恋愛系小説

花梨美亜

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 次の日、私は私立の中学校の将棋部に入部し、私は早速そこの部員と対局することにした。

 「ねえ、君将棋は始めたばかりなんだよね…駒落ち対局でもいいけどさすがに手加減されてるようで嫌かな?」

 と言われ私は、そこの部員さんにこう答えた。

 「平手対局でお願いします。」

 というと部長さんがこういった。

 「持ち時間は10分でいいよね、切れたら1手30秒以内で指す。」

 と言ってきた。

 それに対し、わたしはこう答えた。

 「はい、大丈夫です」

 と言ってお互いに「よろしくお願いします」という挨拶をし、チェスクロックのボタンを押し対局が開始された。


 今回の先手番は、部員だ。


 部員は、少し悩んで76歩と歩を前に進めた。

 そして、私も34歩と歩を前に進め、角交換をしようと試みる。

 でも、部長は66歩と歩を前にあげて角交換を拒んだ。

 さらに私は、84歩と歩を前に進めて、今度は飛車先の突破をしようと試みる。

 部長は77角と角を斜め前に上げて飛車先突破を防いできた。

 
 私が次に指した手は、32金と金を斜め前に上げて、矢倉囲いにしようと試みる。

 そしてお互いに駒組が進み、両者とも攻めの陣形へと組んでいく。


 そして、84飛車と私が飛車を浮いて攻めようしたけど、部長は75馬と馬をまっすぐ進めて、飛車を狙ってきた。

 その後もかかんに攻めに行く理乃でもなかなか先輩の守りを崩すことができない。

  
 「あーもー、何でよ何で崩せないわけ?昨日寝ないで詰将棋を必死に説きまくったのに」

 と、苦戦をしながらもなんとか詰めろの形までもっていくことができた。

 その後も理乃ちゃんの攻めは続くが、自玉のまもりを優先してしまったあまり今度は逆に、理乃ちゃんが詰めろをかけられ、しかも簡単な一手詰めの形までもっていかれた。

 でも、理乃は、必死にあがき続けるが、自然と悪手ばっかり指していくようになり最終的には22銀成りで、私は投了した。
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