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第3章「ゴルゴダの丘」
第59話 5年
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エリザはジェノバ国王ピエトロ・ルーが戦上手であることを忠告するのでした。
そして、エリザの一言を聞いたヴァレリオ様もそれに同意するように捕捉しました。
「ピエトロは18歳の若さで即位した男でしたが、ここ15年の間は人間同士の国々との衝突や旧魔族国家との戦ではいずれ負け知らず。着実に自国の領土を増やした男です。その時の戦ぶりは鬼のようであったと伝え聞いております。」
「私の密偵が調べましたところ、人間の国は現在5つの大国と6つの小国が覇権を争っていますが、その中でもジェノバ国のピエトロは一目置かれる存在にまで成りあがった天才のようでございます。」
ヴァレリオ様はそう言ってピエトロの危険性を説明しました。
アンナお姉様はさらに捕捉されました。
「人間と亜人の平均寿命はあなた方、魔族や妖精たちと違って100分の一以下ですが、その反面、成長も早く進化も早い。
彼らは魔族や妖精族と比べて劣った種族であったのに、あれよあれよという間に進化を続けて一大勢力を持つようになりました。
特に人間は兵術に優れ、亜人は個人の戦闘力が高い。
魔族と妖精族は魔法に優れていますが、最近は人間も魔法が大きく進化しました。これも彼らの世代のサイクルの速さが原因でしょうね。」
ピエトロ個人の能力の高さだけではなく、アンナお姉様も種族として平均寿命が短い人間の国が決して甘くないことを強調されたのでした。
「彼らの寿命の短さはデメリットである反面、メリットも多いのです。
魔族や妖精族は個体の寿命が長い分、子供をそれほど作りませんが、人間はまるでネズミのように次々に子供を産み、世代交代していきます。本当に脅威ですよ。ラーマ。ヴァレリオ。」
「とくに彼らは下から這い上がってきた種族。気を抜くとどんな企み事をしているものかわかりません。
この度の数柱の神との契約をみても彼らの魔法技術の進化が見て取れます。」
「わかりますか? ラーマ・・・。
あなた達は私の神殿を建ててはいても、私と遭遇したのは明けの明星様以降の事。
なのに人間は既に神とこれほど密に接していたのです。この脅威。甘く見てはいけませんよ。」
アンナお姉様はそう仰ると真剣な面持ちで私たちを見つめました。
そうです。確かにお姉様の仰る通りです。敵は神とここまで密接な関係を築いていたのです。それは本当に脅威でした。
私はそこを最も恐れました。
「ピエトロは・・・人間の国は一体、幾柱の神と契約したのでしょうか?
精霊騎士が一人おられるだけでも戦況は一変してしまうというのに、神が複数おられるとなると最早、戦争どころか神々の闘争になります。
私たちにはヴァレリオ様とアンナお姉様。そして今は姿を見せてはおられませんがシェーン・シェーン・クー様もおられます。
それでも数の上で優位に立っているのでしょうか?」
その質問には全員が口を閉ざしてしまいました。誰にもわからない脅威だったからです。エリザ達も流石に人間が具体的に何柱の神と契約しているかまでは知ることができなかったからです。
「申し訳ございません。姫様。
私達も出来る限りの事はしたのですが、これ以上の潜伏は本当に危険だからと、人間の貴族が諭すほど戦争の機運が高まっている状況でしたので逃げ戻ることしかできませんでした。」
エリザは申し訳なさそうに頭を下げるのでした。
「良いのですよエリザ。むしろあなた方は良くやってくれましたわ。
ヴァレリオ様も良い家臣をお持ちになられました。きっとあなたの事を自慢に思っているでしょう。」
私の言葉を聞いたエリザは目にいっぱいの涙をためて肩を震わせるのでした。
そんなエリザの頭を撫でてやりながらヴァレリオ様は言いました。
「敵の戦力が計り知れない以上、こちらは罠を仕掛け、その上で先手も仕掛けなくてはいけません。」
