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拳塔町に行くの巻
覚醒
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「青兄、目を覚ましたよ」
うすい皮膚を通して感じられるまぶしさに目を瞬かせると、聞き覚えのある声が降ってきた。
「ここ、どこだ」
声の主に聞くが、返事が返ってこない。遠くでアイちゃん、アイちゃんと呼ぶ声が聞こえるから、あいつもここにいるようだ。俺が寝かされている革のソファー特有の匂いと皮膚に張りつく感触が混濁が抜け切らない視覚と意識にさらなる不快感を与える。
「あんちゃん、また悪さしたんだな」
仁王立ちしながら慈悲のかけらもない口調でそんなことをいう。最近じゃ背だけじゃなく、態度もデカい。ついでにサテンのキャミソールからはみ出さんばかりの胸もぐんぐん成長してきてさらに調子に乗ってる。桃姐の真似して下着みたいなショートパンツ穿きやがって、色気だけは一人前だ。
「悪さってなんだ。つうかまた、ってどういう意味だよ」
まだ部屋に充満している明かりに目が慣れないが、部屋の間取りや点在する調度品で赤湖の親父さんが持っている建物だと分かった。元々は事務所として貸していたものをもう何年前から俺たちのたまり場として使っている。赤湖はジムをここで開くつもりみたいだ。
「いったいどこであんなべっぴんさんと知り合ったんだじゃ」
いっている意味を理解するのに、しばらくかかる。確か俺は、あの岩場で缶チューハイ片手に物思いに耽っていて、そうしたらなぜかユウコ先生が現われて……。
「ユウコ先生がいるわけねえじゃ」
冷静な突っ込みに思わず胸が痛む。いや、それよりも俺はユウコ先生だとばっかり思ってた相手に恥ずかしいことを延々と話して……って、いってるうちにまた顔が熱くなってくる。
「あんちゃんどこにいったのかわかんねえから、電話したらばよ、聞いたことのねえきれいな声が聞こえたからびっくりしたんだじゃ」
「電話?」
「ん。したら、その人があんちゃんが気絶してるっていうから慌てて、アカネちゃんとふたりで駆けつけて、ここまで運んだんだ」
「駆けつけた、って俺がいた場所知ってたのか」
「電話の人が海岸の岩場にいるつったから、あそこしかねえってすぐに分かったんだ」
「なんでお前があの場所知ってるんだよ」
あのお気に入りの場所は誰にもいっていないはずなんだが。
「知ってるじゃ、あんちゃんがあそこ気に入ってるって。いつか恋人できたらあそこでデートしてエッチなことしようと企んでることもお見通しだ」
………なんだと。
「青兄、あんなにきれいな人と何してたの」
ノースリーブのブラウスを着たアカネちゃんがすさまじい顔でこちらを睨んでる。彼女も最近色気に目覚めたのか、スケスケのミニスカートなんて穿いてやがる。つか、なんで怒ってるんだよ。
「あんちゃん。ユウコ先生に似てたからって、やっていいことと悪いことがあるじゃ」
「何いってるんだよ、お前は」
小娘たちの詰問に混じって、微かに笑い声が聞こえた。すごく品のある、どこか懐かしささえ感じるそんな笑い声。
「ニノマエさん」
愚妹の声に思わず緊張が走る。
「お目覚めですか」
ユウコ先生によく似た、ボクシングがべらぼうに強い女が顔を覗き込む。光り輝いて見えるのは決して、バックに光源があるせいだけではないだろう。室内だと余計、彼女の纏っている半そでシャツの白さは目にまぶしかった。
「……ああ、あんたか」
「あんたか、じゃねえじゃ。ニノマエさんがいねがったらあんちゃん、あのままエッチ目的のお気に入りの岩場でぽっくり逝ってだがもしんねえんだぞ」
「……なんで俺、倒れたんだ」
