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第三章 平和のための戦い
第五話 錆びかけていた宣言
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Szene-01 カシカルド王国、カシカルド城王室
カシカルド王国を取り仕切る女王ローデリカは、王室にて秘書官からの報告を聞いていた。
「続いてレアルプドルフについて。トゥサイ村への侵攻が決まったようです。現在、トゥサイの村長は荷物をまとめて逃げようと企んでいたようですが、レアルプドルフがこれを察知。足止めを行っている模様。町の東地区に建設していた壁が完成したため侵攻決定となったとのこと」
「おお、いよいよか。と言っても、あっという間に方が付いて戦いとは言えないだろうがな」
秘書官からの報告が止まる。
机の表面を弄りながら聞いていたローデリカは、報告に間が空いたため秘書官に目を向けた。
「どうした? 次の報告をしてよいぞ」
「……以上です」
秘書官は、無駄に大きな書類ばさみをゆっくりと閉じながら言った。
「……はあ。お前も手ごたえが無くてつまらぬだろう?」
「私が情報をお伝えすることで、陛下の喜ぶ姿が見られないのは残念でなりません」
「きれいごとを言うな。背筋が寒くなる」
秘書官が眉毛を下げて寂しそうな顔になり、小さな声でつぶやいた。
「本当なのですが……」
つぶやきが聞こえたかは不明だが、ローデリカは次の話へと切り替える。
「レアルプドルフは引き続き見守ってやってくれ。彼らがトゥサイを取り込めば、これまで以上に交易をする相手となる。東からの行商人をしっかり吟味しているから、こちらが助かる物資が手に入りやすくなるぞ」
「怪しい者が排除されるということですね。頼もしい町だ」
Szene-02 レアルプドルフ、町役場
「では各隊、夜回りの時間に鐘楼前で集まるように。ダン様、東地区については例の話でよろしいですね?」
「わかっている。エールとルイーサに伝えてすぐに行かせる」
町長から、トゥサイ村への侵攻宣言が正式に伝えられたところである。
ベーア討伐時の部隊を中心に三部隊が招集され、取り仕切る上級剣士三人とダンが町役場に集まっていた。
装備を身に着けた剣士たちと町長が座る談話席は、人数のわりに狭く感じられる。
心なしか机と椅子が小さく見えるからか、時々役人たちの目は男四人へ向いてしまう。
「いよいよか」
「正直言って魔獣相手にするよりは、はるかに楽だろうよ」
「はっはっは。俺たちが村に入るだけで終了ってか?」
ダンは目の前で笑い合っている三人に呆れた表情をしている。
役人たちが聞き耳を立てていることもあり、口を挟んで話を止めた。
「おいおい、戦う前に勝ったつもりになるのは何よりも恐ろしいことだぞ。調子に乗っていると、小さな村に敗北した町として有名になりかねん。戦いの前後に慢心は禁物だ。上級剣士らしく振舞うようにしてくれよ」
「……ダン様の言う通りです、申し訳ありません。みんな、気を引き締めるぞ」
剣聖であるダンから忠告された三人は、改めて意識を持ち直したことを表すように、姿勢を正した。
「トゥサイ村については調査中ですが、こちらが掴めていない何かがあるかもしれません。これを機に、お互い何事にも慢心しないようにしましょう」
町長も、自身への戒めを含めてダンの言葉に添えるように剣士たちへ伝えた。
Szene-03 レアルプドルフ、ルイーサ家前
エールタイン達がダン家から自宅へ向かう途中には、ルイーサの家がある。
地区道を歩いている二人の前に、一匹のリスが現れる。
「あ、アムレット! あなたのご主人様はどこなの?」
アムレットを見つけたティベルダがしゃがんで問うと、アムレットはルイーサの家へ振り返る。
「おうちにいるの? エール様、来て欲しいみたいですよ」
「ルイーサに話があるし、行ってみよっか」
ティベルダは、アムレットの大きな尻尾を追いかける。
その姿を見て微笑むエールタインは一度立ち止まり、五番地区を見渡した。
「いつもこの景色を見ていたいだけなんだけどな――他の人たちは違うみたいだ」
エールタインは一言呟き、アムレットに遊ばれているティベルダのところへと向かった。
ティベルダの声が合図となったようで、ルイーサとヒルデガルドが家から現れた。
「騒々しい子が来たわね。アムレットに遊ばれているじゃないの」
ティベルダは、アムレットの尻尾を既のところでかわされると立ち止まった。