しかし、その作戦はアンナお姉様によって否定されます。
「それは危険だわ。ヴァレリオ。ジェノバの大都市モデナには今、人間の軍隊が集結しているというのなら、モデナに手を出すことは蜂の素をつつくのも同然。とてつもない反撃が帰ってきます。」
ヴァレリオ様はそれに同意するように頷きながらもご自分のお考えを説明なさいました。
「勿論で御座います。しかし、人間どもも他国から軍隊を終結させるという事なら、立案から終結まで凡そ60日。さらに最も前線での戦争準備を整えるのに20日はかかるはずです。
それまでの間に私たちも軍隊の終結を進めなければいけませんが、黙ってこの状況を見ておくよりも威力偵察を兼ねた奇襲を仕掛けて敵の戦意を削ぐこともまた必要です。」
「狙いはできるだけジェノバ以外の国の兵士がよろしいでしょう。遠方から行軍してきて疲れているというのに夜討ち朝駆けを仕掛けられたら兵士の精神はへばってしまいます。」
「敵が強く成りきる前にできるだけ削ることも兵法の基本なれば、攻撃を仕掛けるべきかと存じます。」
ヴァレリオ様はそこまでお話になると、家臣たちに「あれを・・・」と、短く指示なさいました。すると家臣の一人が前もってヴァレリオ様に準備しておくように指示されていたであろう地図をテーブルに広げさせるのでした。
それは大都市モデナの絵姿が書かれた羊皮紙でした。
「これはエリザ達が収集した情報をまとめて作り上げた現時点でのモデナの様子。軍隊の配置図です。」
「ご覧の通り、ジェノバ国の軍隊が前面に薄く広く配置されていおりますが、これもやがて各国が集結するにつれて密集していくことかと思われます。
ただ、ジェノバと比較的近い位置関係にある国家の軍隊は既に群を配置しており作戦本部も立っているようです。
狙うのなら、ここです。」
ヴァレリオ様がそう言って説明された絵図には、たしかにモデナの前面に広くジェノバ国の軍隊が配置されていますが、その合間合間には他国の軍隊が配置されているようでした。
「現時点での敵の布陣を考えるに、今は消耗させる絶好のチャンスと言えます。これを見逃す手はございません。」
ヴァレリオ様は自信を持って進言なさいました。しかし・・・。私は不安でした。
「ですが、ヴァレリオ様。敵には神がおられます。
神が待ち構えていたら、どうなさいます? 神と戦えば誰も助からず奇襲部隊は無駄死にになります。」
私もお父様の教育の一環で兵法を学んだ身。その上で質問しました。
確かに威力偵察という作戦を行う場合、ある程度の消耗、損害は避けられません。ですが、神が相手となれば、本来、威力偵察部隊が持ち帰るはずの情報を持ち帰ることなどできなくなってしまいます。何故なら誰もあっという間に殺されてしまうからです。私はそこを危惧しました。
だったら、まずは・・・。
「ラーマ。君はもしかして未だ和平交渉による戦争回避が可能だとか考えているんじゃないだろうね?」
ヴァレリオ様の責めるような視線が痛いです。
「いいかい。ラーマ。君のその美しい心は我々魔族の中では希少だ。いや、希望の光と言っていいかもしれない。
でもね。相手は私達を殺そうと心に決めているんだ。それも神と複数契約しているという絶対的な有利の状況下だ。ここで譲歩するバカはいない。」
「残念だが、ここに来ても前回の戦争と同じく、私達には神と契約している彼らを殴り返せる戦力があることをまず見せつけない限り、和平交渉にはならないだろう。」
納得できずに上目遣いで訴えるように見つめる私にヴァレリオ様は苦笑なさいますと、さらにこの戦争の危険性を補足するのです。
「ラーマ。それから家臣一同もよく聞いてくれ。
この戦争は長引くぞ。」
「敵はモデナに集結している。遠征してきている軍隊はいても兵站は十分に期待できる立地条件なんだ。
私は恐らく最悪の場合、5年以上の戦争になると思っている。しかも、ここに妖精族や亜人族などが隙をついて介入してくるとなると厄介なことになるぞ。」
・・・・・・5年っ!?
