私の日常

花梨美亜

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ホテルの部屋に入るなり、私はスマホの充電をし、鞄から将棋盤を取り出し駒を並べ、近々行われる三段リーグに向けて練習を開始する。

手を動かすたびに、指先から駒への感触が心地よく、頭の中では戦略が練られていく。今回の対局で使う予定の戦法を練り上げるために、一手一手を丁寧に考えていく。

すると、部屋の電話が鳴り始めた。少し驚きながらも取ると、フロントからの連絡だった。予約時に誤って同じ部屋を二重予約してしまったとのことで、別の部屋に案内されることになった。

「また移動しなきゃいけないのか…」と少し面倒くさそうに呟きながらも、将棋盤を片付けて別の部屋に移動した。

新しい部屋に着くと、また将棋盤を広げて練習を再開する。部屋の中は静かで、集中して将棋に取り組むには最適な環境だった。

時間が過ぎるのも忘れ、熱心に駒を動かしていたが、いつの間にか腹が減っていることに気づいた。そういえば、昼間から何も食べていなかった。

コンビニで買ってきたカップ麺を湯を注いで食べながら、考え込んだ。将棋の練習は順調だが、体力も必要だ。しばらく食事を取りながら対局を思い返し、さらに練習を続けることにした。

その夜は、睡眠時間を削っても将棋の練習に没頭した。三段リーグに向けての自信をつけるために、限られた時間を最大限活用しなければならなかった。

 ホテル側の手違いということもあり、フロントがサービス券を一枚くれて、きちんと謝罪してくれた。





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