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年上のひと
親友Ⅱ
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朝からシーナは死んでいた。
「生ける屍って初めて見た」
ティナは興味本位にほんのり同情を織り交ぜながらシーナをめずらしげに眺めている。
「ねえ、無理にでも食べとかないとさ」
上の空を地でいくシーナはティナに頬を突かれても微動だにしない。
膝の上にはサンドイッチが所在なさげに佇んでいる。元々よく食べていたサンドイッチだけど、一ナナギの好物だと知ってからはさらにチョイスされることが増えた。我が親友ながらなんとも健気。
今のシーナの生活を占めているもののことを思えば、原因を突き止めるのはそんなに難しいことではないはずだ。
―――ただ。
「ねえ、シーナ。何があったのか教えてくれなきゃ、こっちもどうしていいか分かんないじゃない」
なんとかシーナから言葉の切れ端でも引き出そうと懸命になっているティナのことがあるので、気安く口にするのも憚られる。
本人曰く、初めて恋をしたらしい。
一ナナギと接触したとシーナの報告を聞いた翌日、そう本心を吐露された。
笑わないでよ、と釘は刺されていたから約束は守ったけれど、笑いを堪えるのは想像以上にたいへんであった。
私の回りでは間違いなくいちばん恋愛遍歴が活発な女子のセリフではないと気に障らない程度に突っ込んだら、身体は許しても心は違うのよとのことであった。
「一さんとは真剣に恋愛したいんだ」
どう返したらいいのか考えあぐねていると、クシナはシーナにつくんでしょと勝手に派閥を形成されてしまった。
ひとりの男子を巡って期せずしてライバル関係になってしまったふたりの親友を持つ身としては如何ともし難い状況に放り込まれたわけで、なんとも悩ましい。
もっともシーナからすればティナの一ナナギへのちょっかい全般は男性経験豊富な親友による「いつものこと」で済まされているだろう。それを思えば純粋に一ナナギのことに集中できるわけでティナに比べれば幸せなはずであった。ただ男の免疫がない分、緊急事態に臨機応変に対処できないから、他人からすれば些細なことでさえ人生を狂わすような大ダメージを被ることになる。
そう、今みたいに――。
「もう、何かいってよー。シーナァ」
ライバルに肩を揺すられた185センチの親友は表情に何も乗せずにされるがままに見えたけれど、次第に頬が紅潮し、目には負の滴が浮かび始めた。
「……ええぇ、なになに」
思わぬ展開だったのであろう、ティナがシーナと私を交互に見遣る。
大人しいシーナはよく泣くと誤解されがちだけれど、意外に涙は見せたことはない。それだけに落涙の原因が切迫したものなのだろう。
必死に声を押さえ、丸めた背中をふるわせて泣きじゃくる様は貰い泣きを誘発するにはじゅうぶんであった。
「泣かないでよぉ、シーナってば……」
どうやらそれはティナも同じだったらしく、目線一つでオトコを篭絡してきた魅力的なその双眸はすでに赤い。
ティナはシーナに覆い被さるように慰めていたけれど、シーナのしゃくり上げるような泣き声は次第に大きくなり、もう我慢することは諦めたのか、ひたすら号泣するのだった。
この時間だけ開放されている瓊紅保女子の屋上は絶好の昼食スポットなので、むせび泣く親友の異変を何ごとかと刮目する視線は瞬時にして集まることになる。
憂慮や好奇、さまざまな感情を滲ませながら、生徒たちがやって来た。同級生に混じって上級生もちらほらいる。シーナはその容姿もあって校内ではちょっとした有名人だ。
どう説明したものか慎重に言葉を探っていると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、人知れずため息を一つ、吐く。
多数の生徒に身体を支えられながら、未だに泣きやむ気配のないシーナはよろよろと校舎へ戻っていった。
シーナが食べるつもりであったサンドイッチを拾い上げ、後を追う。
教室では当然のようにシーナの席は多くの生徒に取り囲まれていて、開校以来、瓊紅保女子では歴代二番目に大きいという親友の姿は見えなかった。
