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第十五章 階段を上る
第163話 チュートリアル:十八歳だから――
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「――ハッピバースデートゥーユー! ハッピバースデーディア萌えええええ!! ハッピバースデートゥウウーユーーー」
「ッフ!!」
「おめでとーーーーう!!」
パチパチと瀬那が精一杯拍手してくれる。
『チュートリアル:彼女に誕生日を祝われよう』
『チュートリアルクリア』
『クリア報酬:体力+』
このオレンジ豆電球の明るさのみのリビングで、俺は一息でケーキに刺さった十八本の蝋燭の火を消した。我ながらご機嫌な肺活量だ。
パタパタと歩いた瀬那がリビングの明りを点けた。
その間に蠟燭を取り、ケーキナイフを手に取り八等分に切り分けた。
「萌って意外と器用だよねぇ。私だったら綺麗に切り分けられない」
「まぁ一人暮らし長いし、一人寂しくケーキ切ってたんだ……」
「可哀そう……」
瀬那が可哀想な眼で俺を見る。
「勘違いしないで。スーパーで安くなった小さいホールケーキにハマってた時期があったんだよ。別に誕生日ケーキがーとかじゃ無いから」
「なぁんだ。心配して損した」
「いや俺にも祝ってくれる友達がいるし……」
そんな会話をしながら切り分けたケーキを皿に移す作業をしていると。
「今は可愛い彼女もよ」
少し抑え目なこのトーンでそう言った瀬那。おもわず切り分けるケーキから俺の視線は瀬那に向いた。
学校では指定のジャージ姿をよく見るし、デートでの服装は季節に合わせたファッション。でも俺の誕生日という今日のこの日。よくよく見ると普段より気合いの入った瀬那の姿が見えた。
「正直言っていい?」
「うん。なに」
「好きです」
「知ってるーーえへへ!」
照れる瀬那。その顔に俺も笑顔になり、取り分けたケーキを渡して手を合わせた。
「「いただきます!!」」
このケーキは我が家の仙人であるリャンリャンが今朝買って来た物だ。二人きりで過ごす誕生日。それに配慮してか小さめなホールケーキだ。ちなみにショートケーキ。真ん中に添えらた「ハッピーバースデー萌」「18歳」と書かれたチョコはナイフでカット。瀬那に少し多めにチョコを渡してある。
「ン~おいしー!」
「うまい! うまい!」
予想以上の美味さにガツガツと頬張る俺たち。
「ビュオー!」
瀬那がピンクの悪魔になってあっという間に平らげた。つか俺の分も平らげた。まぁ美味しそうに食べるからあげたケーキだけど。
ケーキを平らげ机の上を片付けると、瀬那がソワソワしながら持って来た。
「じゃーん! これプレゼント!!」
「ありがとう!」
手渡された紙袋。その中には包装された箱が入っていた。
「開けていい?」
「う、うん」
興奮のあまり手が震える俺。その手で丁寧に開封していくと、中から手触りの良い箱が。開ける。
「……これは、名入れのキーホルダー? しかもペアじゃん!!」
「エヘヘー」
グレーのわんちゃん。ピンクのわんちゃん。それぞれの体に『HAJIME』『SENA』と書かれていて、机に向かい合って立たせるとわんちゃんの鼻と口部分が磁石で合体。キスする構造になっていた。
「二人の心を繋ぐキーホルダーだよ」
「あー^たまらねぇ……。俺マジで嬉しい……」
俺があげたプレゼントは瀬那好みのリップグロスで喜んでくれたけど、大好きな人から貰うプレゼントはこうも気持ちを高ぶらせてくるか。
彼女から貰うプレゼント最高かよぉ。マジで嬉しくて抱き着きたい。つか抱き着こう!
