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第2章 パラレリアクロス
2-11 異世界を繋ぐ鍵
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ジェニファーがようやく意識を取り戻した時は医務室のベッドの上だった。
側にはキッドとレナの二人がいた。他の士官達は周囲の情報収集へ向かっているらしい。
「体の調子はどうだい? ジェニファー」
「キッド──お父さんみたい。その聞き方──」
「大丈夫? ジェニファーさん」
「レナさん、みんなは?」
「周辺地域の情報収集へ向かったわ」
「ごめんね──いきなり意識が遠くなって」
「【女神の瞳】のチカラは視えないものをみるからチカラを使うんだよ」
「まだ世界がグルグル回っているみたい──。これが【女神の瞳】のチカラなのね」
「しばらく休むようね、キッド」
「その間に何か手掛かりがないか聞いてくるよ」
ジェニファーはそこで自分自身の首にいつも下げているペンダントが失くなっている事に気付いた。
まさか──さっきの闘いで失くしたの──?
キッドに慌てて叫んだ。
「ねえ!? キッド! いつも首に下げているペンダントが失くなっているの! あれ、お父さんがプレゼントしてくれた大事なものなの! どうしよう! 失くしたなんて──!」
キッドはそこである可能性に気付いた。
それはとあるアイテムがこの世界に齎された前兆の可能性だった。
黒猫の妖精の間ではそれは【オーパーツ】と呼ばれるアイテムでパラレルワールドと地球を繋ぐ鍵みたいな物である。
という事はオーパーツとペンダントは場所が入れ替わっている可能性がある。
キッドはこの闘いの場所にオーパーツがあったら、ジェニファーの宝物はサイド1の共同墓地かもしれないと考えた。
「オレに任せてくれ! ジェニファー。ジェニファーの宝物はオレが見つけてくるよ!」
「キッドなら見つけてくれるわ。今は休んで? ジェニファーちゃん」
「お願い──私の宝物なの──見つけて。お願い──」
ジェニファーは頬に涙を流すと意識を手放すように目を閉じて眠りについた。
レナは心当たりあるのかキッドに聞いた。
「心当たりあるの? キッド」
「レナ──。もしここでオーパーツを手に入れたらたぶん、ジェニファーの宝物はサイド1にある。オーパーツを搜してくれないかな──?」
「わかったわ。たぶん、オーパーツはこの辺りにあると思うわ。彼らに妙な物を見つけたら知らせるように言っておくわ」
「オレはサイド1に行ってくるよ。たぶん、ペンダントはあの共同墓地にあると思うから」
「なるべく早く戻ってくるのよ」
キッドが黒猫の妖精に戻り、急ぎサイド1に戻る頃。
彼らは闘いの後始末と隕石の調査を観る為に現場の調査をしていた。
あの巨人を倒した残骸を調べる彼ら。
するとその残骸の中から不思議な物が見つかった。それは不思議な物だった。天使の羽の銅像というのか、何かの意匠にも見える。
しかもあの隕石と同じ材質に見えたのだ。輝きも手触りも、放たれる雰囲気も。
「こんな物が残骸から発見されるなんて。一体、何だろうな? これ?」
「レナが知っているかな? 何か意味があるんじゃないかな? こんな残骸から見つかる物だし」
「ジェニファーちゃんの具合はどうだろう? 様子を見に行こうか?」
彼らは【オーパーツ】を持ってジェニファーの様子を見に医務室へ向かう。
医務室にはレナが彼女に寄り添っている。キッドは何処かに行っているのか姿が無かった。
「あれ? キッドは?」
「サイド1に行ってるわ。それは?」
ロベルトの手に握られているそれは不思議な物で、本人達も何かは解らないからレナに見せに来たことを話す。
「あの巨人の残骸から見つかったぜ。レナは何だか判るか?」
「それは【オーパーツ】よ」
