姉はすべてを支配する。さればわれらも姉に従おう。

さいきごそ

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拳塔町に行くの巻

出立

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「三苫ちゃん、相変わらずミニスカートが似合ってるな。すっげーかわいい」
 あの夜の興奮を思い返しながら、左衛門三郎のお嬢様の斜め後ろに控えている三苫ちゃんに軽口を叩く。
 お約束のように瞬く間に赤面する三苫ちゃんを微笑ましく眺めていると、やはりお約束のように殺気立った視線が飛んできた。発信元はいわずもがな。
「お前も似合ってるぞ、そのスーツ」
 ナナミさんの麗しい水着姿が拝める余裕が俺を大人にしてくれる。だいたいナナミさんと海に行くこんな日に、無用なトラブルはごめんだ。
 実際、三次のスーツ姿ははまっている。この年頃の女子がこの手のスーツを身につけても出来の悪いコスプレに成り下がるのがオチだろうが、こいつは違う。本職プロにしか見えない。
「せっかくのバカンスなのですから、もっと軽快な服装にと申したのですが、頑なに拒まれてしまいました」
 左衛門三郎のお嬢様は呆れたようにいつもの目を閉じてあごをツンを上げる仕草、通称・瞑目あごツン(命名・俺)を見せた。
「……すみません。砕けた格好は落ち着かないもので」
 主人の言葉にうつむく三次は年齢相応の女子だった。
「カジュアルスタイルでしたら、六反園君に皮肉を吐かれることもなかったでしょうに」
 いや、皮肉じゃないんだが。
「おはよー」
 緊張感皆無な馴染みのある声に挨拶を返すべく振り向く。
「よう、シ……」
 思わず固まった。
 涼しげな半袖カーディガンに際どいデニムの超ミニスカートを穿いたシギヤが笑顔で手を振っている。そのままの状態でもパンツが見えそうだ。いくら高校に上がって初めての夏とはいえ、デビューし過ぎだろ。
「シギヤ、ちょっと過激じゃないか」
「……ん? そうかなー」
 男としては女子のミニスカートは手放しで歓迎したいところだが、守るべきラインというものがあるはずだ。カーディガンの下に着込んだカットソーの光沢もどこか色っぽい。
「これスカートじゃないよ」
「……えっ?」
 ペロッとデニム生地を捲り上げる。
「お、おい」
 スカートと思っていたそれは、生地を何枚も重ねたショートパンツであった。……ったく、驚かせやがって。
「おはようございます、七ツ役さん。今日は夏らしい素敵な装いですね」
「ありがとう。そのワンピースすごくかわいいね、左衛門三郎さん」
 顔馴染み同士で取り交わされる社交辞令をくすぐったい思いで聞いていると、癇に触るヲタボイスが耳を劈いた。
「おはようございます、皆々様。本日は最高の海水浴日和ですな!」
 サマージャケットにカーゴパンツを合わせた五十棲が眼鏡のブリッジを中指で直しながららこちらにやってくる。ネイビーのジャケットの下にはけっこうな値段のするドメブラのTシャツなんかを着込んでやがる。手には2、いや3WAYに対応できるペンライトの付いたブリーフケース。エアバッグや防弾チョッキにも使われるなんとかって素材で作られたバッグでけっこうな値段がしたはずだ。サイドストラップでロールアップさせているベージュのカーゴといい、小技の効いた着こなしは俺のイライラを駆り立てるにじゅうぶんだった。
「皆さん、今日はよろしくお願いします」
 五十棲の後方に控えていた五百旗頭が恭しくアタマを下げる。下前立てにチェックがチラッと見える黒いポロシャツはシンプルだけど、それなりのものだというのは俺にも分かる。ホワイトジーンズの醸す隙のない清潔さはイケメン度アップに腹立たしいくらい貢献しているし、肩から斜めに掛けられているワンショルダーバッグも癪に障るくらい小粋だ。