「瀬那ああああああ!!」
「キャーーーーー」
俺は感極まって瀬那に抱き着いた。勇次郎が江珠に抱き着いたほどではないにしろ、俺の大好きオーラを送るくらい優しく抱き着いた。
抱き寄せてくるりくるりと回転。そっと二人でソファに座った。
それから二人寄り添いながらテレビを見る。
別に見たい番組がある訳じゃない。ただ、音が欲しかった。
俺の心の高鳴りが聞こえない様に。
「……」
《いやなんでやねん! アッハッハッハ――》
バラエティー番組を見て心を落ち着かせようとしたけど効果なし。ドキドキは止まらないしテレビのギャグも笑えない。
笑えないのは同じ意見だと言わんばかりの無言の瀬那。俺の肩に頭を傾かせ、手を絡ませて恋人つなぎをしている。
「瀬那はさ、今日何時に起きたの……」
「んー? 八時くらいかなぁ」
「ふーん。そうなんだぁ……」
何か話題が無いかと考えた末に出た質問。淡々と答えた瀬那に俺は何とも気が抜けた感想を言ってしまった。
時間は二十一時を回り、珍しくロードショウが放映されている。
《ンーまッ。いってらっしゃい》
《ああ、行ってくるよ》
アメリカでキスは挨拶とよく言ったもんだと思う映画だ。なんかキスシーンが多いように思える。いや、多い。確実に。
手汗が滲み出てきそうな程握っている手。ホントは汗でてるけど、今日この日に俺は言えないでいた。ある言葉を。
《あなた……》
《君は誰よりも綺麗だ……》
ふと、ある物が俺の目についた。
それは瀬那がくれたプレゼント。ペアキーホルダーのわんちゃん達だ。
俺が嬉しくて抱き着いた時も、二人でテレビ見てる時も、今、こうしてる時も、この二匹はずっと唇を重ねていた。
それを見たからなのか――
「瀬那――」
「なに――」
「キスしていい――」
――少しだけ勇気が出た。
「――」
ゆっくりと肩から離れた瀬那。潤んだ瞳が俺を覗き、そっと顔を近づけてきた。
「――んん」
顎を持ち上げ優しく触れる様に唇を重ねる。最初は急かす様に早めに重ね、二回目は少しだけ唇をほぐして。三回目は唾む様に。
「――ちゅる――んん――ん――ちゅ――」
しだいに熱を帯びた俺たちは口を少しだけ開け、舌先から絡ませる。
触れた舌先に感じる熱。舌先から徐々に奥に奥にと求める様になり、互いの唾液も絡まって粘膜の音がリビングに響き始めた。
舌を吸い合う時には互いの鼻息が乱れ、一心不乱に求めあう。
「はあ、はあ――ンン――ちゅぱ――ん――」
舌の下をなぞるほど濃密に求めあう。その時、瀬那が俺の手を握って、服の下から自分の胸へ持って行った。
「ンン――ぁああ――んんん――ぁ――」
キスをしながらまさぐる。あまりにも大きく柔らかなそれ。優しく触るとおのずと弱点に触れ、瀬那が喘ぐ。
しばらくまさぐった後、俺たちは息継ぎのために一旦キスを中断した。
「はあ、はあ、はあ、はあ――」
「瀬那、……かわいい」
「はあ、っく、知ってるしッはあ――」
互いの口まわりは唾液でべとべと。
ここで俺は次元ポケットを展開。
中からある物を取り出した。
「これ、一緒に飲もう」
それはスペシャルギフトで貰った物。
「かわいい小瓶。ッなにそれ」
ハートマークのキャップの小瓶。息を整える瀬那が質問した。
「媚薬だよ。徐々に効いてきてこれ飲むと凄く――」
「ッッ~~」ゴクゴク
「え、え、え?」
「――プハァ!」
迷わず手に取り瀬那は飲み干した。
驚きはしたものの俺も媚薬を飲む。
「――ンク」
それからはまたキスが再開され。
「――ちゅ――ちゅる――ンン――」
俺はTシャツを脱いで上半身裸になり。
「――ンン――」
