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氷の微笑と奇跡の紳士

9話 ハツコイ娼夫

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「ンンっ…ンンっ…レンブラント…」
「ンンッ…んフゥ…ミライ」

 お互いに唇を重ねると彼らはそのままキスしながらベッドルームに行く。
 そして2人でベッドに倒れ込む。
 キスが激しくなる。
  
「ンンっ…レンブラント」
「すごいな──官能的なキスだね」

 レンブラントが黒いジャケットを脱ぎ棄てる。灰色のワイシャツを大胆に脱ぐ。肌着の灰色のシャツが見える。
 ミライが見つめるとレンブラントがミライのジャケットをそっと脱がす。ブラウス姿にスカートになる。
 そのブラウスのボタンを1つ1つ丁寧に外す。そしてゆっくりと脱がす。ブラジャーが見える。今度はスカートに手が伸びる。そっと下ろしてストッキングに包まれたパンティーが見えた。
 ミライがストッキングを外そうと少し藻掻いた。その間、レンブラントの唇はミライの唇を貪る。
 
「焦らなくていいからゆっくり脱いで」
「君の身体をせっかくだからゆっくり味わいたい」

 レンブラントが舌で首筋を舐める。
 彼の嗅覚に彼女のシャンプーの香りがくすぐる。趣味のいいシャンプーだ。肌の味も昼間の動いた汗の芳しい味がする。
 彼女は舌を這わされる度に劣情が刺激されて、もっともっと欲しいと想った。舌の感触が気持ちいい。
 やっとの事でストッキングを脱ぐとレンブラントが見つめる。ミライの顔を。

「どうする? 君の好きなように催促してみてごらん…? いつもパートナーに頼むように…」
「し、下着の上から、舐めて…」
「胸を。それともここ?」

 レンブラントがパンティーの上から花びらを刺激する。指の腹を使い欲望を掻き立てる。中指の使い方が上手い。ミライが喘ぐ。

「そう…そこっ…そこを…舌で弄って…!」
「意外と大胆だな──。どれ? 比べてみようか? ブライトと俺を──」

 段々と股の間に近づく。舌の先を使いクリクリ弄る。微かに愛液の味がする。ああ──早く取り払って花びらに顔を埋めてみたい。

「ひああっ…! 凄い! レンブラント社長」
「社長は止せ。レンブラントでいい」

 そのまま太ももの内側を吸い込む。手のひらはブラジャー越しにふくらみを優しくもみほぐす。
 
「レンブラント…ブラジャーを取って…胸を…舐めて」
「いくよ」 

 背中のホックを外す。ミライの上半身が露わになった。
 レンブラントが両腕を絡めふくらみに顔を埋めて舌で激しく舐めた。
 彼が貪る音が聴こえる。
 レンブラントが得意の攻めが来る。
 乳首を口に含み唾液を絡める。
 レンブラントも下半身の獣が疼くのを感じる。だが許可を得るまでまずはこれに溺れる。
 ミライの喘ぐ声が意外と色っぽい。

「気持ちいい…気持ちいいよぉ…レンブラントの舌…気持ちいい…!」
「ブライトとはどうなんだ?」 
「比べるなんて──あアッ…出来ない…」
「俺は君はすごい女だと思う」

 舌を這わせながら話す。 

「君と俺は組んで2日間くらいしか経ってないんだよ──それがここまでの関係だ──」
「お互いに食わず嫌いだったんだね」
「あ、あの」
「ん?」

 ミライの顔を見つめるレンブラント。

「その銀髪に触れていいですか…?」
「──そんな事か。触れていい──触ってごらん」

 また乳首を中心に唇を器用に這わす。
 艶めかしく動くレンブラント。
 ミライの手が銀髪を激しく乱す。
 
「そろそろ……下を責めて……!」
「脱がすよ。最後の下着を」

 レンブラントの手で下着を取り払われた。
 股の間の聖域に近づく。
 確認をした。

「いくよ……いいね。舐めるよ」
「たっぷり舐めて──好きなの」
「わかった」
「ヒアアッ! ヒアッ! そう…そこっ! 激しく舐めて!」
「いい濡れ方だ」

 ミライも彼の頭を押し付ける。
 レンブラントも口の中にいっぱい含む。
 お互いの体臭が絡まり始める。
 まずはこれで一度いかせるか。
 レンブラントが彼女を一度目の絶頂に導く。舌を夢中に使って。

「アアッ! アアッ!! イク…いっちゃう…レンブラント!!」
「いっていいんだ。イッて。ミライ」

 ミライが綺麗な快楽の叫びを上げた。
 全身が快楽で震える。

「凄い──気持ちいい──!」

 レンブラントが黒いズボンを下ろして、下着も脱いだ。
 ミライが思わずそれを見る。
 飢えた獣だ。欲しくて欲しくてたまらない顔をしている。
 
「これの出番だね。コンドームはするよ」
「どうせなら私が口で」
「そんなテクニックを君が?」
「これをするとブライトは喜ぶんです」

 レンブラントを座らせてミライが口戯でコンドームを装着させる。
 そして彼女が今度は攻める。
 今度はレンブラントが喘ぐ。たまらない快楽だった。

「これは──凄い──! 天国だよ──これは…!!」
「はアッ…はアッ…どう?」
「最高だよ…もっと、もっと欲しい。俺も君を悦ばしてあげたい。シックス・ナインするか?」
「お願い」
「気持ちいい──こんな事──してはならないのに──」
「それが気持ちいい──そういう事さ」

 ミライの花びらを指や舌でいじりながらレンブラントは語る。

「それが堪らない快楽だからみんなするのさ」
「それを共有できるのがパートナーシップの特権かもしれない」
「レンブラントの収まらないね。私も早く欲しい」
「来て? ミライ」

 ミライが呻きながらそれを花びらへ入れる。今度はミライが艶めかしく動く。

「アアッ! すごい! 硬い!」
「君の腰──凄い色っぽい」
「胸を触って。手のひらで味わって」

 レンブラントの手のひらがミライの胸を揺すったり、乳首を擦ったり、様々な性運動をさせる。
 ミライは腰を自由に動かす。快感を操る。時折レンブラントが上に動くと彼女が喜ぶ。

「──突き上げて! レンブラント! 下から来て!」
「君のここは適応力抜群だよ」

 ミライの身体を抱きしめるレンブラントは上下を入れ替わりながら彼女を絶頂へ導く。
 何度もお互いにキスをしながら、劣情を晴らす2人。
 ミライもレンブラントの身体に腕を絡め汗の匂いを感じる。
 汗に混じって香水の薫りがする。
 ああ──この時間はいつまで続くの。
 永遠に続いて欲しい──。
 私の劣情も、淡い恋も、儚く散るのね──。
 せめてこの人と絶頂を味わいたい。
 深く、深い所まで、いきたい。
 そして──すべてを溶かされ消えていった。

「何時間くらい、こうしていたのでしょうね」
「何時間だろうな──君を抱いて」

 レンブラントの胸に抱かれるミライ。
 彼は彼女の茶色の髪の毛を弄る。
 そして額に唇が当たった。
 
「でも今はこうしていたい」

 そしてまたキスを交わした。
 2人は微睡みそのまま眠りについた。
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