なぜあそこにユウコ先生が現われたのか疑うこともせずに、そのユウコ先生によく似たニノマエナナミへの思いを、よりによってユウコ先生だと思い込んでたそのニノマエナナミ本人に披瀝してしまい、逃げるように立ち上がったら、世界が暗転してしまったんだ。
「その顔、どうせ桃姉ちゃんにしこたま殴られたんだろうけんど、そんな状態でアルコール飲んで、エッチなことしようとしたら、おかしくもなるじゃ」
アルコールっつても3パーのチューハイなんだが。
「アルコールはアルコールだ」
そういうと愚妹は半ケツを振りながらアカネちゃんと一緒に奥に引っ込んだ。何を作ってるのかさっきからいい匂いがする。
「可愛らしい妹さんですね」
ニノマエナナミが我が愚妹のアイを見やりながら笑う。お世辞の類じゃないのは分かるが、聞いててあまり気持ちはよくない。
「やめてくれよ。背丈だけじゃなく、生意気加減と色気まで日増しに大きくなっていく一方なんだぜ」
「すごいですね、アイさんのバスト」
「無駄に大きくてもな。限度ってものがあるだろ」
あんたぐらいのがちょうどいいんだ、といいかけて口をつぐむ。ニノマエナナミは気にもしないだろうが、やはり親しくもない女にセクハラまがいの発言はすべきじゃない。
「アカネさんはお友達の妹さんなんですね」
「ああ、あんたがノックアウトした赤湖のな」
皮肉のつもりはなかったが、ニノマエナナミの澄んだ瞳に一瞬、さざなみが立ったような気がした。
「悪い、あんたに含むところはねえよ。何度もいうがあいつはそれだけのことをしたんだ。むしろ友人としてあの一発で済ませてくれて感謝してるくらいだ。申し訳ない」
ニノマエナナミは微かにアタマを振ると、やさしいんですね、と目を潤ませた、気がした。
奥の部屋からアカネちゃんが顔だけ出してこっちを窺っている。まだ表情は険しい。
俺の視線にニノマエナナミもつられるように後方を振り返ったが、すでにアカネちゃんは引っ込んでいた。……なんなんだよ、ったく。
「アイさんとアカネさんも同級生なんですか」
「ああ。兄貴同士がそうだったからって訳じゃないけど、いつの間にかつるんでたな。逆にイベントで動き回ってた緑池と黄沼は姉貴同士が同級生でタメの桃姐と三バカならぬ三人の阿婆擦れつっうんで、三アバとかいわれてた。ゴルゴン三姉妹とか抜かしてぼこられてる奴もいたが」
無味乾燥な俺の話を初恋の人にそっくりなその女はときに上品な笑みを浮かべ、ときには頷きながら見守るように聞き入っていた。
「出来たじゃ」
愚妹が何かを持ってきた。この食欲をそそるスパイシーな香りは……。
「ニノマエさんがキンコンカンつうものを作ってくれたんだじゃ」
ゆっくりと起き上がりながら、謎の言葉の意味を必死に読み解こうとしていると、ニノマエナナミがチリコンカンですねと補足した。
「青川さんがホットドッグがお好きだと聞いたので作ってみたんです。家ではキャベツを千切りしてカレー粉で味付けしたものをよく作るんですが、チリコンカン、チリビーンズの材料がちょうど揃っていたので、こちらにしてみました」
「カレー味のキャベツの入ったホットドッグは俺も好きだな。小さい頃、旅行先の屋台で食べた記憶がある。あれは旨かった」
「……青兄、話合わせようとしてる」
いやらしい、とアカネちゃんが吐き捨てる。
「合わせてねえよ」
俺の抗議にアカネちゃんはふて腐れたように、チリドッグにかぶりついた。
「チリコンカンってはじめて食べたけど、おいしい」
アカネちゃんは素直に感激していた。
「おいしいじゃ」
愚妹も両手に持ちながら、交互にパクつき喜んでいる。
ニノマエナナミお手製のチリソースを敷き詰め、茹でたロングウインナと玉ねぎの微塵切りを乗せたチリドッグは食欲をそそる色合いで、なるほど実際、旨かった。チリビーンズの辛さとウインナと玉ねぎの食感がくせになりそうだ。
「気に入ってもらえたようで何よりです」
一心不乱にチリドッグをパクつく俺たちをうれしそうに眺めるニノマエナナミはいいお母さんだった。