「……遊んでいるんですけど」
「あらそう? 私には違って見えたのだけど」
「ルイーサ様も遊びたいのですね? アムレット、ご主人様が遊んで欲しいそうよ」
「な!? そんなこと一言も言っていないじゃない。失礼ね」
「あらアムレット、ご主人様は遊びたくないみたい」
「いえ、そうではなくて。アムレット違うのよ。私は今あなたと遊びたいとかそうでないとかではなくて――――なんでこんな言い訳しないといけないのよ!」
ヒルデガルドは、主人とティベルダの話が始まってからずっとクスクス笑っている。
エールタインはティベルダを背中から抱きかかえて話を止めた。
「ティベルダ、そういうことしちゃだめだって。ルイーサは楽しそうだけど、それは優しいからだよ。他の人なら斬られるかもしれないよ?」
「はーい、気を付けます。ルイーサ様、失礼しました」
ルイーサは左右の手を腰に当ててため息をついた。
「まったく……それはそうと、あなたたちずっと家にいなかったわね」
「うん。ダンとの話があったからね」
「アムレットから聞いていたわ。壁が出来たから始まるんでしょ?」
「うん、そうみたい」
エールタインとルイーサの話が始まったところへ、ダンとヘルマが通りがかった。
「おお、ちょうど二人とも一緒じゃないか。どちらにも話があってな――」
「トゥサイ村のが始まるから、ボクたちがブーズへ行くんでしょ?」
ダンが言い切る前にエールタインが続きを言った。
「なんだ、知っていたのか……いや、なぜ知っているんだ?」
「攻める話は聞いてたし、今ダンから話があるとすればそれしかないでしょ」
頭を掻きながらダンが答える。
「そう、か――まあ、そういうことだから、二人ともいや、四人でブーズの守りを固めていて欲しい」
「わかった。ルイーサ、らしいけど大丈夫?」
「私だってそのつもりで準備していたわよ。ヒルデガルドからの提案で、ヴォルフをブーズの森に控えさせておくのはどうかしら。もしもの時には助かると思うの」
ルイーサの意見にはダンが反応した。
「ほほう、それは面白いな。せっかくの能力だから使わない手はない。ヒルデガルド、頼めるか?」
「私が提案したことですから、問題ありません。ブーズの方たちも私の能力について少しは知っていますし」
エールタインたちのブーズ防衛に、ヴォルフの参戦も決定したトゥサイ村への侵攻。
いよいよレアルプドルフは、戦いのリハビリへと進む。
カシカルド王国を取り仕切る女王ローデリカは、王室にて秘書官からの報告を聞いていた。
「続いてレアルプドルフについて。トゥサイ村への侵攻が決まったようです。現在、トゥサイの村長は荷物をまとめて逃げようと企んでいたようですが、レアルプドルフがこれを察知。足止めを行っている模様。町の東地区に建設していた壁が完成したため侵攻決定となったとのこと」
「おお、いよいよか。と言っても、あっという間に方が付いて戦いとは言えないだろうがな」
秘書官からの報告が止まる。
机の表面を弄りながら聞いていたローデリカは、報告に間が空いたため秘書官に目を向けた。
「どうした? 次の報告をしてよいぞ」
「……以上です」
秘書官は、無駄に大きな書類ばさみをゆっくりと閉じながら言った。
「……はあ。お前も手ごたえが無くてつまらぬだろう?」
「私が情報をお伝えすることで、陛下の喜ぶ姿が見られないのは残念でなりません」
「きれいごとを言うな。背筋が寒くなる」
秘書官が眉毛を下げて寂しそうな顔になり、小さな声でつぶやいた。
「本当なのですが……」
つぶやきが聞こえたかは不明だが、ローデリカは次の話へと切り替える。
「レアルプドルフは引き続き見守ってやってくれ。彼らがトゥサイを取り込めば、これまで以上に交易をする相手となる。東からの行商人をしっかり吟味しているから、こちらが助かる物資が手に入りやすくなるぞ」
「怪しい者が排除されるということですね。頼もしい町だ」
Szene-02 レアルプドルフ、町役場
「では各隊、夜回りの時間に鐘楼前で集まるように。ダン様、東地区については例の話でよろしいですね?」
「わかっている。エールとルイーサに伝えてすぐに行かせる」
町長から、トゥサイ村への侵攻宣言が正式に伝えられたところである。
ベーア討伐時の部隊を中心に三部隊が招集され、取り仕切る上級剣士三人とダンが町役場に集まっていた。
装備を身に着けた剣士たちと町長が座る談話席は、人数のわりに狭く感じられる。
