Find me ~俺に近づく三人が明らかに怪しい。~

落光ふたつ

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第7話「Find me」

#1

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『————』

 映画を見ていた。
 寝室の小さなテレビ。クッションを敷いてベッドを背もたれにしている。
 見たことのある作品だけれど、何でもう一度見ているかは分からない。

 面白かったのだろうか。あんまり覚えていない。
 何でこの作品を選んだのかも、覚えていない。
 理由も思い出せないのに、ただ見つめている。

 ……あれ、さっき見ていたのと違うような。

 目を離していないはずなのに、なんだか物語が変わっているように思えた。
 恋愛ものからヒーローもの。どこかで勘違いしたのだろうか。冒頭シーンももう忘れたけれど、それでなんとなく納得した。
 そしてまた、見つめ続ける。

 次第に映画は終わって、スタッフロールが流れ始めた。すると見つめている自分が反射していて、そこで違和感に気づく。
 左隣に、クッションが置かれている。自分が座るために敷いているのと同じ物。それになぜか自分の座る位置が変に右寄り。
 まるで、隣に誰か座っていたみたい。

 ……何か足りない。何が足りない?

 罅が入った。
 けれどそれは、上塗りされる。

———

 食卓に座っていた。
 目の前には料理が並んでいて、どれも美味しそうだ。
 箸を進めれば、その味はやはり想像していたもので舌づつみをうつ。
 更に箸を進める。
 味に慣れてくると少し暇が出来て、会話をしたくなる。

 そうだ、さっきの映画の話をしよう。
 どんな内容かは覚えていないけれど面白かったから。あのヒーローがカッコよかった。いや、恋愛ものだったんだっけ?

 とにかく言葉を交わしたいと顔を上げて、
 しかし、向かう席には誰もいない。
 自分を見てくれる瞳がない。
 自分が見ていたい姿はない。

 空白だ。

 いつからそこは、空いているのだっけ。
 いつから自分は、一人でいるのだっけ。

 罅が入った。
 また広がった。
 そして、砕け散る。

「……比良人、どこ?」

 思い出す。
 ここにいない彼。ずっとそばにいた彼。

 どこにいるの?
 どこに行ったの?

 気づけば走り出していた。リビングの中だったはずなのに、周りは何もない荒野に変わっている。
 そんな些細なことはどうでもいい。とにかく彼を見つけないと。
 視界は広く辺りを見渡せる。けれど彼はどこにもいない。

「どこ、比良人どこ……!?」

 荒野はどんどん広がっていく。全てを奪い去っていく。
 そしてようやくその背中を見つけた。

「比良人っ!」

 呼びかけると振り向いてくれる。彼だ。間違いない。大好きな瞳が見ていてくれる。
 よかった。ここにいたんだ。
 そう安堵していると、彼もこちらに気づき駆け寄ろうとして——

 ——直後、彼の頭がはじけ飛んだ。
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