「いったいどうしちゃったわけ? ツボミまで泣いちゃってさ」
クラスのリーダーを自認しているヤエガキがいつもの大仰なジェスチャーを目いっぱい駆使しながら声を張り上げる。胸まで伸ばした自慢の長い毛をロッドで大胆に変化をつけた毛先はまるでバネをたくさんぶら下げているようにも見える。わずかに湿り気を残した髪にワックスやムースを使って馴染ませて自然乾燥させるだけだから簡単なのだと聞きもしないのにいつだったか語っていた。
「クシナは知ってるわけ?」
私の存在を認めたヤエガキがこちらに視線を飛ばしてくる。基本、人を姓で呼ぶヤエガキはなぜか私だけ下の名前で呼ぶ。ティナは先生はともかく同級生につぼみ呼ばわりされるのを嫌うので、結果的にヤエガキとはあまり良好な関係とはいえない。もっとも、ヤエガキ自身も男子にもてるティナにライバル心をむき出しにしている節があり、どっちがもてているのかお互いに体験談を披瀝し合おうと何度も持ち掛けてはティナに無視され続けているみたいだった。
「知らないし、知っていても話す義務はない」
「……そういうこというんだ、友達に」
どうやら私はヤエガキとは友達だったらしい。
午後の授業はなんとか持ち直した――ように見えた――シーナとティナはしかし、精力は尽き果てたかのような体だった。つまり不謹慎な物言いだけど、生ける屍が増えたわけで原因究明は急務ということだ。
「シーナ、大丈夫?」
放課後、未だに意識が浮遊中といった感じのシーナに近づくと、うっすらと笑顔のようなものを見せつつ、頷いてくれた。
「ねえ、クシナ。遊びに行こうよ」
空気を読めない威圧的な声が背後から飛んできた。
「行かない」
いつもと同じ返事を返すと、またそういうことをいうわけ? と不快感を隠そうともせずに声の主が現われる。
「そんな死んだようなのは放っておいてさ、元気なもの同士で遊ぼうって」
ヤエガキはその背丈のわりに大人しいシーナをティナとは別の意味で嫌っている。いや、嫌ってるというか見下しているといった方が正しい。
小学校からのつき合いであるシーナと仲よくなるきっかけは皮肉なことにやはり同じ小学校に通っていたヤエガキだった。
当時、シーナこと四方堂椎那はヤエガキの後をおどおどついて回っていた。恵まれた身体を持っているのにヤエガキにいいように使われても反抗も反論もしない彼女は都合のいい子分だったのだろう。
気に入らないことがあれば、シーナに罵声を浴びせたり、時には手まで上げて鬱憤を晴らしていたヤエガキはまさにクラスを仕切っているボス然としていた。
小学校低学年の終わりに於牟寺から瓊紅保に越してきた私は幼稚園からずっと一緒だったというふたりの関係は異様に映ったけれど、当初は干渉するつもりなどなかった。
「いうこと聞かないと友達やめるから」
どういう状況だったのか忘れたけれど、ヤエガキの何気ないひとことが癇に障った。
「友達をやめるってなに。あなたにとって友達っていうのは言葉一つではじめたりやめたりするほど軽いものなの? 四方堂さんだっけ。あなたもいってやりなさいよ、やめたかったら勝手にやめろって。自分をいいように振り回す相手が友達だと思ったら大間違いよ」
考えてみれば他人の交友関係をよく知りもせずに立ち入った挙句に、好き勝手なことをさも分かった風に代弁するとかでしゃばりにも程がある。
結果的にこれが転機となってシーナはヤエガキの子分的支配から開放され、自然と私と遊ぶようになった。ほどなく伯父さんのビルにあったジムにも出入りするようになり、ボクシングも上達していった。口には出していなかったけれど、きっとシーナなりに強くなろうとしたんだと思う。今じゃその辺の男子ではそうそう敵わないレベルまでボクシングの腕を上げている。
「死んだような状態を放って置けないから友達なんじゃない」
ヤエガキの目は見なかった。もちろん、意図的に。でも、ムッと眉間を寄せる気配は感じ取ることができた。今発した言葉の意味はあの日、あえて介入を避けていたふたりの関係に割り入った瞬間を体験しているものなら理解できるだろう。
「シホウドウの方が大切なわけ?」
友人知人に順位をつけるなんて馬鹿げたことはするつもりはない。ただヤエガキはランク外なだけだ。今も、昔も。
