インフィニート！！

番外編「いざ、カフェへ!」

今回の小説は時系列的には初投稿作である「僕が僕であるために僕は僕になった」の時期（インフィニート結成の５年後）ぐらいです。
時系列がごちゃごちゃしてしまってごめんなさい…
明日もこの番外編の続きになる予定です。


「カフェに行きたい！」
そう、海斗が叫んだのは２ヶ月ほど前のことだ。
最近はありがたいことにたくさんのお仕事をいただき忙しい日々を送っている。
メンバー全員の予定が空くことなんて３ヶ月に一度あったらいい方だ。
しかも、最近はバラエティ番組にも沢山出演させてもらっているので、迂闊に外も歩けない。
大学は行ってるけど。
でも本当にここ１年ほどはメンバー全員でプライベートで出かけたことはない。
メンバー全員で出かければ、バレる可能性も上がるからだ。
そしてその状況に一番先に痺れを切らしたのが海斗だった。
他のメンバーも出かけたいと言う気持ちはあったのだが、なかなか予定も空かず先延ばしになっていた。
そこで海斗がどうしても、メンバー全員でカフェに行きたいと言い出した。
僕は最初反対した。だって、メンバー全員で行けば必ずバレると思ったから。
けれど、海斗が今度主役を務めることになったドラマでの役柄が、カフェの店員だと言うのだ。
もちろん、箱入り娘ならぬ箱入り息子な海斗は庶民的なカフェなど行ったことがない。
そのため、一度カフェに行って演技の参考にしたいとのことで、久しぶりにみんなで出かけようと言うことになった。
僕も久しぶりにみんなで出かけたかったのもあって、マスクをつけていくことを条件にOKを出した。

そして今日、僕たちはカフェに来ている。
「やべぇ…！これがカフェか…！」
と海斗。
「よかったね。来れて」
と慶。
まあ、取り敢えず中入ろうか。と言う話になり、店内へ入っていく。
一応、都心から離れてはいるが、バレない可能性は0ではないので慎重に行動するようにとは言ってあるけど、絶対無理だと思う。
もう既に、海斗は店内をキラキラした目で小学生みたいにキョロキョロ見回してるし。
それを見て慶は笑ってるし。
千景はスマホ弄ってるし。
月は何頼んだらいいかな…？とか呟きながらメニューに夢中になってるし。
桜介なんて既にメニュー決まったんだけど、まだなのって視線をこっちに向けてくるし。
なんだこのメンバー。自由すぎね？
まぁいっか。とか思いながら、ざっとメニューに目を通す。
あ、オムライス美味しそう。
ナポリタンもいいなぁ。
そんなこと考えながらメニューを見ていると、慶が話しかけてきた。
「春樹、僕がナポリタン頼んでシェアしようか？」
え。なんかデジャヴ。また心の声漏れてた？
「漏れてないよ。なんとなくそうかなって思っただけ。春樹ケチャップ系好きでしょ」
「まじ？エスパーかよ」
「エスパーじゃありません。日頃の努力です」
「何？僕が努力してないとでも言いたいの？」
「いや、そんなことないけど」
なんだやんのか？そんなことを言い合っていると海斗がこちらを向いて言った。
「春樹と慶だけなんか楽しそうな事してる！俺もシェアとかしてみたい！」
なんかこいつシェアに幻想抱いてね？まぁ確かに色んな味食べれて楽しいけど。
「じゃあ、みんなでなんか頼んで、ちょっとずつ食べる？」
と慶が提案すると、よっしゃー！と海斗が叫んだ。
メニューで迷いまくっていた月もいいですねと目を輝かせている。
桜介もまあいいんじゃないの的な態度をとっていた。桜介がそう言う態度を取るときは喜んでいる時だけなんだと、ここ数年で知った。
それからは、６人で食べたいものを言い合い、海斗が練習というか参考のために注文をする。
初めは柄にもなく緊張していて面白かったけれど、途中からはしっかりと注文できていた。

１０分後には、机の上にはたくさんの料理が並んでいた。
もちろん、オムライスとナポリタンもある。
すっごく美味しそうだった。
メンバーは即座にマスクを外し、料理を食べたり取り分けたりしている。
あのさ、もうちょっと気を使わない？まあいいけど。これだけ仲良さげにしてたら大丈夫でしょ。
そんなことを考えながらオムライスを頬張る。
美味しい。久しぶりにお店のオムライス食べたかも。
「美味しいね」
そういって笑うと、みんなも美味しいねって笑った。
やっぱ、このメンバー最高かも。