インフィニート！！

七話目！

「只今より、インフィニート寮会議…星？第一回を始めます。今回の議題は、部屋割りをどうするのかとこの寮での決め事についてです。ってかあのさあ、この台本誰が作ったの？結構手が込んでるんだけど。なんかうさぎの絵とか励ましの言葉とか書いてて可愛いし」
今僕は、寮に入るなり渡された台本を読んでいる。無駄に可愛いし、読みやすいし。しかも、結構枚数あるんだけど。どれくらいの時間をこれに費やしたんだ？

「え？俺だけど」
えぇ？！千景？そんなことできたの。
「あの、リーダー？そんなにびっくりされるとちょっと傷つくんだけど？」
「あ、ごめん。月かと思ってた」
「え？なに、今日リーダー傷口に塩塗ってくるスタイルなの？てか、月の絵って上手いけどこんな可愛くないよ。鳥獣戯画みたいなの描くし。多分その台本の最後の方に月の落書きあるよ」
「っえ？千景くん僕の絵消してなかったの？消してって言ったじゃん？！」
月。そんなに嫌なの？僕に絵見られるの。（※月はただ単純に恥ずかしいし、ないと思ってたものがあったことに焦っているだけです）でも僕は探すよ…！見たいし。鳥獣戯画。
「あ。あった。」
「嘘じゃん？！」
月。そんなに大きな声出たんだ…
月が台本を奪い取ろうとしてくるけど、こんな面白すぎる機会を逃すわけにはいかない。月の手を避けながら、絵を見る。
うん。これは鳥獣戯画だわ。すっごく言いたいことわかる。上手いんだけど、なんか顔とか言動からは想像できないタイプの絵描くよね。千景もだけど。
「上手いじゃん」
「あぁぁぁ…もうやだ…千景くんのばかぁ…！」
なんか、月がこの世の終わりみたいな顔してる。
「大丈夫。絵見られたぐらいで世界は終わらないよ」
お前が言うな。千景。話聞いてる限り一番悪いの千景だろ。
そう思ったのは僕だけじゃないみたいで、月が千景を睨みつけてる。

そういえば、本気で忘れてたんだけど他のメンバーは？
慶はなんか、自撮りしてた。SNSの更新用だと思う。芸能人みたい。芸能人だけど。
海斗は…寝てるし。
桜介は、どこ行った？あ、居たわ。ソファーの隅で団子になりながらスマホ弄ってる。え？桜介って俺様系じゃないの？そんなことするのね。なんかホワホワした顔してるし小動物みたいで可愛い。
てか、みんな自由過ぎない？一応会議の途中…脱線しまくってたけど…あれ？途中？何も決まってなくね？やっば。もう５時だよ？！ご飯は？どうするの？！寝るとこも決まってないよ？！
「ねぇみんな５時なんだけど！ご飯は大丈夫なの？！」
そう言うと、千景が呆れ顔でこっちを見てくる。
「リーダー…１５時。３時だよ。外見たらわかるでしょ。まだ暗くなってないじゃん」
あ、あれ…？もしかしてやっちゃった感じ？
「おっちょこちょいだねー。うちのリーダーさんは」
「やめて…慶、傷口を抉らないで下さい」

結局、部屋はあみだくじで決めた。月と慶、桜介と千景、海斗と僕が同じ部屋になった。こんなにまとまりがなくてこの先大丈夫なんだろうか。僕は少し不安になってきたよ…