三つの背徳の果実 【2時間ドラマ小説】中編小説集

翔田美琴

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氷の微笑と奇跡の紳士

11話 シャロンの思惑

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「いらっしゃい…レンブラント。丁度良かった。いいものを観せてあげたくて。ウズウズしていたわ」
「いいもの? 何かな?」

 シャロンの自室に置かれたモニターに先程、生命の危機を回避する為に行ったノイズとブライトのセックスシーンが流れる。 
 それも抜群のカメラワークで撮影られている。
 段々と怒りが湧いてくる2人。ノイズとブライトに対する怒りではない。シャロンの嫌味のような仕打ちに怒りを覚える。
 レンブラントが流石に怒りを込めてドスを効かせてシャロンに吐いた。暴言を吐く。

「お前は何処まで俺達を玩べば気が済むんだ!」
「私の小説が書き終わるまで──当然でしょう? パートナーを裏切るセックスを交わしたのはモニターの2人だけではなくあなた達もでしょう?」
「ウッ……確かに」
「気持ち良かった? レンブラント? 誰かの相棒を汚した気分はハイになるでしょう?」
「彼らをどうするつもりだ」
「助けに行ってあげたら? はい。これ。『友を待つ宿』の鍵よ? それからこの鍵は例の2人の部屋の鍵」 

 それぞれレンブラントとミライに渡した彼女は挑発するように煙草を吸いながら事もなげに応えた。

「早く『友を待つ宿』に助けに行ってらっしゃい?お待ちかねよ?」
「言われなくとも行くさ」

 早足で屋敷を出るレンブラントとミライ。シャロンは心の内でほくそ笑んだ。
 
(そいつらは囮ね。本当に欲しいのはレンブラントの体だもの)

 『友を待つ宿』はまるで塔のように高いホテルだった。正面玄関の鍵を開けると、そこはガランとした空虚な世界が広がる。
 彼らはノイズとブライトを捜し回る。まるで迷路みたいな設計のホテルだ。鍵には番号が振られているキーホルダーがある。そこは413と振られた番号があった。
 エレベーターに乗る。4階にボタンを押すと動き出す。

(もう少しでノイズとブライトを助けられる)

 413号室まで来ると鍵を入れる。確かにここの鍵だ。合っている。
 部屋に入ると軟禁されているノイズとブライトが彼らとの再会に喜んだ。

「レンブラント!」
「ミライ」

 2人は急いで鎖の拘束を解いた。
 再会の喜びに浸りたいがここは早く逃げた方がいい。
 レンブラントは手短に話してこの『友を待つ宿』から逃走を図る。

「逃げるぞ! お前達!」 
「喧嘩するなら会社でしよう」
「はい!」

 彼らが脱出しようと『友を待つ宿』を駆けて行くと後を走るレンブラントと他の3名との間にいきなり大きな廊下を覆う柵が出てきた!

「レンブラント!」
「お前ら!」

 すると。レンブラントの背後からシャロンがゆっくりとした歩調で現れた。

「ビックリしたかしら? レンブラント」
「これはどういう仕打ちだ? シャロン」
「安心なさいな。3人がいる方は出口はあるわ。でも残念ながらあなたは逃げる事は出来ない。個人的にね」
「レンブラント社長!」
「逃げるんだ! 3人とも逃げるんだ! 俺は決着を着けないとならない」
「レンブラントの言う通りね。一旦退くわよ」
「シャロン・レドールの事だから殺す事は無いわ。多分とね」
 
 彼らは一時撤退をして態勢を立て直しに『友を待つ宿』から去った。

「さあ──お楽しみの時間よ」 

 シャロンはそのままこの宿の中にある部屋に彼を連れていく。  
 そこはシャロンが誂えた拷問部屋だった。 
 部下の男性達が荒縄をレンブラントの手首をキツく縛る。  

「ううっ!」  

 両方の手首が荒縄に縛る。軋むような痛みがくる。シャロンは手にはよく撓る鞭を手にしている。
 試しに床にバシッと鞭を鳴らすシャロン。
 レンブラントは黒いジャケットを脱がされ、灰色のシャツも脱がされ上半身裸になってしまう。
 彼が屈辱感で表情を歪ませた。  
 レンブラントを玩弄する前にシャロンは訊く。

「レンブラント、レドール銀行は勿論知っている筈よね。無理矢理買収した家の銀行よ」  
「レドール銀行か。知っている」
  
 荒縄で拘束されたままの姿で遠い記憶の片隅に捨ててきたレンブラントの悪名を広めた要因となった事件だったからだ。
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