「あんちゃん、ニノマエさんに見とれてるじゃ」
「青兄、なに考えてるの」
思わずむせる。気管に入ったのかモノがモノだけに痛い。小娘コンビの冷ややかな視線とニノマエナナミの笑みから逃げるように背を向けた。
「ごまかしてるじゃ」
「うるせえ」
チリドッグを詰め込むと、旨さをじっくり楽しむことなく、一気に嚥下した。我が愚妹のいう通り、すべてをごまかすように――。
うすい皮膚を通して感じられるまぶしさに目を瞬かせると、聞き覚えのある声が降ってきた。
「ここ、どこだ」
声の主に聞くが、返事が返ってこない。遠くでアイちゃん、アイちゃんと呼ぶ声が聞こえるから、あいつもここにいるようだ。俺が寝かされている革のソファー特有の匂いと皮膚に張りつく感触が混濁が抜け切らない視覚と意識にさらなる不快感を与える。
「あんちゃん、また悪さしたんだな」
仁王立ちしながら慈悲のかけらもない口調でそんなことをいう。最近じゃ背だけじゃなく、態度もデカい。ついでにサテンのキャミソールからはみ出さんばかりの胸もぐんぐん成長してきてさらに調子に乗ってる。桃姐の真似して下着みたいなショートパンツ穿きやがって、色気だけは一人前だ。
「悪さってなんだ。つうかまた、ってどういう意味だよ」
まだ部屋に充満している明かりに目が慣れないが、部屋の間取りや点在する調度品で赤湖の親父さんが持っている建物だと分かった。元々は事務所として貸していたものをもう何年前から俺たちのたまり場として使っている。赤湖はジムをここで開くつもりみたいだ。
「いったいどこであんなべっぴんさんと知り合ったんだじゃ」
いっている意味を理解するのに、しばらくかかる。確か俺は、あの岩場で缶チューハイ片手に物思いに耽っていて、そうしたらなぜかユウコ先生が現われて……。
「ユウコ先生がいるわけねえじゃ」
冷静な突っ込みに思わず胸が痛む。いや、それよりも俺はユウコ先生だとばっかり思ってた相手に恥ずかしいことを延々と話して……って、いってるうちにまた顔が熱くなってくる。
「あんちゃんどこにいったのかわかんねえから、電話したらばよ、聞いたことのねえきれいな声が聞こえたからびっくりしたんだじゃ」
「電話?」
「ん。したら、その人があんちゃんが気絶してるっていうから慌てて、アカネちゃんとふたりで駆けつけて、ここまで運んだんだ」
「駆けつけた、って俺がいた場所知ってたのか」
「電話の人が海岸の岩場にいるつったから、あそこしかねえってすぐに分かったんだ」
「なんでお前があの場所知ってるんだよ」
あのお気に入りの場所は誰にもいっていないはずなんだが。
「知ってるじゃ、あんちゃんがあそこ気に入ってるって。いつか恋人できたらあそこでデートしてエッチなことしようと企んでることもお見通しだ」
………なんだと。
「青兄、あんなにきれいな人と何してたの」
ノースリーブのブラウスを着たアカネちゃんがすさまじい顔でこちらを睨んでる。彼女も最近色気に目覚めたのか、スケスケのミニスカートなんて穿いてやがる。つか、なんで怒ってるんだよ。
「あんちゃん。ユウコ先生に似てたからって、やっていいことと悪いことがあるじゃ」
「何いってるんだよ、お前は」
小娘たちの詰問に混じって、微かに笑い声が聞こえた。すごく品のある、どこか懐かしささえ感じるそんな笑い声。
「ニノマエさん」
愚妹の声に思わず緊張が走る。
「お目覚めですか」
ユウコ先生によく似た、ボクシングがべらぼうに強い女が顔を覗き込む。光り輝いて見えるのは決して、バックに光源があるせいだけではないだろう。室内だと余計、彼女の纏っている半そでシャツの白さは目にまぶしかった。
「……ああ、あんたか」
「あんたか、じゃねえじゃ。ニノマエさんがいねがったらあんちゃん、あのままエッチ目的のお気に入りの岩場でぽっくり逝ってだがもしんねえんだぞ」
「……なんで俺、倒れたんだ」
