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第23【強者の特権】(3)
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【協会内部非常通路】
ヒールに慣れたせいか、「カッカッカッ」と一定のリズムが辺りに響く。
踝まである長いドレスは、風に揺られ「ゆらゆら」と靡いている。
老婆に赤子を抱かせ、「アイナ」と「ミフィレン」は私が両脇に抱える。
沢山飯を食ったせいか、ミフィレンがやや重たい。
本当は他人の子何て抱きたくないのが本音だが、「助けてあげて!お願い!」何て言われたらしょうがないよな。
ほんとに、あんたと出会ってから私は変わった気がするよ。
「避難所はこの角を曲がった所よ!!」
長い距離を走った老婆の体力は限界であり、息を切らせながら伝えてくれた。
先に角を曲がり、「ヒィィイ!!」と悲鳴が聞こえ、
私は老婆の後を追い曲がり切った所には、腰を抜かす老婆と眼前には2体の危険種が扉前を陣取るように集まっていた。
(変だ...なぜここで集まっているのか、偶然にしては......)
私は考えを巡らすが、結局分からず小さな2人を下ろすと
手の平に火の玉を奴ら目掛け先制を取り、扉前から遠ざける。
隙をつき、ミフィレン達は避難所に名前札を認証させ中へ入る。
〔弾丸蟻〕=【危険度level-Ⅱ】
(並外れた脚力と頑強な顎により、直径170cmの凶弾と化す)
加速飛蝗=【危険度level-Ⅱ】
(その脚は生まれながら得た力であ(見るからに血管が脈打つぶっとい脚は、恐らく速いんだろうな~って私は思った。以上)
2体は挑発に乗り、扉から遠ざかるニッシャを追う。
数分走り被害が及ばない場所で止まる。
指で2体を差し、声高らかに言ってやった。
「速さ自慢が私に勝てると思うなよ?ほら、美人なお姉さんが相手してやるからとっととこいよ!」
決まった......と自己陶酔してるのも束の間、飛蝗野郎が指先から消えている。
勘を頼りに右へ飛び退く。
瞬きほどの間隔だった。先程まで立っていた地面がまるで隕石でも落下したような凹みがあった。
大小様々な破片が飛び散り頬に当たる。
眼前に広がる直径1M程のクレーターを見て、空中で体勢を整えようとしたその時だった。
着地よりも早く、蟻が私目掛け一直線に飛んで来たのだ。
クレーターに気を取られたせいもあって、反応が遅れ寸前で顎を両手で押さえつけその勢いのまま柱に強く打ち付けられた。
衝撃は内部に響き高級な床材に血反吐を吐き散らす。
飛蝗と蟻は余裕綽々なのか追撃をせずこちらの様子を伺っている。
両脇は石の柱で踏ん張りが効き
柱は視角になりやすく影で狙える
おまけに天井が無駄に高いせいで高く跳び、蹴りの威力倍増ってか......
(今の、一撃でしてやられたわけか......)
【協会魔法壁前】
黒き巨影は都へ接近する。
重厚な音が鳴り響き、徐々にその距離を縮めていった。
部隊はおよそ100余名程、勝てない相手ではないと考え同時かつ多数の詠唱を行う。
大規模なその魔法は、植物で肉体を縛り、その身を業火で焼き尽くし、地が割れ、数10tものGが執拗に襲いくる。
「やったのか......?」
魔力は底を尽き、倒したかに思えた。
地形を変えるほど沢山の魔法が放たれたが、
奴はただ歩き、唖然とする隊員達には一切の攻撃を加えることなく平然と横を通りすぎたのだ。
「何を......されたんだ」
「開いた口が塞がらない」とはまさにこの事だが事実、なにもしていない。
王はただ甘い樹液をひたすらに求め続けその歩みを止めることなく、求めるものはただ1つ【究極の死合い】である。
「パァーンッ」と風船でも割ったかのような破裂音がしまるで、元からなかったかの様に魔法壁をその身一つで突破する。
通常、魔法壁はあらゆる事象を想定して作られている。
だが「想像の域を越えた」事が起きたのだ。
自動修復により壁は徐々に穴を埋めていき隊員達は、その黒き背をただ茫然と眺めているだけだった。
ヒールに慣れたせいか、「カッカッカッ」と一定のリズムが辺りに響く。
踝まである長いドレスは、風に揺られ「ゆらゆら」と靡いている。
老婆に赤子を抱かせ、「アイナ」と「ミフィレン」は私が両脇に抱える。
沢山飯を食ったせいか、ミフィレンがやや重たい。
本当は他人の子何て抱きたくないのが本音だが、「助けてあげて!お願い!」何て言われたらしょうがないよな。
ほんとに、あんたと出会ってから私は変わった気がするよ。
「避難所はこの角を曲がった所よ!!」
長い距離を走った老婆の体力は限界であり、息を切らせながら伝えてくれた。
先に角を曲がり、「ヒィィイ!!」と悲鳴が聞こえ、
私は老婆の後を追い曲がり切った所には、腰を抜かす老婆と眼前には2体の危険種が扉前を陣取るように集まっていた。
(変だ...なぜここで集まっているのか、偶然にしては......)