「オーパーツ?」
「聞いた事あるぜ。この世にあるはずのない不思議な物の総称だよな」
「ええ。それがこれからの旅に必要な物なのよね」
「地球の異変を解決するのに必要ってことなのか?」
「それこそ、あなた達の知り合い、レムがいる異世界とを繋ぐ鍵なのよ」
「これが『鍵』?」
「なぁ、レナ。一体、レム大佐は何故、そんな場所に向かってしまったのか教えてくれないか?」
「そうね。教えてもいいわ」
そこでレナはレムがそのアルトカークスで託された使命を話した。
混沌の女神と云われる女性をとある男から護る為に遣わされた騎士であること。
そこでは常にその女性の身の安全を守らなければならないこと。
女性はその世界では唯一無二の替えのきかない役目を背負っていること。
その過程で地球にまで闘いの余波が来てしまったこと。
それの責任は感じていること。
彼らはレムの話を聞いて呆れるどころか感心していた。
誰かの為に己の身を闘いに置いているのは同じ軍人として同感できる。
カルベローナ公国でも彼は実の娘を守る為に闘っていた。
それ以上に自分達、パイロットの為に戦闘機開発を使命として、戦場に出る自分達を激励してくれていた──。
全く──あの人は、お人好しにも程がある──。
だからこそ友人になれたんだが。
「そのお人好しにも程があるよ、レム大佐もさ」
「まあ、怒らせると無茶苦茶怖いけどな」
「部下が殺されたら、死んだ方がマシというくらいに痛めつけていたしね。敵には容赦しない人さ」
「とりあえずあの人の闘う理由が聞けて、俺達も納得できたよ」
「今の地球の状態は俺達も受け入れ難いしな」
「変な生き物はいるわ、怨霊が甦ってくるわ、めちゃくちゃにも程がある」
「今までの地球も目に余るけどな、それ以上の厄災は嫌だよな」
「何でレムがあなた達を頼ったのか解った気がするわ──」
「??」
彼らは顔を見合わせる。
そしてレナに視線を送る。
レナは言った。
「なんだかんだでレムには帰ってきて欲しいのね?」
「まあな」
その頃、サイド1に一瞬でワープしたキッドはジェニファーと初めて出会った共同墓地へ姿を現した。
そしてジェニファーが立ち尽くしていたレムの墓の前に行くと、その墓の足元にジェニファーの宝物が静かに置かれていた。
キッドは安堵してそれを手に取る。
銀で作られたクロスモチーフのペンダント。
ジェニファーが肌身離さす身に付けていた宝物。
キッドはレムに語りかけた。
「レムのおじさん。ジェニファーはオレ達が守るからルーアを頼んだよ」
そして彼女はまた黒猫の妖精に戻り、ニューヤークへと一瞬でワープしたのであった。
ジェニファーが容態を回復させる頃にキッドがジェニファーの宝物を大事に預かり持ち帰ってきた。
「キッド──それ──」
「ジェニファーの宝物、きちんと見つけてきたよ」
「ありがとう──」
「キッド。こちらも【オーパーツ】を見つけたわよ」
「必要なものは揃ったな! これで」
彼らはあの隕石の場所へ向かう。
そしてこれから、世界の歪みを正す為の旅が始まる事を告げた──。
側にはキッドとレナの二人がいた。他の士官達は周囲の情報収集へ向かっているらしい。
「体の調子はどうだい? ジェニファー」
「キッド──お父さんみたい。その聞き方──」
「大丈夫? ジェニファーさん」
「レナさん、みんなは?」
「周辺地域の情報収集へ向かったわ」
「ごめんね──いきなり意識が遠くなって」
「【女神の瞳】のチカラは視えないものをみるからチカラを使うんだよ」
「まだ世界がグルグル回っているみたい──。これが【女神の瞳】のチカラなのね」
「しばらく休むようね、キッド」
「その間に何か手掛かりがないか聞いてくるよ」
ジェニファーはそこで自分自身の首にいつも下げているペンダントが失くなっている事に気付いた。
まさか──さっきの闘いで失くしたの──?