「お二人ともさわやかなコーディネイトですね。五十棲君のお召しになっているスラックスはストラップがいいアクセントになって野生的なシルエットをほどよくソフトにしてますし、五百旗頭君のポロシャツは裾のにさりげなく配置されたカシメボタンが中性的なイメージ作りにひと役買っていると思います。白いデニムととてもよく似合っていますよ」
 おしゃれご意見番と化した左衛門三郎のお嬢様が笑顔でコメントする。
 俺にはひとこともなかったくせにこの差はなんなんだろ。
「何かいいたそうですね、六反園君」
 含みのある左衛門三郎のお嬢様の言葉にシギヤが反応する。
「ロクちゃんすっごくおしゃれだよ」
 やめろ、やめてくれ。だいたい、ってなんだよ。
「七ツ役さんは本当に気配りできる方ですね」
「やさしい女子に囲まれて、うらやましいですなあ、六反園氏ィ!」
 左衛門三郎のお嬢様とキモヲタ一号の笑い声を惨めな思いで聞きながら、込み上げる怒りを必死に抑える。頼みの綱はナナミさんの笑顔と数時間後には拝めるであろう水着姿。
「おはよう、みんな早いのね」
 どこまでも透き通った、艶のあるその声は俺が待ち焦がれていた憧れの人のもの。
 白いキャミソールに生成りのショート丈カーディガンを羽織ったナナミさんがいつもの、いや、いつもより数十倍もやさしく美しい笑顔で佇んでいた。コバルトブルーがまぶしいティアードのミニスカートから伸びる御御足のその先は編み上げサンダルで仕上げられていた。その挑発的なコーディネイトは無駄に俺の心をかきむしる。
「ナ、」
「ナナミ殿、おはようございます!」
 俺がアタマの中で組み立て、何度も反芻した渾身の挨拶を遮り、90度のお辞儀でもってナナミさんを迎え入れたのは五十棲。
「おはよう。そのカーゴ、とっても似合ってる」
「ナナミ殿のお見立て、感謝いたします」
 どうやら、自慢の眼鏡のみならず服まで見立てて貰ったらしい。
 待ちに待ったナナミさんとのコミュニケーションを阻害された格好になった俺にさらに残念な現実が突きつけられる。
 そう、お気に入りのテレビ番組の真っ最中に現れる心底どうでもいいニュースのテロップみたいな、あるいはバラエティ番組で隅っこに表示される目障り極まりないワイプ画面の出演者のような煩わしさでもってそいつは唐突に顔を出した。
「おはようございます」
 レースのワンピースを着た羽二生がナナミさんの後ろから現われる。足元はナナミさんの編み上げサンダルとお揃いという周到さ。
 いや、なんでこいつが居るんだ。シギヤの電話では確か、
『ええとね、左衛門三郎さんと三苫さん、三次さんに』
 ここで三次の可愛げのない能面顔が浮かんで、
『……五百旗頭君と五十棲君……』
 と、ここで不参加が決まりかけて、
『アツミさんとお姉ちゃん』
 衝撃の参加者を知ることになったんだった。
 それともあのあと、こいつの異様な精度を誇るナナミさんレーダーが反応して、強引に入り込んできたとでもいうのだろうか。
「ちゃんと電話でいったよ」
 シギヤはそういうが、聞いた記憶はない。
「三次さんに羽二生さん・・・・・・、五百旗頭君、って」
 ……………。
 三次の名前や例の偽ナナミさんに気を取られてそこだけ抜け落ちてたか。まあ、こいつの参加の有無はこの際どうでもいいことだ。いないに越したことはないが、ナナミさんがいることが重要なのだ。
「みんな、おはよう」
 少し遅れて、今回の素晴らしい計画の発案者であるアツミさんが顔を覗かせる。
 大きめなリボンが可愛らしい半袖のブラウスとナナミさんと同じデザインっぽい黒いティアードスカートの清楚な組み合わせはアツミさんらしい。
「みんな若いわねー」
 女子たちの格好にアツミさんが感嘆する。アツミさんも若いんだし、そういういい方はやめて頂きたい。
 これで全員揃った。
 幹事たるアツミさんの音頭でホームに向かうときだった。
「いいわね、このカットソー。ドレープが素敵」
 やさしい声が耳元でした。
 やわらかい眼差しで俺を見つめていたのはナナミさん。

