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公安 vs 裏切り者
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深夜。
東京・港区。
高層ビルが並ぶビジネス街。
だが、その中に一つだけ異質な建物があった。
古い倉庫を改装したビル。
外から見ると普通の会社に見える。
しかし。
そこが――
オルフェウス日本拠点。
車の中。
七人の刑事と神崎が建物を見ていた。
優斗が低い声で言う。
「ここですか」
神崎はうなずく。
「間違いない」
雅人がノートパソコンを見ながら言う。
「内部ネットワーク確認」
「海外サーバーと通信してます」
つまり。
資金洗浄拠点。
里奈が言う。
「黒田もここに?」
神崎は答える。
「いや」
少し間。
「黒田の上がいる」
そのとき。
ビルの入口が開いた。
一人の男が出てくる。
黒いコート。
鋭い目。
ゆっくり歩く。
優斗が息を呑む。
「……あれが」
神崎は静かに言った。
「高城修一」
十年前に消えた公安刑事。
神崎の元相棒。
そして。
裏切り者。
神崎が車のドアを開ける。
優斗が止める。
「係長」
神崎は言った。
「これは俺の仕事だ」
神崎はゆっくり歩いた。
夜の道路。
街灯の下。
高城の前で止まる。
高城が笑う。
「久しぶりだな」
低い声。
「神崎」
神崎は答える。
「十年ぶりだ」
二人は向かい合った。
沈黙。
十年前。
同じ公安刑事だった二人。
数え切れない事件を一緒に解決した。
だが。
今は敵。
神崎が言う。
「なぜだ」
高城は首を傾ける。
「何が」
神崎の声が強くなる。
「なぜ裏切った!」
高城は笑った。
「裏切り?」
少し間。
「違う」
静かな声。
「真実を見ただけだ」
神崎が言う。
「真実?」
高城は街を見た。
東京の夜景。
そして言った。
「この国の警察は腐っている」
優斗たちが遠くから聞いている。
高城の声は落ち着いていた。
「十年前」
「武器密輸事件を覚えているか」
神崎は答える。
「忘れるわけがない」
高城は言った。
「俺たちはあと一歩で真相に届いた」
「だが」
「警察庁が止めた」
神崎が眉をひそめる。
「……何を言っている」
高城は静かに言う。
「武器密輸」
「資金」
「政治家」
少し間。
「全部繋がっていた」
つまり。
十年前の事件の背後には
警察庁幹部がいた。
神崎が怒る。
「だから犯罪組織に入ったのか!」
高城は首を振る。
「違う」
低い声。
「壊すためだ」
神崎は黙った。
高城は続ける。
「オルフェウスは巨大組織だ」
「だが」
目が鋭くなる。
「内部に入れば」
「すべて潰せる」
神崎が言う。
「信じろと?」
高城は笑う。
「お前なら分かるはずだ」
その瞬間。
ビルの中から男たちが出てくる。
拳銃。
十人以上。
オルフェウスの警備だ。
優斗が無線で叫ぶ。
「係長!」
高城が小さく言う。
「時間切れだ」
神崎が言う。
「高城」
高城が振り向く。
神崎は言った。
「お前は」
「敵か」
沈黙。
そして。
高城は答えた。
「今はな」
次の瞬間。
銃声。
パンッ!
夜の港区に響く。
七人の刑事が飛び出す。
佳祐が叫ぶ。
「突入!」
神崎と高城。
十年ぶりの再会は
銃撃戦の中で終わった。
だが。
神崎は気づいていた。
高城は最後に
わずかに目で合図を送った。
つまり。
この戦いはまだ終わっていない。
東京・港区。
高層ビルが並ぶビジネス街。
だが、その中に一つだけ異質な建物があった。
古い倉庫を改装したビル。
外から見ると普通の会社に見える。
しかし。
そこが――
オルフェウス日本拠点。
車の中。
七人の刑事と神崎が建物を見ていた。
優斗が低い声で言う。
「ここですか」
神崎はうなずく。
「間違いない」
雅人がノートパソコンを見ながら言う。
「内部ネットワーク確認」
「海外サーバーと通信してます」
つまり。
資金洗浄拠点。
里奈が言う。
「黒田もここに?」
神崎は答える。
「いや」
少し間。
「黒田の上がいる」
そのとき。
ビルの入口が開いた。
一人の男が出てくる。
黒いコート。
鋭い目。
ゆっくり歩く。
優斗が息を呑む。
「……あれが」
神崎は静かに言った。
「高城修一」
十年前に消えた公安刑事。
神崎の元相棒。
そして。
裏切り者。
神崎が車のドアを開ける。
優斗が止める。
「係長」
神崎は言った。
「これは俺の仕事だ」
神崎はゆっくり歩いた。
夜の道路。
街灯の下。
高城の前で止まる。
高城が笑う。
「久しぶりだな」
低い声。
「神崎」
神崎は答える。
「十年ぶりだ」
二人は向かい合った。
沈黙。
十年前。
同じ公安刑事だった二人。
数え切れない事件を一緒に解決した。
だが。
今は敵。
神崎が言う。
「なぜだ」
高城は首を傾ける。
「何が」
神崎の声が強くなる。
「なぜ裏切った!」
高城は笑った。
「裏切り?」
少し間。
「違う」
静かな声。
「真実を見ただけだ」
神崎が言う。
「真実?」
高城は街を見た。
東京の夜景。
そして言った。
「この国の警察は腐っている」
優斗たちが遠くから聞いている。
高城の声は落ち着いていた。
「十年前」
「武器密輸事件を覚えているか」
神崎は答える。
「忘れるわけがない」
高城は言った。
「俺たちはあと一歩で真相に届いた」
「だが」
「警察庁が止めた」
神崎が眉をひそめる。
「……何を言っている」
高城は静かに言う。
「武器密輸」
「資金」
「政治家」
少し間。
「全部繋がっていた」
つまり。
十年前の事件の背後には
警察庁幹部がいた。
神崎が怒る。
「だから犯罪組織に入ったのか!」
高城は首を振る。
「違う」
低い声。
「壊すためだ」
神崎は黙った。
高城は続ける。
「オルフェウスは巨大組織だ」
「だが」
目が鋭くなる。
「内部に入れば」
「すべて潰せる」
神崎が言う。
「信じろと?」
高城は笑う。
「お前なら分かるはずだ」
その瞬間。
ビルの中から男たちが出てくる。
拳銃。
十人以上。
オルフェウスの警備だ。
優斗が無線で叫ぶ。
「係長!」
高城が小さく言う。
「時間切れだ」
神崎が言う。
「高城」
高城が振り向く。
神崎は言った。
「お前は」
「敵か」
沈黙。
そして。
高城は答えた。
「今はな」
次の瞬間。
銃声。
パンッ!
夜の港区に響く。
七人の刑事が飛び出す。
佳祐が叫ぶ。
「突入!」
神崎と高城。
十年ぶりの再会は
銃撃戦の中で終わった。
だが。
神崎は気づいていた。
高城は最後に
わずかに目で合図を送った。
つまり。
この戦いはまだ終わっていない。
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