ヴァレリオ様の言葉に私は言葉を失って驚くのでした。
5年以上の戦争を人間が覚悟して準備しているとなれば、確かにヴァレリオ様が仰ったように人間族との和平交渉など早々成るものではないでしょう。だって、敵は消耗を恐れてはいないのだから。きっと、数万の兵士が命を落とすくらいのことは覚悟の上の事。それは和平が成る条件としてヴァレリオ様が仰った『敵を殴り返す戦力を示す』ということを実現させることの難しさを示しているのですから・・・。
誰も死んでほしくはない。そういう希望を持っていた私にとってヴァレリオ様が仰ったことは絶望的と言っても良かったのです。落ち込む私は、うつむいてボンヤリと羊皮紙に書かれた敵軍配置絵図を見ていました。
ただ、ぼんやりと。
私の目には既にジェノバ以外に4か国が集結しようとしている配置図が目に映っています。大国5か国に加え、小国6か国が集結するとなると、どれほどの軍勢になるのでしょうか。想像するだけでも恐ろしいのでした。
そう思いながら、絵図を見つめていると一つの疑問が浮かび上がって来て・・・それが希望的観測であることは自覚もあるのですが、それでも私は自分が感じた違和感が希望の光のように感じてヴァレリオ様に反論しました。
「しかし・・・。しかしです。これほどの規模の兵数を動員して5年も戦争を続けるようなことなど、本当にそのようなことが可能なのでしょうか?」
私の言葉にヴァレリオ様は頷きました。
「これほどの季語の兵数で戦争を続けられるのか・・・?
まともにやりあえば難しいかな。兵站を保たせるのは容易ではない。
その内に破綻して敵も味方も飢えることになるだろう。」
「でもね、ラーマ。
それでも続けるのが戦争なんだ。
戦場は英雄譚で語られるような綺麗ごとばかりじゃない。飢えのない戦場など存在はしないんだ。
だが、それでも人は戦争をやめられない。飢えたままでも戦争をやり続けるんだよ。」
ヴァレリオ様はそう言って諭すように仰るのでした。
そして、エリザの一言を聞いたヴァレリオ様もそれに同意するように捕捉しました。
「ピエトロは18歳の若さで即位した男でしたが、ここ15年の間は人間同士の国々との衝突や旧魔族国家との戦ではいずれ負け知らず。着実に自国の領土を増やした男です。その時の戦ぶりは鬼のようであったと伝え聞いております。」
「私の密偵が調べましたところ、人間の国は現在5つの大国と6つの小国が覇権を争っていますが、その中でもジェノバ国のピエトロは一目置かれる存在にまで成りあがった天才のようでございます。」
ヴァレリオ様はそう言ってピエトロの危険性を説明しました。
アンナお姉様はさらに捕捉されました。
「人間と亜人の平均寿命はあなた方、魔族や妖精たちと違って100分の一以下ですが、その反面、成長も早く進化も早い。
彼らは魔族や妖精族と比べて劣った種族であったのに、あれよあれよという間に進化を続けて一大勢力を持つようになりました。
特に人間は兵術に優れ、亜人は個人の戦闘力が高い。
魔族と妖精族は魔法に優れていますが、最近は人間も魔法が大きく進化しました。これも彼らの世代のサイクルの速さが原因でしょうね。」
ピエトロ個人の能力の高さだけではなく、アンナお姉様も種族として平均寿命が短い人間の国が決して甘くないことを強調されたのでした。
「彼らの寿命の短さはデメリットである反面、メリットも多いのです。
魔族や妖精族は個体の寿命が長い分、子供をそれほど作りませんが、人間はまるでネズミのように次々に子供を産み、世代交代していきます。本当に脅威ですよ。ラーマ。ヴァレリオ。」
「とくに彼らは下から這い上がってきた種族。気を抜くとどんな企み事をしているものかわかりません。
この度の数柱の神との契約をみても彼らの魔法技術の進化が見て取れます。」
「わかりますか? ラーマ・・・。
あなた達は私の神殿を建ててはいても、私と遭遇したのは明けの明星様以降の事。
なのに人間は既に神とこれほど密に接していたのです。この脅威。甘く見てはいけませんよ。」
アンナお姉様はそう仰ると真剣な面持ちで私たちを見つめました。
そうです。確かにお姉様の仰る通りです。敵は神とここまで密接な関係を築いていたのです。それは本当に脅威でした。
私はそこを最も恐れました。
「ピエトロは・・・人間の国は一体、幾柱の神と契約したのでしょうか?