なぜあそこにユウコ先生が現われたのか疑うこともせずに、そのユウコ先生によく似たニノマエナナミへの思いを、よりによってユウコ先生だと思い込んでたそのニノマエナナミ本人に披瀝してしまい、逃げるように立ち上がったら、世界が暗転してしまったんだ。
「その顔、どうせ桃姉ちゃんにしこたま殴られたんだろうけんど、そんな状態でアルコール飲んで、エッチなことしようとしたら、おかしくもなるじゃ」
アルコールっつても3パーのチューハイなんだが。
「アルコールはアルコールだ」
そういうと愚妹は半ケツを振りながらアカネちゃんと一緒に奥に引っ込んだ。何を作ってるのかさっきからいい匂いがする。
「可愛らしい妹さんですね」
ニノマエナナミが我が愚妹のアイを見やりながら笑う。お世辞の類じゃないのは分かるが、聞いててあまり気持ちはよくない。
「やめてくれよ。背丈だけじゃなく、生意気加減と色気まで日増しに大きくなっていく一方なんだぜ」
「すごいですね、アイさんのバスト」
「無駄に大きくてもな。限度ってものがあるだろ」
あんたぐらいのがちょうどいいんだ、といいかけて口をつぐむ。ニノマエナナミは気にもしないだろうが、やはり親しくもない女にセクハラまがいの発言はすべきじゃない。
「アカネさんはお友達の妹さんなんですね」
「ああ、あんたがノックアウトした赤湖のな」
皮肉のつもりはなかったが、ニノマエナナミの澄んだ瞳に一瞬、さざなみが立ったような気がした。
「悪い、あんたに含むところはねえよ。何度もいうがあいつはそれだけのことをしたんだ。むしろ友人としてあの一発で済ませてくれて感謝してるくらいだ。申し訳ない」
ニノマエナナミは微かにアタマを振ると、やさしいんですね、と目を潤ませた、気がした。
奥の部屋からアカネちゃんが顔だけ出してこっちを窺っている。まだ表情は険しい。
俺の視線にニノマエナナミもつられるように後方を振り返ったが、すでにアカネちゃんは引っ込んでいた。……なんなんだよ、ったく。
「アイさんとアカネさんも同級生なんですか」
「ああ。兄貴同士がそうだったからって訳じゃないけど、いつの間にかつるんでたな。逆にイベントで動き回ってた緑池と黄沼は姉貴同士が同級生でタメの桃姐と三バカならぬ三人の阿婆擦れつっうんで、三アバとかいわれてた。ゴルゴン三姉妹とか抜かしてぼこられてる奴もいたが」
無味乾燥な俺の話を初恋の人にそっくりなその女はときに上品な笑みを浮かべ、ときには頷きながら見守るように聞き入っていた。
「出来たじゃ」
愚妹が何かを持ってきた。この食欲をそそるスパイシーな香りは……。
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「……青兄、話合わせようとしてる」
いやらしい、とアカネちゃんが吐き捨てる。
「合わせてねえよ」
俺の抗議にアカネちゃんはふて腐れたように、チリドッグにかぶりついた。
「チリコンカンってはじめて食べたけど、おいしい」
アカネちゃんは素直に感激していた。
「おいしいじゃ」
愚妹も両手に持ちながら、交互にパクつき喜んでいる。
ニノマエナナミお手製のチリソースを敷き詰め、茹でたロングウインナと玉ねぎの微塵切りを乗せたチリドッグは食欲をそそる色合いで、なるほど実際、旨かった。チリビーンズの辛さとウインナと玉ねぎの食感がくせになりそうだ。
「気に入ってもらえたようで何よりです」
一心不乱にチリドッグをパクつく俺たちをうれしそうに眺めるニノマエナナミはいいお母さんだった。
「あんちゃん、ニノマエさんに見とれてるじゃ」
「青兄、なに考えてるの」
思わずむせる。気管に入ったのかモノがモノだけに痛い。小娘コンビの冷ややかな視線とニノマエナナミの笑みから逃げるように背を向けた。
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