「七人の落ちこぼれ」

真田直樹

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新宿潜入

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夜の街は、昼とは別の顔を持つ。

東京・新宿。

ネオンが光り、人が絶えない街。
その中心にあるのが、
歌舞伎町。

眠らない街。

そして、犯罪が最も集まる街でもある。

午後九時。

七人の刑事は車の中にいた。

場所は歌舞伎町の外れ。

優斗が窓の外を見る。

ホストクラブの看板。
キャッチの男たち。
酔った客。

「……すごいな」

隣の勝巳が笑う。

「東京の夜はこんなもんだ」

助手席に座る神崎が言った。

「今日から潜入捜査だ」

佳祐が眉をひそめる。

「ターゲットは?」

神崎は一枚の写真を出した。

そこに写っているのは男。

三十代。

鋭い目。

「黒田龍司」

神崎が続ける。

「歌舞伎町の裏社会をまとめている男だ」

黒田は表向きはバーの経営者。

だが実際は違う。

違法カジノ
闇金融
外国人犯罪組織

すべてを裏で動かしている。

しかし。

証拠がない。

そのため警察も手が出せない。

神崎が言う。

「だから潜入する」

優斗が聞く。

「誰がです?」

神崎は七人を見る。

「全員だ」

役割

神崎は作戦を説明した。

藤川優斗
→ ホストクラブ客として潜入

新田里奈
→ バーの会計スタッフとして潜入

尾上紀子
→ キャバクラ従業員として潜入

内田佳祐
→ 用心棒役として潜入

小林勝巳
→ 情報屋として潜入

富田さゆり
→ 常連客として接触

丹羽雅人
→ サイバー監視

さゆりが笑う。

「私、夜の街は初めて」

勝巳が言う。

「大丈夫」

「この街は人を見る」

「警察の顔をしたら終わりだ」

神崎が最後に言った。

「ルールは一つ」

七人が聞く。

「何ですか」

神崎は低い声で言う。

「絶対に警察だとバレるな」

少し間。

「バレたら」

静かに続ける。

「命はない」

歌舞伎町の夜

夜十時。

七人はそれぞれ街に散った。

ネオンの海。

音楽。

笑い声。

そして裏の顔。

優斗はホストクラブに入る。

店員が言う。

「いらっしゃいませ」

店の奥ではホストたちが客を囲んでいる。

優斗は席に座る。

そのとき。

隣の席で男が言った。

「この街初めて?」

優斗が振り向く。

スーツの男。

優斗が答える。

「まあ」

男は笑った。

「気をつけろ」

「この街には」

グラスを傾けながら言う。

「帰れなくなる人間がいる」

一方。

里奈はバーのカウンターに立っていた。

客の会話を聞く。

すると。

奥の席で話が聞こえた。

「黒田が来るらしい」

里奈の目が鋭くなる。

外では佳祐が立っている。

用心棒のふり。

すると。

黒い車が止まった。

ドアが開く。

中から男が降りる。

写真で見た顔。

黒田龍司。

佳祐が小声で言う。

「ターゲット確認」

イヤホンから声が返る。

雅人だ。

「監視カメラ確認」

「建物三階に入った」

その瞬間。

神崎の声が聞こえる。

「全員動くな」

七人が止まる。

神崎は続けた。

「様子がおかしい」

優斗が聞く。

「どういうことです」

神崎は低く言った。

「黒田は警察を知っている」

沈黙。

そして。

神崎の声。

「この中に」

「警察の情報を流している人間がいる」

七人の空気が凍った。

つまり。

警察内部に裏切り者がいる。

そして。

潜入している七人の中にも、

疑われる者がいる。

歌舞伎町のネオンの下で、

七人の刑事は初めて知る。

この事件は

ただの犯罪組織ではない。

警察を巻き込む巨大な闇だということを。
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