして時間もそれなりになっていた。
◇
引き籠りな一団。
帰る体力があるうちに帰路に就いた。
電車の中では全員が即寝落ちした。
早めに切り上げたのは正解だったな。
というオレは一人起きている。
全員の寝顔を一人一人眺めながら。
ぐはっ。
オレがオレになれて良かったと心底思うよ。
こればかりは自分で作ることができない環境だ。
作ったのは両親になる。
感謝すべき所なのかな。
いや、普段いない分の報酬なのかもしれない。
なんにせよ、この状況を壊したくないよ。
全員好きだなあ。
この中毒性。
実は良さげに見えて地獄なのか!?
こいつらが傍にいないことに耐えられないもんな。
こいつらもオレがいないことに耐えられそうにないようだし。
地獄にならないようにどっぷり浸かっていたいな。
――――それ、どうすればいいんだ?
「兄ちゃん、ふみゅふみゅ……」
猫のようにオレの膝枕で寝ているツィスカの頭を撫でている。
横にくの字だから起きたら痛さで泣いていそうだ。
そして当然のように片方の肩に頭を乗せているカルラ。
妹サンドウィッチを電車で楽しむのはいいね。
あ、どこでも嬉しいや。
目の前の席には窓枠に頬杖をついたまま寝ているタケル。
真ん中、通路側に咲乃と美咲だ。
三人シートを対面させているわけだ。
さて、帰ったら色々と頭の中を整理しなきゃ。
焦ることはない。
みんな一つ屋根の下だ。
そう思ったら急に睡魔が襲ってきた。
妹の温もりも手伝って寝落ちしてゆく。
乗り過ごさないようにしないと……。
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