シーナとティナを促すと、取り巻きを従えいつもの腕組みポーズでこちらを憎々しげに睨んでいるヤエガキを置いて教室を出た。
「生ける屍って初めて見た」
ティナは興味本位にほんのり同情を織り交ぜながらシーナをめずらしげに眺めている。
「ねえ、無理にでも食べとかないとさ」
上の空を地でいくシーナはティナに頬を突かれても微動だにしない。
膝の上にはサンドイッチが所在なさげに佇んでいる。元々よく食べていたサンドイッチだけど、一ナナギの好物だと知ってからはさらにチョイスされることが増えた。我が親友ながらなんとも健気。
今のシーナの生活を占めているもののことを思えば、原因を突き止めるのはそんなに難しいことではないはずだ。
―――ただ。
「ねえ、シーナ。何があったのか教えてくれなきゃ、こっちもどうしていいか分かんないじゃない」
なんとかシーナから言葉の切れ端でも引き出そうと懸命になっているティナのことがあるので、気安く口にするのも憚られる。
本人曰く、初めて恋をしたらしい。
一ナナギと接触したとシーナの報告を聞いた翌日、そう本心を吐露された。
笑わないでよ、と釘は刺されていたから約束は守ったけれど、笑いを堪えるのは想像以上にたいへんであった。
私の回りでは間違いなくいちばん恋愛遍歴が活発な女子のセリフではないと気に障らない程度に突っ込んだら、身体は許しても心は違うのよとのことであった。
「一さんとは真剣に恋愛したいんだ」
どう返したらいいのか考えあぐねていると、クシナはシーナにつくんでしょと勝手に派閥を形成されてしまった。
ひとりの男子を巡って期せずしてライバル関係になってしまったふたりの親友を持つ身としては如何ともし難い状況に放り込まれたわけで、なんとも悩ましい。
もっともシーナからすればティナの一ナナギへのちょっかい全般は男性経験豊富な親友による「いつものこと」で済まされているだろう。それを思えば純粋に一ナナギのことに集中できるわけでティナに比べれば幸せなはずであった。ただ男の免疫がない分、緊急事態に臨機応変に対処できないから、他人からすれば些細なことでさえ人生を狂わすような大ダメージを被ることになる。
そう、今みたいに――。
「もう、何かいってよー。シーナァ」
ライバルに肩を揺すられた185センチの親友は表情に何も乗せずにされるがままに見えたけれど、次第に頬が紅潮し、目には負の滴が浮かび始めた。
「……ええぇ、なになに」
思わぬ展開だったのであろう、ティナがシーナと私を交互に見遣る。
大人しいシーナはよく泣くと誤解されがちだけれど、意外に涙は見せたことはない。それだけに落涙の原因が切迫したものなのだろう。
必死に声を押さえ、丸めた背中をふるわせて泣きじゃくる様は貰い泣きを誘発するにはじゅうぶんであった。
「泣かないでよぉ、シーナってば……」
どうやらそれはティナも同じだったらしく、目線一つでオトコを篭絡してきた魅力的なその双眸はすでに赤い。
ティナはシーナに覆い被さるように慰めていたけれど、シーナのしゃくり上げるような泣き声は次第に大きくなり、もう我慢することは諦めたのか、ひたすら号泣するのだった。
この時間だけ開放されている瓊紅保女子の屋上は絶好の昼食スポットなので、むせび泣く親友の異変を何ごとかと刮目する視線は瞬時にして集まることになる。
憂慮や好奇、さまざまな感情を滲ませながら、生徒たちがやって来た。同級生に混じって上級生もちらほらいる。シーナはその容姿もあって校内ではちょっとした有名人だ。
どう説明したものか慎重に言葉を探っていると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、人知れずため息を一つ、吐く。
多数の生徒に身体を支えられながら、未だに泣きやむ気配のないシーナはよろよろと校舎へ戻っていった。
シーナが食べるつもりであったサンドイッチを拾い上げ、後を追う。
教室では当然のようにシーナの席は多くの生徒に取り囲まれていて、開校以来、瓊紅保女子では歴代二番目に大きいという親友の姿は見えなかった。
「いったいどうしちゃったわけ? ツボミまで泣いちゃってさ」
