どこにでもいる平凡な私

柚みかん

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番外編

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今日は定例の二人でのお茶会。

「え…?」

いや、そりゃ、うん
決まっていた事ではあるけど
時期が早すぎませんか?

「もうほとんどの準備はすませておる。」

いやいや、え?
いつの間に?

「珍しくシェールが狼狽えておるな。」

ギューって抱きしめてくる。

嬉しいけど困惑しかない。

「いよいよシェールが私のになるな。」

あー…カッコいい。
でもこれは悪魔の笑だわ。
頭上にキスをするフォード様になされるまま。

「どうした?…まさかイヤなのか?」

「とんでもございません。
嬉しく思っておりますが…困惑もしております。」

「困惑する要素などないであろう。
そなたもドレスを選んだのであろう?」

「確かに着ましたけれどまだ先だと思っていましたので。」

「私がそちと離れたくないのじゃ。」

ギューと抱きしめられてキスをされる。

軽く触れるキスを何度も繰り返す。
息が出来なくなって少し口を開けると
口内に温かい舌が入ってきて
全てを絡みとられる。

口唇が離れていく。
あ…

「…誘っておるのか?」

ニヤリと笑うフォード様。
カッと赤くなる私。

「あーもうシェールが足りぬ。」

もう一度を深いキスをされる。

「あと少しの我慢だ。」

「…何の話ですの?」

ウットリしたまま答える。

「結婚式が終われば其方は完全に私のだな」

チュッとキスをする。

「…そうでございますわね。もうすでにフォード様のモノですが…」

「…其方は無自覚にいつも私を煽るな。
早く其方に全て受け止めて欲しい。」

「いつでも受け止めますわ。」

ようやく意識が戻ってきた私の耳元で

「それはそれは初夜が楽しみだな。」

フォード様のその一言でまた真っ赤になった私。

「其方の貴重な姿は私だけの特権だな。
可愛い。」

フォード様がそっと頬を撫で
もう一度キスをした。





その後、驚く程の早さで結婚式が執り行われたが驚いたのは私だけで、フォード様は私が気づかないうちに全ての必要な事は済ませていた。
さすが、と言うべきか
抜け目がない、と言うべきか
でも、そんなフォード様も大好きです。
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