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クリアと報酬と特別と・・・らしい

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『ステータスが上がったのです』

リリィが、ステータスが上がったことに驚いていたらしい。

『どういうこと?』
『取り敢えず見てみてください』
『わ、分かった。《鑑定》』

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名前・リリィ
年齢・145歳
種族・エルフ
職業・冒険者lv.3(new)
HP・170/170
MP・220/220(+25000)
SP・160/160
腕力・117
俊敏・153
スキル・《剣術lv.12》・《弓術lv.6》・《風魔法lv.9》・《魔法付与》・《隠密》・《気配察知》・《アルバート》
装備・[慈愛の魔剣アルバート]
      [女性用服]
      [女性用ズボン]
      [女性用ブーツ]
      [ボックスブレスレット]
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うん。確かに上がっているな。でも・・・・・

『それがどうしたんだ?ステータスアップって何か違うのか?』
『はい。ステータスアップは、各職業に就くことによって上がるのです。それに、小さい頃は何も職業に就かなくても上がりますが、成長すると上がりにくくなるのです』
『へえ。ということは、中々上がらなかったステータスが冒険者になったことで上がったからか?』
『それもありますが』
『ありますが?』
『今までので上がり方よりもアップしていることに驚いたのです』

そんなに変わったのか?寧ろ今までの方が凄いと思うけど。

『そんなに?』
『それはもう。今までは、これだけ倒しても精々3、4ぐらいしか上がらなかったのです。ですが、今回は2、30も上がったのです』
『う~ん。何でだろうな』
『はい。私にもさっぱり・・・・・』

思い付くものがないな。・・・・・・・・・・あっ、そう言えば。

『リリィ、冒険者に何か特典ってあったか?』
『すみません。分からないです』
『手がかりはそれぐらいだからな。取り敢えず見てみるか』
『そうですね。では』
『『《鑑定》』』

俺たちは、リリィのステータスの冒険者を《鑑定》してみた。すると

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〔冒険者〕:冒険者ギルドに登録することでなれる職業。職業のlv.が上がる度に各ステータスがバランス良くかつ職業に就いていなかったときの倍上昇する。また、lv.制のスキルも上がりやすくなる。(ただし、武器系はその武器を使っていないと上がらない)
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『・・・・・これだな』
『絶対にこれですね』

冒険者ってこんなに良い職業だったけ?まず始めになる初期職業のイメージが濃いのだけど。

『つまり、冒険者になったからリリィは今までよりも上がりやすくなったというわけか』
『納得です』
『他の職業でも上がるのか?』
『差はあると思いますけど、恐らくそうでしょうね。分かりませんけど・・・・・』
『分からない?何故だ?』
『私たちエルフが、職業というものを決めなかったのが原因かと思います。理由は、私の国つまり《ミルランナ王国》は、職業によるステータス補正には頼らないという変な考えが昔に広まりまして、それが影響して国外に旅にでない限りは職業に就くどころか教えて貰えないことになっているのです』

何?その考え方。エルフってもしかして頑固系種族なのか?・・・・・そう言えば、リリィも変なところ(俺に関して)で頑固だからなぁ。絶対にそうだろう。うん、そうに違いない。

『へ、へえ。それなら仕方ないな。まぁ、とにかく。ちゃんとステータスが上がったんだからそこは良しとしよう』
『そう・・・・・ですよね』
『取り敢えず、必要な魔石は手に入れたんだからさっさとこの森から出ようぜ』
『はい♪』

リリィは、最後の魔石をブレスレットに入れて俺を鞘に納め、この森から出るために走り出した。





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俺たちは、【深い森】を出て街に戻りギルドまで戻ってきた。

「あ、リリィさんお疲れ様でした。確認のため魔石を出していただけますか?」
「分かりました」

リリィは、ブレスレットから魔石5個取り出した。

「少しお待ち下さい」

受付嬢は、魔石を抱えて奥の部屋に入っていった。



ー3分後ー



受付嬢が袋を持って戻ってきた。

「確かにゴブリンの魔石5個を受け取ったのでクエストクリアです。おめでとうございます♪これが報酬品の銅貨20枚と俊敏のブレスレットになります」

リリィは、報酬品の入った袋を受け取り中身を確認してブレスレットの中に入れた。

「クエスト初クリアを成し遂げましたので、ギルドから特別な品を差し上げます」
「特別な品?」
「そうです。私たちのギルドは、初心者冒険者が初クエストをクリアを成し遂げたときに特別な品を差し上げることになっているのです」
「何故なんです?」
「それは・・・・・ここだけの話なのですけど、私たちのギルドマスターが初心者に対してとても甘いのですよ・・・・・理由を伺っても『適度な甘さだから別に良いだろ』なんて質問に対して全然違う答えが返ってくる始末でして」
「『・・・・・・・・・・』」

あのマスター。全然適度じゃねえよ、十分甘過ぎるよ。おかげで受付嬢たちが苦笑してるじゃねえか。

「ですので、これは『オマケ』ってことにしてくださいね。はい、これが特別品です」

受付嬢が取り出したのは、青く輝いた占い師が使ってそうな大きさのボールだ。

「これは?」
「《スキル調整》というスキルが封印されている[スキルボール]です」
「[スキルボール]?」

何、そのゲームに出てきそうなアイテムは。

「スキルボールは、魔石よりも低い確率で出てくるアイテムになります。中には様々なスキルが封印されています。どんなスキルかは見てみないと分かりません。使い方は簡単で魔力をボールに注いで対象者の溝尾近くに軽く当てるだけで封印が解けてそのスキルを手に入れることが出来ます」

使い方が地味に危ないな。溝尾に当てるって・・・・・加減間違えたら気絶するぞ。

「それは武器にも使えるのですか?」
「勿論、使えますよ。ただし、ある程度強い武器、防具のみですけど」
「成る程です」

ん?リリィは、何でそんな質問をしたんだ?それにその安堵している笑顔は・・・・・・・・もしかしてリリィの奴、俺につけようとしているのか?・・・もしそうだとしたらリリィ、考えたな。俺が《スキル共有》を持っているから俺に付けたらリリィ自身も使えることに。そう考えているとしたら遠慮なく貰おう。じゃないとリリィに失礼だからな。

「ということで、受け取って貰えますか?」
「勿論です!!」

リリィは、笑顔でスキルボールを受付嬢から受け取った。

「喜んでもらえて嬉しいです♪特別品を受け取って貰えたことですし新しいクエストを受けますか?」
「いえ、今日はこれくらいにして宿に行こうかと思います」
「そうですか。では、また明日もお願いしますね」
「こちらそお願いします」

という訳で、俺たちは受付を後にした。
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