「首んとこがよれよれのそんなもん、恥ずかしいから着んな!」

 ドレープはこういうデザインだということを理解していないばあちゃんに何度怒られまくっても着続けた甲斐があるってもんだ。数分前、散々味わった屈辱感などもうどこかへ消し飛んでしまった。
 気のせいか、その瞳は潤んでいる気がする。
「………ナ、ナナミさん」
 さっと目の前から、愛しの女性が消え去る。
 気がつくと、羽二生がナナミさんの腕を取って、先を進んでいた。
 相変わらずのレズノっぷりにふたたびイライラが募りはじめる。
 いや、ペースを乱されてはいけない。今日は今年、いや人生最高の日になるかもしれないんだ。
 電車が着くまでの間、各々ベンチに腰掛けるのを見計らって、自販機へ向かう。
 ここからは俺のターンだ。
「みんな、なに飲む」
「おや、気が利きますな、六反園氏ィ」
 イラつく五十棲の声は無視して財布を取り出していると、アツミさんが近づいてきた。
「手伝うわよ」
「すみません」
 リクエスト内容はシギヤが飲むゼリー、左衛門三郎のお嬢様が無糖のストレートティー、三苫ちゃんがナタデココ飲料、五百旗頭と五十棲が激甘で有名なロング缶のコーヒーだった。三次はいらないときた。ほんと、可愛くねえ。
「ナナミさんはいつもの・・・・でいいですよね」
「ええ」
 羽二生を見やると、慌てるようにナナミさんと同じものといった。
 アツミさんと手分けして、所望のものを手渡していく。
「はい、ナナミさん」
 甘味料の入っていない缶コーヒーを手渡すと、それを認めた羽二生が噛みついてきた。
「ナナミさんが缶コーヒーなんて飲むわけないでしょう」
「ありがとう」
 ここぞとばかりに異議を申し立てている横で俺に礼を述べるナナミさんを唖然と見つめる羽二生の姿はなんとも心地いいものであった。
「お前はナナミさんと同じもの、だったよな」
 その手に缶コーヒーを乗せる。
「ナ、ナナミさん、缶コーヒーを飲まれるんですか」
「ええ」
 こいつがナナミさんの嗜好を把握し切れていないのは知っていた。女で缶コーヒー好きはいなくはないだろうが、めずらしいのも事実だ。少なくとも俺の周りじゃナナミさん以外で飲んでいる女は見かけたことがない。手軽に飲むとすればチルドタイプ、あとはお洒落なコーヒーショップで気心の知れた知人と駄弁りながら、が基本だろう。偏見を承知でいえば缶コーヒーなぞくたびれたおっさんのモノというのが一般的イメージだ。いや、そのおっさん連中ですら、最近じゃ安い上に挽きたてが売りのコンビニコーヒーに流れているというし、缶コーヒーを飲む層すら絶滅しかけているといってもいいだろう。ましてやナナミさんみたいな若くて美しい女性が口にするなんて希少にもほどがある。
 そういや、ナナミさんが缶コーヒーを愛飲している理由って聞いたことないな……まあ、それはともかく、お紅茶好きでコーヒーが苦手なお嬢さんが呆気に取られている様は気分がいいものであったが、今日は特別な日だ。意地悪もこの辺にしといてやろう。
「ほらよ」
 買っておいた紅茶と缶コーヒーを交換する。
 結果的にナナミさんと同じものを飲むことになるのは俺になる運命なのだ。
「やさしいのね、六反園君」
「いえいえ」
 羽二生にひと泡吹かせただけじゃなく、ナナミさんの好感度まで上げた勢いで粋なサプライズを実行に移す。
「ほれ」
 ベンチに座ることなく、左衛門三郎のお嬢様の後ろに無表情で突っ立っている三次にハレンチなくらい黄色が眩しいロング缶を手渡す。
「いらないといっただろう」
「いいから飲めよ」
「いらないお世話はやめろ」
 ほんッとうに可愛くねえ。しかし今日の俺は違う。
 その手にむりやり缶を握らせると、三次の肩を叩きながら、耳元で囁いてやる。
「五百旗頭のお気に入りだぞ」
「……!」
 それを見ていた五百旗頭が笑顔で話しかけてくる。
「僕たちは好きですが、女性はどうでしょうか。気に入っていただけるといいのですが」
 表情を崩さないよう、必死に抵抗を試みる三次を微笑ましく眺めながら、俺はその場をそっと離れた。

 ―――グッドラック、三次。
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