翔田美琴のエリオットシリーズ

翔田美琴

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シルバーヘアーのメロディー

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 ひとり、部屋にいると 君のことを想っている
 君の笑顔を見ると 自分の心が見える
 ピアノに向かうと 心が落ち着く
 綺麗なメロディーは 私を癒していく…

 そして私は鍵盤を叩く 両方の指を目まぐるしく動かす
 美しい音色が私を 世界の人に…人々の心に届く…私のメロディー
 でも、私は…

 私が瞳を閉じると 君を想って
 私が君の顔を見ると 君は微笑み返してくれる
 私が君の名前を見ると 私は思いだして
 そして私の心では 君とあの子のレースが始まる
 だけど私の部屋には 君はいない…
 君はもう、この部屋にはいない…
 君はもう、この部屋にはいない…

 1、2、3、4…ワン、ツー、スリー、フォー…

 規則正しいリズムを刻む 白と黒で彩られた鍵盤の上で
 心を空虚にして、音を受け入れる 呼吸を整えて 時を待って
 まるで何かに取り憑かれたみたいに…鍵盤を叩く、音を奏でる
 その気分が心地よくて、普段の私を忘れる…でも、私は……

 1(ワン)、2(ツー)、3(スリー)、4(フォー)……

 私が目を閉じると 君が現れる
 私が君の名前を呼ぶと 君が振り返って
 私が君を抱きしめると 君も私を抱いてくれる
 私が目を閉じると 君が夢に出て来て
 私が君の名前を呼ぶと 君は微笑んで
 私が君の名前を見ると 君が恋しくて
 そして君とあの子がレースを始める だけど、私は心は空っぽ

 ワン、ツー、スリー、フォー

 瞳を閉じると 君が夢に出て来て 
 夢の中で 私達は絡み合う
 朝が来ると 君はいなくて
 そしていつも、心は空っぽ(empty)

 1(ワン)、2(ツー)、3(スリー)、4(フォー)……

 心はいつも 私は空っぽ(empty)
 心はいつも 君を想う
 心はいつも 君とあの子のレースが始まって
 私の心の奪い合いが始まる

 私の心は今も揺れて……私の心は君とあの子に
 麻酔のように感覚が無くなって
 心がずっと、それだけになる…それだけになって……
 からっぽの私がいる だから、むなしいね だから……空虚だね

 心はいつも空っぽで 君といた時間だけが頭の中に
 心はいつも君を求めて 私は今、君だけを想っている
 君が夢に出て来て 君は私に笑いかける
 君の名前を呼ぶと 君は私にいつも微笑む

 それだけでいいんだよ 私は 心はいつも 君とあの子がいる
 それだけで 私はいい だから 空虚な部屋にあの子がいるんだ

 3、2、1、…スタート…!

 私のメロディーは、今日もまた、世界に響くんだ。
 悲しいけど、私は生きるよ。みんなが私のメロディーを聴きたいならば…。
 それを届けるのが、私の人生なんだ。
 だろう? アネット…?
 そうだよな? アネット。私は一人じゃない。あの子がいる。
 ジェニファーがいる。一人じゃないんだな。アネット。
 頑張って、このメロディーを奏でるよ。
 明るくて、そして、綺麗なメロディーを。そうすればいつかきっと見つかるよな。
 光が。名もない道を照らす光が。
 アネット。天国から、しばらく、私達を見守ってやってくれないか?
 私のお願いだ。頼むよ?
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