精霊騎士が一人おられるだけでも戦況は一変してしまうというのに、神が複数おられるとなると最早、戦争どころか神々の闘争になります。
私たちにはヴァレリオ様とアンナお姉様。そして今は姿を見せてはおられませんがシェーン・シェーン・クー様もおられます。
それでも数の上で優位に立っているのでしょうか?」
その質問には全員が口を閉ざしてしまいました。誰にもわからない脅威だったからです。エリザ達も流石に人間が具体的に何柱の神と契約しているかまでは知ることができなかったからです。
「申し訳ございません。姫様。
私達も出来る限りの事はしたのですが、これ以上の潜伏は本当に危険だからと、人間の貴族が諭すほど戦争の機運が高まっている状況でしたので逃げ戻ることしかできませんでした。」
エリザは申し訳なさそうに頭を下げるのでした。
「良いのですよエリザ。むしろあなた方は良くやってくれましたわ。
ヴァレリオ様も良い家臣をお持ちになられました。きっとあなたの事を自慢に思っているでしょう。」
私の言葉を聞いたエリザは目にいっぱいの涙をためて肩を震わせるのでした。
そんなエリザの頭を撫でてやりながらヴァレリオ様は言いました。
「敵の戦力が計り知れない以上、こちらは罠を仕掛け、その上で先手も仕掛けなくてはいけません。」
しかし、その作戦はアンナお姉様によって否定されます。
「それは危険だわ。ヴァレリオ。ジェノバの大都市モデナには今、人間の軍隊が集結しているというのなら、モデナに手を出すことは蜂の素をつつくのも同然。とてつもない反撃が帰ってきます。」
ヴァレリオ様はそれに同意するように頷きながらもご自分のお考えを説明なさいました。
「勿論で御座います。しかし、人間どもも他国から軍隊を終結させるという事なら、立案から終結まで凡そ60日。さらに最も前線での戦争準備を整えるのに20日はかかるはずです。
それまでの間に私たちも軍隊の終結を進めなければいけませんが、黙ってこの状況を見ておくよりも威力偵察を兼ねた奇襲を仕掛けて敵の戦意を削ぐこともまた必要です。」
「狙いはできるだけジェノバ以外の国の兵士がよろしいでしょう。遠方から行軍してきて疲れているというのに夜討ち朝駆けを仕掛けられたら兵士の精神はへばってしまいます。」
「敵が強く成りきる前にできるだけ削ることも兵法の基本なれば、攻撃を仕掛けるべきかと存じます。」
ヴァレリオ様はそこまでお話になると、家臣たちに「あれを・・・」と、短く指示なさいました。すると家臣の一人が前もってヴァレリオ様に準備しておくように指示されていたであろう地図をテーブルに広げさせるのでした。
それは大都市モデナの絵姿が書かれた羊皮紙でした。
「これはエリザ達が収集した情報をまとめて作り上げた現時点でのモデナの様子。軍隊の配置図です。」
「ご覧の通り、ジェノバ国の軍隊が前面に薄く広く配置されていおりますが、これもやがて各国が集結するにつれて密集していくことかと思われます。
ただ、ジェノバと比較的近い位置関係にある国家の軍隊は既に群を配置しており作戦本部も立っているようです。
狙うのなら、ここです。」
ヴァレリオ様がそう言って説明された絵図には、たしかにモデナの前面に広くジェノバ国の軍隊が配置されていますが、その合間合間には他国の軍隊が配置されているようでした。
「現時点での敵の布陣を考えるに、今は消耗させる絶好のチャンスと言えます。これを見逃す手はございません。」
ヴァレリオ様は自信を持って進言なさいました。しかし・・・。私は不安でした。
「ですが、ヴァレリオ様。敵には神がおられます。
神が待ち構えていたら、どうなさいます? 神と戦えば誰も助からず奇襲部隊は無駄死にになります。」