キッドに慌てて叫んだ。
「ねえ!? キッド! いつも首に下げているペンダントが失くなっているの! あれ、お父さんがプレゼントしてくれた大事なものなの! どうしよう! 失くしたなんて──!」
キッドはそこである可能性に気付いた。
それはとあるアイテムがこの世界に齎された前兆の可能性だった。
黒猫の妖精の間ではそれは【オーパーツ】と呼ばれるアイテムでパラレルワールドと地球を繋ぐ鍵みたいな物である。
という事はオーパーツとペンダントは場所が入れ替わっている可能性がある。
キッドはこの闘いの場所にオーパーツがあったら、ジェニファーの宝物はサイド1の共同墓地かもしれないと考えた。
「オレに任せてくれ! ジェニファー。ジェニファーの宝物はオレが見つけてくるよ!」
「キッドなら見つけてくれるわ。今は休んで? ジェニファーちゃん」
「お願い──私の宝物なの──見つけて。お願い──」
ジェニファーは頬に涙を流すと意識を手放すように目を閉じて眠りについた。
レナは心当たりあるのかキッドに聞いた。
「心当たりあるの? キッド」
「レナ──。もしここでオーパーツを手に入れたらたぶん、ジェニファーの宝物はサイド1にある。オーパーツを搜してくれないかな──?」
「わかったわ。たぶん、オーパーツはこの辺りにあると思うわ。彼らに妙な物を見つけたら知らせるように言っておくわ」
「オレはサイド1に行ってくるよ。たぶん、ペンダントはあの共同墓地にあると思うから」
「なるべく早く戻ってくるのよ」
キッドが黒猫の妖精に戻り、急ぎサイド1に戻る頃。
彼らは闘いの後始末と隕石の調査を観る為に現場の調査をしていた。
あの巨人を倒した残骸を調べる彼ら。
するとその残骸の中から不思議な物が見つかった。それは不思議な物だった。天使の羽の銅像というのか、何かの意匠にも見える。
しかもあの隕石と同じ材質に見えたのだ。輝きも手触りも、放たれる雰囲気も。
「こんな物が残骸から発見されるなんて。一体、何だろうな? これ?」
「レナが知っているかな? 何か意味があるんじゃないかな? こんな残骸から見つかる物だし」
「ジェニファーちゃんの具合はどうだろう? 様子を見に行こうか?」
彼らは【オーパーツ】を持ってジェニファーの様子を見に医務室へ向かう。
医務室にはレナが彼女に寄り添っている。キッドは何処かに行っているのか姿が無かった。
「あれ? キッドは?」
「サイド1に行ってるわ。それは?」
ロベルトの手に握られているそれは不思議な物で、本人達も何かは解らないからレナに見せに来たことを話す。
「あの巨人の残骸から見つかったぜ。レナは何だか判るか?」
「それは【オーパーツ】よ」
「オーパーツ?」
「聞いた事あるぜ。この世にあるはずのない不思議な物の総称だよな」
「ええ。それがこれからの旅に必要な物なのよね」
「地球の異変を解決するのに必要ってことなのか?」
「それこそ、あなた達の知り合い、レムがいる異世界とを繋ぐ鍵なのよ」
「これが『鍵』?」
「なぁ、レナ。一体、レム大佐は何故、そんな場所に向かってしまったのか教えてくれないか?」
「そうね。教えてもいいわ」
そこでレナはレムがそのアルトカークスで託された使命を話した。
混沌の女神と云われる女性をとある男から護る為に遣わされた騎士であること。
そこでは常にその女性の身の安全を守らなければならないこと。
女性はその世界では唯一無二の替えのきかない役目を背負っていること。
その過程で地球にまで闘いの余波が来てしまったこと。
それの責任は感じていること。
彼らはレムの話を聞いて呆れるどころか感心していた。
誰かの為に己の身を闘いに置いているのは同じ軍人として同感できる。
カルベローナ公国でも彼は実の娘を守る為に闘っていた。
それ以上に自分達、パイロットの為に戦闘機開発を使命として、戦場に出る自分達を激励してくれていた──。
全く──あの人は、お人好しにも程がある──。
だからこそ友人になれたんだが。
「そのお人好しにも程があるよ、レム大佐もさ」
「まあ、怒らせると無茶苦茶怖いけどな」
「部下が殺されたら、死んだ方がマシというくらいに痛めつけていたしね。敵には容赦しない人さ」
「とりあえずあの人の闘う理由が聞けて、俺達も納得できたよ」
「今の地球の状態は俺達も受け入れ難いしな」
「変な生き物はいるわ、怨霊が甦ってくるわ、めちゃくちゃにも程がある」
「今までの地球も目に余るけどな、それ以上の厄災は嫌だよな」
「何でレムがあなた達を頼ったのか解った気がするわ──」
「??」
彼らは顔を見合わせる。
そしてレナに視線を送る。
レナは言った。
「なんだかんだでレムには帰ってきて欲しいのね?」
「まあな」
その頃、サイド1に一瞬でワープしたキッドはジェニファーと初めて出会った共同墓地へ姿を現した。
そしてジェニファーが立ち尽くしていたレムの墓の前に行くと、その墓の足元にジェニファーの宝物が静かに置かれていた。
キッドは安堵してそれを手に取る。
銀で作られたクロスモチーフのペンダント。
ジェニファーが肌身離さす身に付けていた宝物。
キッドはレムに語りかけた。
「レムのおじさん。ジェニファーはオレ達が守るからルーアを頼んだよ」
そして彼女はまた黒猫の妖精に戻り、ニューヤークへと一瞬でワープしたのであった。
ジェニファーが容態を回復させる頃にキッドがジェニファーの宝物を大事に預かり持ち帰ってきた。
「キッド──それ──」
「ジェニファーの宝物、きちんと見つけてきたよ」
「ありがとう──」
「キッド。こちらも【オーパーツ】を見つけたわよ」
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