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勇者様は無気力になった様です
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「もういいや なんか疲れた」
その言葉が周囲に虚しく響き渡る。その場にいた全員が唖然とした。
私の名前はアリシア
聖光教会に属する僧侶だ。幼くして両親を魔族に殺された私は、教会に引き取られそこで育った。様々教えを受け、魔族の非道さを知り、私の魔族への復讐心は一層に増していった。
魔族さえこの世からいなくなれば、平和な世界が訪れる。この世を平和な世界にしたい。その一心で、私は必死に修行をし、女ながらも、教会最高の聖法術使いとなり、歴代最高の勇者と言われるレオンの一行に加わることができた。
数々の苦難と仲間の死を乗り越え、魔王城に乗り込み、魔王をついに追い詰めた。魔王はもはや虫の息。反撃する力もない
しかし、今まさに魔王にとどめの一撃が出されようとした瞬間に、勇者レオンが狂言をいいだした。
「もういいや、なんか疲れた。」
そう一言いうと、勇者はレオンは、魔王に向けた剣を自分の鞘に収めた。
その場にいた全員が、唖然とした。私も、仲間たちも、魔王でさえも
今ここで何が起こっているのか、勇者は何かの魔術にでもかかっているのだろうか
「れ…、レオン、いったい、どうしたというのです。あと一歩というところで、もう、とどめをさすだけなんですよ」
私は、困惑ながらも、勇者レオンに魔王へのとどめを進言した。
「だからさぁ、なんか、違う気がすんだよなぁ、あと、なんかめんどい」
そう言ったレオンの顔は疲労感というか、無気力というか、目から光が消えていた。
「ふっ、ふざけるな!!」
私は声を荒げて叫んだ。
「ここで、仇をとらないで、どうする! 死んだ仲間や、私の父と母の魂はどこへいく!?」
私は息を切らして、レオンの胸ぐらに食らいつく。顔が熱くなり、涙が止まらない。こんなやつを信じてついてきた自分が許せなかった。
「貴様、それでも勇者か!」
「勇者ねぇ、まあ、そうだな。ただ、ここでこいつ(魔王)を倒しても、また、同じことの繰り返しな気がするんだよなぁ」
頭をポリポリとかきながら、気だるそうにそう言い放つ勇者。
「魔王、お前もどうせ俺にやられたら、どうせ…
光あるところに影あり、我の意志を継ぐものがいずれこの世界を闇に覆うだろう
とかいいだすんだろ? 正直同じことの繰り返しだしなぁ。一時だけの平和ななんて意味あんのかなぁって…」
今度は魔王に向かって、暴言を言い出す勇者。いや、もはやこいつは勇者ではない。
ただの愚か者だ。
「どけ!、レオン!お前がやらないなら、私がやる!」
そう言って、私は目の前の男を押し退けた。
聖法杖に聖光気を込める。杖の先に光が満ちる。これだけの聖光気でも、今の魔王なら倒せる。私の頭の中に死んでいった仲間や、父と母の顔が浮かぶ。
やっと終わるよ…みんな…
「滅びよ!魔族の王よ!」
発声とともに、気力を込めた聖法術を撃ち放った。光の弾丸が、魔王めがけて放たれ、着弾と同時に光の爆発を起こす。
辺りは、煙に包まれた。
「終わった…。これでやっと、平和が訪れる。やっと、祖国の地を踏むことができる」
魔王軍の侵略で祖国を追われた私はついに夢を叶えることができる。体の力がスッと抜けて、私は地面に、崩れ落ちた。目に涙が溢れて手で多い隠した。
仲間も私を祝福してくれた。一番の仲良しのアイラは私を抱きしめて一緒に涙がしてくれた。
これで終わったんだ…
「まだ、祖国の地を踏むのは待ってくれねぇか?」
レオンの声が、煙の中から聞こえる。
私たちは、眼前を見て驚いた。煙が消えていくとともに2人の人間らしきものの姿が見えたからだ。
1人はレオン…
そしてもう1人をみて全員が自分の目を疑った。
「まっ…魔王! 貴様なぜ生きている!?
