45 / 53
第46【子育て日記初日】(3)
しおりを挟むいつもは、感覚を頼りにただ燃やせば良いとだけ思っていたが、今回の闘いで改めて実感したんだ。
消費が激しい分一撃の威力は、確実に上がるがその強大な力は、私自身を蝕んでいることに改めて気付かされた。
ただ闇雲に力を振るうのではなく、目的を芯で捉え効率的に魔力を使うことによって体への負担も軽減される。
指先から少量の魔力を放出し、静かに目を閉じると皿全体ではなく中心を軸に熱を集中させる。
徐々に消えてゆく汚れは、成功を意味するように焼失していた。
1枚出来たら、また1枚と改良を重ねながら次々と同じ作業をし、初めの苦戦が嘘みたいに上達し、その速度はニッシャならではだった。
【?時間経過後......】
一人黙々とやっていたが、流石のニッシャでも息を切らしていた。
「私もやればできるもんだな......」とあれほどあったお皿の山は消え、我ながら感心してしまう。
二人で絵を描いた皿は、勿体無くて1枚残らず欲しかったんだが、流石に人の家の物だからな......泣く泣く綺麗にせざるをえなかった。
ここ数日は、無茶をしすぎたため流石のニッシャでも集中力の糸が切れ、「すやすや」と寝息を立てる小さな体を抱きしめながら、倒れ込むように寝そべる。
抱擁されたことによりミフィレンの帽子がズレ、手の平サイズのお皿が見えたような見えなかったような真実は、小さな絵描きさんだけが知るのでした。
【時刻は真夜中】
「ギギギッ」と扉が少しだけ開き小さな顔が覗き込むように「チラッ」と出ていて、手には、水晶玉を持っており独り言のように話始めた。
「おばあちゃん見てる?一見不器用そうだけどちゃんとやり遂げたらしいよ?」
余りにも近すぎたのか「老婆の目玉がドアップ」になっていて、「近すぎだよ......」とアイナが言うと、笑いながら距離をとる。
「フォッフォッフォッ」と老婆は、高笑いすると小さい眼で辺りを見渡すように覗き見る。
「私は、旧友に会いに行ってるからねぇまだまだ戻らないよ」
辛気臭そうな顔をしているが老婆の後ろでは、楽しそうな声が聞こえ、あれほどの被害が有りながら、平気な顔をしているのだ。
どうしてかは、後程分かるとして......
「おばあちゃん、あんまり若くないんだからお酒は、控えなよ」
アイナがそう釘を指すと、シワシワな顔は、「シュンッ」と反省した様な顔をしていた。
「少しだけ言い過ぎたかな......?」そう思って、水晶玉から映像が消える瞬間、老婆は右手にあった高濃度のアルコールをコールと共にラッパ飲みしていた。
「おばあちゃんったら本当に、言うこと聞かないんだから......いつか死んじゃうよ?」
アイナは、消えた水晶玉にそう言い残すと寝息を立てる二人を起こさぬよう、静かに扉を閉めると「また明日ね」と小さく呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる