Find me ~俺に近づく三人が明らかに怪しい。~

落光ふたつ

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第7話「Find me」

#3

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 ——♪
 音楽が鳴っている。それに合わせて馬が回り、見ている者を誘った。

「あれ乗ろうっ」

 彼女はメリーゴーランドを指差して提案する。返事を聞く前に走り出していて、無邪気に馬の背に乗っていた。

「あははっ」

 笑い声が響く。

「楽しいねっ」

 彼女だけの笑い声が響く。


 誰もいない遊園地。いるのは彼女だけ。
 けれど楽園は彼女を歓迎し、機能する。
 光を発し、音を鳴らし。
 人が少ないと思えば、どこかから呼び寄せられる。

 賑やかさで、より楽しくなった。
 いつの間に、人を恐れなくなったのだっけ。
 いつの間に、笑えるようになったのだっけ。
 そういえば、この名前を付けてくれたのは彼だった。
 笑えない自分を、笑えるようにと願いを込めて。
 彼がいてくれるから、自分は幸せなのだ。
 楽しい感情で満たされる。
 これは全部彼のおかげだ。
 だけど気づいてしまう。

 彼がいない。

 語りかけても返ってこない。分けようとしても受け取ってくれない。
 じゃあ何で、自分は笑っていたのか。
 自分でない感情が頭の中を満たしていることに気づいて、恐ろしくなった。

 今、自分は何をしている?
 どこにいる?
 彼はどこ?

 途端に音楽が止む。光が消える。
 彼女を中心に回っていた楽園は唐突に消失し、荒野だけが広がった。
 彼女は探し始める。
 この不安を払拭してくれる人を。

 それは、何度も繰り返されていた。

 この世界には幸せが満ちている。
 目を閉じている限り幸せなのだ。
 けれどどうしても見てしまう。
 嫌な想像を。不幸な現実を。
 不安が、どうやっても消えてくれない。

 あの頃はどうだっけ。
 あるいは、もう一度やり直せるなら。
 彼女はそうして、逃げたのだった。

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