まさか、レオン貴様!魔王を守ったというのか!」
「貴様一体何をしたか、わかっているのか、これは私たちに対する裏切りだぞ!」
私はレオンを糾弾した。こいつは一体何がしたいのだ。私たちは訳も分からず、目の前の勇者だった男の裏切りに絶望した。
「だからさぁ、女の子が、そういう言葉使い良くないって。時々、素が出るよな。お前って」
呆れたように、いつものあっけらかんとした調子で言うレオン。
旅の途中でも、こいつの天真爛漫な姿は何度も見てきた。それは、暗い旅の中でも、辛い時でも、いつも沈んだ気持ちの私達を元気づけてくれた。
だが、今回は別だ。魔王を助けて、平然とした態度。こいつは一体なんなのだ。何が目的なのだ。
そして、魔王はさらに言葉を続けた。それは天真爛漫というよりも、もはや支離滅裂といった類の発言だった。
「なぁ、魔王。俺たちと一緒に来ねぇか?」
その場にいたレオンを除く全員が凍りついた
その言葉が周囲に虚しく響き渡る。その場にいた全員が唖然とした。
私の名前はアリシア
聖光教会に属する僧侶だ。幼くして両親を魔族に殺された私は、教会に引き取られそこで育った。様々教えを受け、魔族の非道さを知り、私の魔族への復讐心は一層に増していった。
魔族さえこの世からいなくなれば、平和な世界が訪れる。この世を平和な世界にしたい。その一心で、私は必死に修行をし、女ながらも、教会最高の聖法術使いとなり、歴代最高の勇者と言われるレオンの一行に加わることができた。
数々の苦難と仲間の死を乗り越え、魔王城に乗り込み、魔王をついに追い詰めた。魔王はもはや虫の息。反撃する力もない
しかし、今まさに魔王にとどめの一撃が出されようとした瞬間に、勇者レオンが狂言をいいだした。
「もういいや、なんか疲れた。」
そう一言いうと、勇者はレオンは、魔王に向けた剣を自分の鞘に収めた。
その場にいた全員が、唖然とした。私も、仲間たちも、魔王でさえも
今ここで何が起こっているのか、勇者は何かの魔術にでもかかっているのだろうか
「れ…、レオン、いったい、どうしたというのです。あと一歩というところで、もう、とどめをさすだけなんですよ」
私は、困惑ながらも、勇者レオンに魔王へのとどめを進言した。
「だからさぁ、なんか、違う気がすんだよなぁ、あと、なんかめんどい」
そう言ったレオンの顔は疲労感というか、無気力というか、目から光が消えていた。
「ふっ、ふざけるな!!」
私は声を荒げて叫んだ。
「ここで、仇をとらないで、どうする! 死んだ仲間や、私の父と母の魂はどこへいく!?」
私は息を切らして、レオンの胸ぐらに食らいつく。顔が熱くなり、涙が止まらない。こんなやつを信じてついてきた自分が許せなかった。
「貴様、それでも勇者か!」
「勇者ねぇ、まあ、そうだな。ただ、ここでこいつ(魔王)を倒しても、また、同じことの繰り返しな気がするんだよなぁ」
頭をポリポリとかきながら、気だるそうにそう言い放つ勇者。
「魔王、お前もどうせ俺にやられたら、どうせ…
光あるところに影あり、我の意志を継ぐものがいずれこの世界を闇に覆うだろう
とかいいだすんだろ? 正直同じことの繰り返しだしなぁ。一時だけの平和ななんて意味あんのかなぁって…」
今度は魔王に向かって、暴言を言い出す勇者。いや、もはやこいつは勇者ではない。
ただの愚か者だ。
「どけ!、レオン!お前がやらないなら、私がやる!」
そう言って、私は目の前の男を押し退けた。
聖法杖に聖光気を込める。杖の先に光が満ちる。これだけの聖光気でも、今の魔王なら倒せる。私の頭の中に死んでいった仲間や、父と母の顔が浮かぶ。
やっと終わるよ…みんな…
「滅びよ!魔族の王よ!」
発声とともに、気力を込めた聖法術を撃ち放った。光の弾丸が、魔王めがけて放たれ、着弾と同時に光の爆発を起こす。
辺りは、煙に包まれた。
「終わった…。これでやっと、平和が訪れる。やっと、祖国の地を踏むことができる」
魔王軍の侵略で祖国を追われた私はついに夢を叶えることができる。体の力がスッと抜けて、私は地面に、崩れ落ちた。目に涙が溢れて手で多い隠した。
仲間も私を祝福してくれた。一番の仲良しのアイラは私を抱きしめて一緒に涙がしてくれた。
これで終わったんだ…
「まだ、祖国の地を踏むのは待ってくれねぇか?」
レオンの声が、煙の中から聞こえる。
私たちは、眼前を見て驚いた。煙が消えていくとともに2人の人間らしきものの姿が見えたからだ。
1人はレオン…
そしてもう1人をみて全員が自分の目を疑った。
「まっ…魔王! 貴様なぜ生きている!?
まさか、レオン貴様!魔王を守ったというのか!」
「貴様一体何をしたか、わかっているのか、これは私たちに対する裏切りだぞ!」
私はレオンを糾弾した。こいつは一体何がしたいのだ。私たちは訳も分からず、目の前の勇者だった男の裏切りに絶望した。
「だからさぁ、女の子が、そういう言葉使い良くないって。時々、素が出るよな。お前って」
呆れたように、いつものあっけらかんとした調子で言うレオン。
旅の途中でも、こいつの天真爛漫な姿は何度も見てきた。それは、暗い旅の中でも、辛い時でも、いつも沈んだ気持ちの私達を元気づけてくれた。
だが、今回は別だ。魔王を助けて、平然とした態度。こいつは一体なんなのだ。何が目的なのだ。
そして、魔王はさらに言葉を続けた。それは天真爛漫というよりも、もはや支離滅裂といった類の発言だった。
「なぁ、魔王。俺たちと一緒に来ねぇか?」
その場にいたレオンを除く全員が凍りついた
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