「七人の落ちこぼれ」

真田直樹

文字の大きさ
5 / 13

歌舞伎町銃撃戦

しおりを挟む
夜十一時。

東京・新宿。

ネオンが眩しく輝く街、
歌舞伎町。

金曜日の夜。

人で溢れていた。

ホストクラブの呼び込み。
観光客。
酔った会社員。

だが。

その喧騒の裏で、

七人の刑事は緊張した空気の中にいた。

「目標確認」

イヤホンから声が聞こえる。

丹羽雅人だった。

近くのビルの屋上で、監視をしている。

「黒田龍司」

「歌舞伎町中央通り、裏路地に移動」

藤川優斗は路地の入口に立っていた。

私服。

警察手帳だけがポケットにある。

隣には内田佳祐。

佳祐が小さく言う。

「来るぞ」

黒いワゴン車が止まった。

ドアが開く。

降りてきたのは

黒田龍司。

その後ろには

三人の男。

全員、黒い服。

明らかに普通の人間ではない。

イヤホンから神崎の声。

「全員配置につけ」

「黒田を確保する」

優斗が小声で言う。

「動きます」

その瞬間。

路地の奥で声がした。

「やっぱり来たな」

全員が凍りつく。

黒田が笑っていた。

「警察さん」

ゆっくり手を叩く。

すると。

路地の両側から

男たちが現れた。

十人以上。

手には

拳銃。

佳祐が呟く。

「……罠だ」

黒田は笑う。

「潜入捜査ご苦労さん」

優斗の背中に冷たい汗が流れる。

なぜバレた。

つまり。

情報が漏れていた。

その瞬間。

一発の銃声。

パンッ

壁に弾丸が当たる。

通行人が悲鳴を上げる。

歌舞伎町の夜が一瞬で変わった。

「伏せろ!」

佳祐が優斗を引き倒す。

銃声が続く。

パン!パン!パン!

ネオンの下で銃撃戦が始まった。

「右から二人!」

勝巳が叫ぶ。

優斗が壁の影から飛び出す。

犯人の腕を掴む。

銃を叩き落とす。

佳祐がもう一人を倒す。

格闘能力は圧倒的だった。

その頃。

バーの中にいた

尾上紀子と富田さゆり。

客を避難させていた。

紀子が叫ぶ。

「裏口へ!」

客たちを外へ誘導する。

さゆりが無線で言う。

「一般人避難開始!」

屋上では雅人が叫んだ。

「新しい車が来る!」

画面を見る。

三台の黒い車。

増援だった。

神崎の声が響く。

「撤退するな!」

静かな声。

だが。

鋭い。

「黒田だけは逃がすな」

優斗が立ち上がる。

銃声の中。

黒田を見る。

黒田は路地の奥へ逃げていた。

優斗が走る。

「待て!」

佳祐も続く。

細い路地。

ゴミ箱。

ネオンの光。

黒田が振り向く。

そして。

拳銃を向けた。

一瞬。

時間が止まる。

引き金が引かれる。

パンッ

しかし。

弾は優斗に当たらなかった。

前に誰かが立っていた。

神崎隼人。

神崎の肩から血が流れる。

優斗が叫ぶ。

「係長!」

神崎は黒田を睨んだ。

低い声。

「やっと捕まえた」

その瞬間。

パトカーのサイレンが鳴り響いた。

遠くから警察部隊が来る。

黒田は笑った。

「残念だ」

そして。

路地の奥へ消えた。

銃撃戦は終わった。

だが。

黒田は逃げた。

そして。

神崎は血を流していた。

優斗が支える。

「救急車!」

神崎は小さく言った。

「大丈夫だ」

そして。

優斗を見る。

「奴は必ず動く」

低い声。

「次は」

「本当の黒幕が出てくる」

七人はまだ知らない。

黒田の背後にいる人物が、

警察の最高幹部に繋がっていることを。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

残業で疲れたあなたのために

にのみや朱乃
大衆娯楽
(性的描写あり) 残業で会社に残っていた佐藤に、同じように残っていた田中が声をかける。 それは二人の秘密の合図だった。 誰にも話せない夜が始まる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...