私もお父様の教育の一環で兵法を学んだ身。その上で質問しました。
確かに威力偵察という作戦を行う場合、ある程度の消耗、損害は避けられません。ですが、神が相手となれば、本来、威力偵察部隊が持ち帰るはずの情報を持ち帰ることなどできなくなってしまいます。何故なら誰もあっという間に殺されてしまうからです。私はそこを危惧しました。
だったら、まずは・・・。
「ラーマ。君はもしかして未だ和平交渉による戦争回避が可能だとか考えているんじゃないだろうね?」
ヴァレリオ様の責めるような視線が痛いです。
「いいかい。ラーマ。君のその美しい心は我々魔族の中では希少だ。いや、希望の光と言っていいかもしれない。
でもね。相手は私達を殺そうと心に決めているんだ。それも神と複数契約しているという絶対的な有利の状況下だ。ここで譲歩するバカはいない。」
「残念だが、ここに来ても前回の戦争と同じく、私達には神と契約している彼らを殴り返せる戦力があることをまず見せつけない限り、和平交渉にはならないだろう。」
納得できずに上目遣いで訴えるように見つめる私にヴァレリオ様は苦笑なさいますと、さらにこの戦争の危険性を補足するのです。
「ラーマ。それから家臣一同もよく聞いてくれ。
この戦争は長引くぞ。」
「敵はモデナに集結している。遠征してきている軍隊はいても兵站は十分に期待できる立地条件なんだ。
私は恐らく最悪の場合、5年以上の戦争になると思っている。しかも、ここに妖精族や亜人族などが隙をついて介入してくるとなると厄介なことになるぞ。」
・・・・・・5年っ!?
ヴァレリオ様の言葉に私は言葉を失って驚くのでした。
5年以上の戦争を人間が覚悟して準備しているとなれば、確かにヴァレリオ様が仰ったように人間族との和平交渉など早々成るものではないでしょう。だって、敵は消耗を恐れてはいないのだから。きっと、数万の兵士が命を落とすくらいのことは覚悟の上の事。それは和平が成る条件としてヴァレリオ様が仰った『敵を殴り返す戦力を示す』ということを実現させることの難しさを示しているのですから・・・。
誰も死んでほしくはない。そういう希望を持っていた私にとってヴァレリオ様が仰ったことは絶望的と言っても良かったのです。落ち込む私は、うつむいてボンヤリと羊皮紙に書かれた敵軍配置絵図を見ていました。
ただ、ぼんやりと。
私の目には既にジェノバ以外に4か国が集結しようとしている配置図が目に映っています。大国5か国に加え、小国6か国が集結するとなると、どれほどの軍勢になるのでしょうか。想像するだけでも恐ろしいのでした。
そう思いながら、絵図を見つめていると一つの疑問が浮かび上がって来て・・・それが希望的観測であることは自覚もあるのですが、それでも私は自分が感じた違和感が希望の光のように感じてヴァレリオ様に反論しました。
「しかし・・・。しかしです。これほどの規模の兵数を動員して5年も戦争を続けるようなことなど、本当にそのようなことが可能なのでしょうか?」
私の言葉にヴァレリオ様は頷きました。
「これほどの季語の兵数で戦争を続けられるのか・・・?
まともにやりあえば難しいかな。兵站を保たせるのは容易ではない。
その内に破綻して敵も味方も飢えることになるだろう。」
「でもね、ラーマ。
それでも続けるのが戦争なんだ。
戦場は英雄譚で語られるような綺麗ごとばかりじゃない。飢えのない戦場など存在はしないんだ。
だが、それでも人は戦争をやめられない。飢えたままでも戦争をやり続けるんだよ。」
ヴァレリオ様はそう言って諭すように仰るのでした。
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