私は考えを巡らすが、結局分からず小さな2人を下ろすと
手の平に火の玉を奴ら目掛け先制を取り、扉前から遠ざける。
隙をつき、ミフィレン達は避難所に名前札を認証させ中へ入る。
〔弾丸蟻〕=【危険度level-Ⅱ】
(並外れた脚力と頑強な顎により、直径170cmの凶弾と化す)
加速飛蝗=【危険度level-Ⅱ】
(その脚は生まれながら得た力であ(見るからに血管が脈打つぶっとい脚は、恐らく速いんだろうな~って私は思った。以上)
2体は挑発に乗り、扉から遠ざかるニッシャを追う。
数分走り被害が及ばない場所で止まる。
指で2体を差し、声高らかに言ってやった。
「速さ自慢が私に勝てると思うなよ?ほら、美人なお姉さんが相手してやるからとっととこいよ!」
決まった......と自己陶酔してるのも束の間、飛蝗野郎が指先から消えている。
勘を頼りに右へ飛び退く。
瞬きほどの間隔だった。先程まで立っていた地面がまるで隕石でも落下したような凹みがあった。
大小様々な破片が飛び散り頬に当たる。
眼前に広がる直径1M程のクレーターを見て、空中で体勢を整えようとしたその時だった。
着地よりも早く、蟻が私目掛け一直線に飛んで来たのだ。
クレーターに気を取られたせいもあって、反応が遅れ寸前で顎を両手で押さえつけその勢いのまま柱に強く打ち付けられた。
衝撃は内部に響き高級な床材に血反吐を吐き散らす。
飛蝗と蟻は余裕綽々なのか追撃をせずこちらの様子を伺っている。
両脇は石の柱で踏ん張りが効き
柱は視角になりやすく影で狙える
おまけに天井が無駄に高いせいで高く跳び、蹴りの威力倍増ってか......
(今の、一撃でしてやられたわけか......)
【協会魔法壁前】
黒き巨影は都へ接近する。
重厚な音が鳴り響き、徐々にその距離を縮めていった。
部隊はおよそ100余名程、勝てない相手ではないと考え同時かつ多数の詠唱を行う。
大規模なその魔法は、植物で肉体を縛り、その身を業火で焼き尽くし、地が割れ、数10tものGが執拗に襲いくる。
「やったのか......?」
魔力は底を尽き、倒したかに思えた。
地形を変えるほど沢山の魔法が放たれたが、
奴はただ歩き、唖然とする隊員達には一切の攻撃を加えることなく平然と横を通りすぎたのだ。
「何を......されたんだ」
「開いた口が塞がらない」とはまさにこの事だが事実、なにもしていない。
王はただ甘い樹液をひたすらに求め続けその歩みを止めることなく、求めるものはただ1つ【究極の死合い】である。
「パァーンッ」と風船でも割ったかのような破裂音がしまるで、元からなかったかの様に魔法壁をその身一つで突破する。
通常、魔法壁はあらゆる事象を想定して作られている。
だが「想像の域を越えた」事が起きたのだ。
自動修復により壁は徐々に穴を埋めていき隊員達は、その黒き背をただ茫然と眺めているだけだった。
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