瀬那も服を脱いで黒のブラジャーを俺に見せた。
興奮を抑えきれない俺は瀬那とキスした状態で抱き寄せお姫様抱っこ。
脱ぎ捨てられた衣類がリビングに散乱。
「はじめぇ! すきぃ!!」
「俺も好きだ!!」
そのまま寝室へ行き、ドアを締めなかった部屋から廊下に二人の下着が投げられる。封じていた欲を解き放ち互いの初めてを破るのでった。
「ッフ!!」
「おめでとーーーーう!!」
パチパチと瀬那が精一杯拍手してくれる。
『チュートリアル:彼女に誕生日を祝われよう』
『チュートリアルクリア』
『クリア報酬:体力+』
このオレンジ豆電球の明るさのみのリビングで、俺は一息でケーキに刺さった十八本の蝋燭の火を消した。我ながらご機嫌な肺活量だ。
パタパタと歩いた瀬那がリビングの明りを点けた。
その間に蠟燭を取り、ケーキナイフを手に取り八等分に切り分けた。
「萌って意外と器用だよねぇ。私だったら綺麗に切り分けられない」
「まぁ一人暮らし長いし、一人寂しくケーキ切ってたんだ……」
「可哀そう……」
瀬那が可哀想な眼で俺を見る。
「勘違いしないで。スーパーで安くなった小さいホールケーキにハマってた時期があったんだよ。別に誕生日ケーキがーとかじゃ無いから」
「なぁんだ。心配して損した」
「いや俺にも祝ってくれる友達がいるし……」
そんな会話をしながら切り分けたケーキを皿に移す作業をしていると。
「今は可愛い彼女もよ」
少し抑え目なこのトーンでそう言った瀬那。おもわず切り分けるケーキから俺の視線は瀬那に向いた。
学校では指定のジャージ姿をよく見るし、デートでの服装は季節に合わせたファッション。でも俺の誕生日という今日のこの日。よくよく見ると普段より気合いの入った瀬那の姿が見えた。
「正直言っていい?」
「うん。なに」
「好きです」
「知ってるーーえへへ!」
照れる瀬那。その顔に俺も笑顔になり、取り分けたケーキを渡して手を合わせた。
「「いただきます!!」」
このケーキは我が家の仙人であるリャンリャンが今朝買って来た物だ。二人きりで過ごす誕生日。それに配慮してか小さめなホールケーキだ。ちなみにショートケーキ。真ん中に添えらた「ハッピーバースデー萌」「18歳」と書かれたチョコはナイフでカット。瀬那に少し多めにチョコを渡してある。
「ン~おいしー!」
「うまい! うまい!」
予想以上の美味さにガツガツと頬張る俺たち。
「ビュオー!」
瀬那がピンクの悪魔になってあっという間に平らげた。つか俺の分も平らげた。まぁ美味しそうに食べるからあげたケーキだけど。
ケーキを平らげ机の上を片付けると、瀬那がソワソワしながら持って来た。
「じゃーん! これプレゼント!!」
「ありがとう!」
手渡された紙袋。その中には包装された箱が入っていた。
「開けていい?」
「う、うん」
興奮のあまり手が震える俺。その手で丁寧に開封していくと、中から手触りの良い箱が。開ける。
「……これは、名入れのキーホルダー? しかもペアじゃん!!」
「エヘヘー」
グレーのわんちゃん。ピンクのわんちゃん。それぞれの体に『HAJIME』『SENA』と書かれていて、机に向かい合って立たせるとわんちゃんの鼻と口部分が磁石で合体。キスする構造になっていた。
「二人の心を繋ぐキーホルダーだよ」
「あー^たまらねぇ……。俺マジで嬉しい……」
俺があげたプレゼントは瀬那好みのリップグロスで喜んでくれたけど、大好きな人から貰うプレゼントはこうも気持ちを高ぶらせてくるか。
彼女から貰うプレゼント最高かよぉ。マジで嬉しくて抱き着きたい。つか抱き着こう!