心なしか机と椅子が小さく見えるからか、時々役人たちの目は男四人へ向いてしまう。
「いよいよか」
「正直言って魔獣相手にするよりは、はるかに楽だろうよ」
「はっはっは。俺たちが村に入るだけで終了ってか?」
ダンは目の前で笑い合っている三人に呆れた表情をしている。
役人たちが聞き耳を立てていることもあり、口を挟んで話を止めた。
「おいおい、戦う前に勝ったつもりになるのは何よりも恐ろしいことだぞ。調子に乗っていると、小さな村に敗北した町として有名になりかねん。戦いの前後に慢心は禁物だ。上級剣士らしく振舞うようにしてくれよ」
「……ダン様の言う通りです、申し訳ありません。みんな、気を引き締めるぞ」
剣聖であるダンから忠告された三人は、改めて意識を持ち直したことを表すように、姿勢を正した。
「トゥサイ村については調査中ですが、こちらが掴めていない何かがあるかもしれません。これを機に、お互い何事にも慢心しないようにしましょう」
町長も、自身への戒めを含めてダンの言葉に添えるように剣士たちへ伝えた。
Szene-03 レアルプドルフ、ルイーサ家前
エールタイン達がダン家から自宅へ向かう途中には、ルイーサの家がある。
地区道を歩いている二人の前に、一匹のリスが現れる。
「あ、アムレット! あなたのご主人様はどこなの?」
アムレットを見つけたティベルダがしゃがんで問うと、アムレットはルイーサの家へ振り返る。
「おうちにいるの? エール様、来て欲しいみたいですよ」
「ルイーサに話があるし、行ってみよっか」
ティベルダは、アムレットの大きな尻尾を追いかける。
その姿を見て微笑むエールタインは一度立ち止まり、五番地区を見渡した。
「いつもこの景色を見ていたいだけなんだけどな――他の人たちは違うみたいだ」
エールタインは一言呟き、アムレットに遊ばれているティベルダのところへと向かった。
ティベルダの声が合図となったようで、ルイーサとヒルデガルドが家から現れた。
「騒々しい子が来たわね。アムレットに遊ばれているじゃないの」
ティベルダは、アムレットの尻尾を既のところでかわされると立ち止まった。
「……遊んでいるんですけど」
「あらそう? 私には違って見えたのだけど」
「ルイーサ様も遊びたいのですね? アムレット、ご主人様が遊んで欲しいそうよ」
「な!? そんなこと一言も言っていないじゃない。失礼ね」
「あらアムレット、ご主人様は遊びたくないみたい」
「いえ、そうではなくて。アムレット違うのよ。私は今あなたと遊びたいとかそうでないとかではなくて――――なんでこんな言い訳しないといけないのよ!」
ヒルデガルドは、主人とティベルダの話が始まってからずっとクスクス笑っている。
エールタインはティベルダを背中から抱きかかえて話を止めた。
「ティベルダ、そういうことしちゃだめだって。ルイーサは楽しそうだけど、それは優しいからだよ。他の人なら斬られるかもしれないよ?」
「はーい、気を付けます。ルイーサ様、失礼しました」
ルイーサは左右の手を腰に当ててため息をついた。
「まったく……それはそうと、あなたたちずっと家にいなかったわね」
「うん。ダンとの話があったからね」
「アムレットから聞いていたわ。壁が出来たから始まるんでしょ?」
「うん、そうみたい」
エールタインとルイーサの話が始まったところへ、ダンとヘルマが通りがかった。
「おお、ちょうど二人とも一緒じゃないか。どちらにも話があってな――」
「トゥサイ村のが始まるから、ボクたちがブーズへ行くんでしょ?」
ダンが言い切る前にエールタインが続きを言った。
「なんだ、知っていたのか……いや、なぜ知っているんだ?」
「攻める話は聞いてたし、今ダンから話があるとすればそれしかないでしょ」
頭を掻きながらダンが答える。
「そう、か――まあ、そういうことだから、二人ともいや、四人でブーズの守りを固めていて欲しい」
「わかった。ルイーサ、らしいけど大丈夫?」
「私だってそのつもりで準備していたわよ。ヒルデガルドからの提案で、ヴォルフをブーズの森に控えさせておくのはどうかしら。もしもの時には助かると思うの」
ルイーサの意見にはダンが反応した。
「ほほう、それは面白いな。せっかくの能力だから使わない手はない。ヒルデガルド、頼めるか?」
「私が提案したことですから、問題ありません。ブーズの方たちも私の能力について少しは知っていますし」
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