クラスのリーダーを自認しているヤエガキがいつもの大仰なジェスチャーを目いっぱい駆使しながら声を張り上げる。胸まで伸ばした自慢の長い毛をロッドで大胆に変化をつけた毛先はまるでバネをたくさんぶら下げているようにも見える。わずかに湿り気を残した髪にワックスやムースを使って馴染ませて自然乾燥させるだけだから簡単なのだと聞きもしないのにいつだったか語っていた。
「クシナは知ってるわけ?」
私の存在を認めたヤエガキがこちらに視線を飛ばしてくる。基本、人を姓で呼ぶヤエガキはなぜか私だけ下の名前で呼ぶ。ティナは先生はともかく同級生につぼみ呼ばわりされるのを嫌うので、結果的にヤエガキとはあまり良好な関係とはいえない。もっとも、ヤエガキ自身も男子にもてるティナにライバル心をむき出しにしている節があり、どっちがもてているのかお互いに体験談を披瀝し合おうと何度も持ち掛けてはティナに無視され続けているみたいだった。
「知らないし、知っていても話す義務はない」
「……そういうこというんだ、友達に」
どうやら私はヤエガキとは友達だったらしい。
午後の授業はなんとか持ち直した――ように見えた――シーナとティナはしかし、精力は尽き果てたかのような体だった。つまり不謹慎な物言いだけど、生ける屍が増えたわけで原因究明は急務ということだ。
「シーナ、大丈夫?」
放課後、未だに意識が浮遊中といった感じのシーナに近づくと、うっすらと笑顔のようなものを見せつつ、頷いてくれた。
「ねえ、クシナ。遊びに行こうよ」
空気を読めない威圧的な声が背後から飛んできた。
「行かない」
いつもと同じ返事を返すと、またそういうことをいうわけ? と不快感を隠そうともせずに声の主が現われる。
「そんな死んだようなのは放っておいてさ、元気なもの同士で遊ぼうって」
ヤエガキはその背丈のわりに大人しいシーナをティナとは別の意味で嫌っている。いや、嫌ってるというか見下しているといった方が正しい。
小学校からのつき合いであるシーナと仲よくなるきっかけは皮肉なことにやはり同じ小学校に通っていたヤエガキだった。
当時、シーナこと四方堂椎那はヤエガキの後をおどおどついて回っていた。恵まれた身体を持っているのにヤエガキにいいように使われても反抗も反論もしない彼女は都合のいい子分だったのだろう。
気に入らないことがあれば、シーナに罵声を浴びせたり、時には手まで上げて鬱憤を晴らしていたヤエガキはまさにクラスを仕切っているボス然としていた。
小学校低学年の終わりに於牟寺から瓊紅保に越してきた私は幼稚園からずっと一緒だったというふたりの関係は異様に映ったけれど、当初は干渉するつもりなどなかった。
「いうこと聞かないと友達やめるから」
どういう状況だったのか忘れたけれど、ヤエガキの何気ないひとことが癇に障った。
「友達をやめるってなに。あなたにとって友達っていうのは言葉一つではじめたりやめたりするほど軽いものなの? 四方堂さんだっけ。あなたもいってやりなさいよ、やめたかったら勝手にやめろって。自分をいいように振り回す相手が友達だと思ったら大間違いよ」
考えてみれば他人の交友関係をよく知りもせずに立ち入った挙句に、好き勝手なことをさも分かった風に代弁するとかでしゃばりにも程がある。
結果的にこれが転機となってシーナはヤエガキの子分的支配から開放され、自然と私と遊ぶようになった。ほどなく伯父さんのビルにあったジムにも出入りするようになり、ボクシングも上達していった。口には出していなかったけれど、きっとシーナなりに強くなろうとしたんだと思う。今じゃその辺の男子ではそうそう敵わないレベルまでボクシングの腕を上げている。
「死んだような状態を放って置けないから友達なんじゃない」
ヤエガキの目は見なかった。もちろん、意図的に。でも、ムッと眉間を寄せる気配は感じ取ることができた。今発した言葉の意味はあの日、あえて介入を避けていたふたりの関係に割り入った瞬間を体験しているものなら理解できるだろう。
「シホウドウの方が大切なわけ?」
友人知人に順位をつけるなんて馬鹿げたことはするつもりはない。ただヤエガキはランク外なだけだ。今も、昔も。
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