「瀬那ああああああ!!」
「キャーーーーー」
俺は感極まって瀬那に抱き着いた。勇次郎が江珠に抱き着いたほどではないにしろ、俺の大好きオーラを送るくらい優しく抱き着いた。
抱き寄せてくるりくるりと回転。そっと二人でソファに座った。
それから二人寄り添いながらテレビを見る。
別に見たい番組がある訳じゃない。ただ、音が欲しかった。
俺の心の高鳴りが聞こえない様に。
「……」
《いやなんでやねん! アッハッハッハ――》
バラエティー番組を見て心を落ち着かせようとしたけど効果なし。ドキドキは止まらないしテレビのギャグも笑えない。
笑えないのは同じ意見だと言わんばかりの無言の瀬那。俺の肩に頭を傾かせ、手を絡ませて恋人つなぎをしている。
「瀬那はさ、今日何時に起きたの……」
「んー? 八時くらいかなぁ」
「ふーん。そうなんだぁ……」
何か話題が無いかと考えた末に出た質問。淡々と答えた瀬那に俺は何とも気が抜けた感想を言ってしまった。
時間は二十一時を回り、珍しくロードショウが放映されている。
《ンーまッ。いってらっしゃい》
《ああ、行ってくるよ》
アメリカでキスは挨拶とよく言ったもんだと思う映画だ。なんかキスシーンが多いように思える。いや、多い。確実に。
手汗が滲み出てきそうな程握っている手。ホントは汗でてるけど、今日この日に俺は言えないでいた。ある言葉を。
《あなた……》
《君は誰よりも綺麗だ……》
ふと、ある物が俺の目についた。
それは瀬那がくれたプレゼント。ペアキーホルダーのわんちゃん達だ。
俺が嬉しくて抱き着いた時も、二人でテレビ見てる時も、今、こうしてる時も、この二匹はずっと唇を重ねていた。
それを見たからなのか――
「瀬那――」
「なに――」
「キスしていい――」
――少しだけ勇気が出た。
「――」
ゆっくりと肩から離れた瀬那。潤んだ瞳が俺を覗き、そっと顔を近づけてきた。
「――んん」
顎を持ち上げ優しく触れる様に唇を重ねる。最初は急かす様に早めに重ね、二回目は少しだけ唇をほぐして。三回目は唾む様に。
「――ちゅる――んん――ん――ちゅ――」
しだいに熱を帯びた俺たちは口を少しだけ開け、舌先から絡ませる。
触れた舌先に感じる熱。舌先から徐々に奥に奥にと求める様になり、互いの唾液も絡まって粘膜の音がリビングに響き始めた。
舌を吸い合う時には互いの鼻息が乱れ、一心不乱に求めあう。
「はあ、はあ――ンン――ちゅぱ――ん――」
舌の下をなぞるほど濃密に求めあう。その時、瀬那が俺の手を握って、服の下から自分の胸へ持って行った。
「ンン――ぁああ――んんん――ぁ――」
キスをしながらまさぐる。あまりにも大きく柔らかなそれ。優しく触るとおのずと弱点に触れ、瀬那が喘ぐ。
しばらくまさぐった後、俺たちは息継ぎのために一旦キスを中断した。
「はあ、はあ、はあ、はあ――」
「瀬那、……かわいい」
「はあ、っく、知ってるしッはあ――」
互いの口まわりは唾液でべとべと。
ここで俺は次元ポケットを展開。
中からある物を取り出した。
「これ、一緒に飲もう」
それはスペシャルギフトで貰った物。
「かわいい小瓶。ッなにそれ」
ハートマークのキャップの小瓶。息を整える瀬那が質問した。
「媚薬だよ。徐々に効いてきてこれ飲むと凄く――」
「ッッ~~」ゴクゴク
「え、え、え?」
「――プハァ!」
迷わず手に取り瀬那は飲み干した。
驚きはしたものの俺も媚薬を飲む。
「――ンク」
それからはまたキスが再開され。
「――ちゅ――ちゅる――ンン――」
俺はTシャツを脱いで上半身裸になり。
「――ンン――」
瀬那も服を脱いで黒のブラジャーを俺に見せた。
興奮を抑えきれない俺は瀬那とキスした状態で抱き寄せお姫様抱っこ。
脱ぎ捨てられた衣類がリビングに散乱。
「はじめぇ! すきぃ!!」
「俺も好きだ!!」
そのまま寝室へ行き、ドアを締めなかった部屋から廊下に二人の下着が投げられる。封じていた欲を解き放ち互いの初めてを破るのでった。
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