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第二十章 漏れ出す者
第262話 チュートリアル:俺たち要る?
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まるで世界全体が轟いた感覚。地響きが四方八方から鳴り響き、足元から伝わる止めどない揺れが攻略者たちの走りを促していた。
米粒程に見えていたスタンピードの蠢く影。それが次第に大群のモンスターというハッキリとした形に見えてくると、少なからず臆してしまうのは仕方が無かった。
しかしどうだろうか。
前を見れば見方が走り、横を見れば仲間が共に歩幅を合わせ、後ろに感じる気配は頼られる視線。
一人一人がそれを感じ、臆する心持より奮起が止まなかった。
「――!?」
最初にアクションがあったのは他でもない。
敵陣中央付近からまたもや力の塊――魔法攻撃が浮かび上がった。
「ギイイィイ!!」
別個体のオーガメイジによる魔法攻撃。それがグワリと鈍い音を立ててゆっくりと落ちてくる。
再び現れた特大魔法。ならば先ほどと同じく日本最強の彼女がオーバーヘッドキックをかましてカウンターをしてくれる。
そんな期待を孕んでいないとは言い切れない。
だがしかし、今は走っている。敵に迫っている。
後戻りはできない。後戻りはする気はない。
彼らは攻略者。彼女らは攻略者。
座して死を待つよりは、出て活路を見出さん。
つまりは。
「同じ手が通じると思うかよ!!」
「オラオラオラァ!!」
防御を選ぶほど彼らは甘くない。
「迎撃用意ッ!!」
ここで魔法、魔術等々を得意とするサークルが走りながらも一斉に陣を展開。
二重三重。否が応でも陣が重なるのは共に前へと進んでいる証拠に他ならない。
「――ファイアボール!!」
「ライトニング!!」
「エアカッター!!」
「アクアバレット!!」
「轟火球!!」
「ダブルレーザー!!」
炎が、雷が、風が、水が、焔が、光子が、十や二十を通り越し、そして重なり合い一つの矢と化した。
――ギュインッ!!
織り込んだ編の様に蠢く矢が放たれ、攻略者たいに影を落としている特大魔法に衝突。
――ッドガッッ!!
「――ッ」
一瞬で爆風に見舞われる攻略者たち。けたたましい破裂音が鳴り響き、魔法と魔法がぶつかり合った上空には魔法の余韻がバリバリと電撃として残っていた。
――迎撃成功。
だがこれで終わりではない。むしろ序盤。
ダンジョン『鬼の島』
スタンピード。
攻略者VS鬼。
両陣営が迫り、邂逅。
「キシイイイイ!!」
その最初の一撃を入れたのはスピードスターの異名を持つ男。
「――ッシ」
「グエ――」
ディメンションフォース所属・サークル長・妻夫木蓮。
小刀による一瞬の一閃により、有象無象のゴブリンを両断。
胴が二つに裂け、その隙間から鋭利な視線を覗かせる妻夫木。
殺ったゴブリンが露と消えかけた瞬間。
「――ッ」
妻夫木の姿が消える。
否。
「え」
――ッッッシュババ!!
と、斬撃の音。周囲にいるゴブリンたちが両断される。
映像の早送りの様にブレる妻夫木。常人。平均的な強さを持つ攻略者の視線では瞬き一つで姿を見逃してしまうほどのスピード。
それが物凄い勢いと速度で進行していく。
「おいぼーっとすんな!!」
「ッ!?」
「ゴブリン共と戦闘に入るぞ!!」
――ワアアアアアアアア!!!!
妻夫木の猛進に送れて両陣本隊がついに激突。
剣、槍、斧、等々の近接が得意な攻略者。野性味あふれるゴブリンたちの血飛沫が四方八方に噴出す。
「ソーン・ウィップ!!」
「グヘエ!?」
妻夫木蓮率いるディメンションフォースが中央右を進む中、右端を責めるサークルパンサーダンサー。その長である椿は果敢にも先導を切り、自慢の鞭で雄豚をバッサバッサと露へと変えていた。
何の躊躇もなく、一辺の迷いもなく、乳房揺れるボンテージ姿で戦場で闊歩。
「「「おおおおお!!!」」」
いつもの事だとパンサーダンサー各員の女性攻略者たちは続くも、勇猛果敢に攻めるその姿は周りに集められた中小サークルの男性たちを滾らせる。
「「「ぶひいいいいいい!!!!!!」」」
「――ッグ!?」
ちなみにブタの鳴き声で突進しゴブリンの小グループを一網打尽にしたサークルがいたりいなかったり。
「ライオ・スタンプ!!」
――ッドゴ!!
「――」
左端の陣に突如として大爆発。
敵の攻撃かと知らぬ者が見ればそう見えるが、実際は違う。
「テオ・インパクト!!」
合わせた両手から巨大な紅い半透明の獅子の顔が出現。
靡く鬣。大きく開かれた顎からは鋭い牙を覗かせる。
そして。
「発射!!」
――ッガアアアアアア!!!!
纏った装甲の両腕から蒸気が噴射。紅い獅子――テオ・インパクトが十や二十、五十とゴブリンを巻き込みさらに奥へ奥へと飛んでいく。
サークル銀獅子・獅童猛の一撃は今日も冴えていた。
そして冴えている者はもう一人。
「……」
――ッリン
「ビエ!? ――ッ」
ヤマトサークルの長――大和撫子。
一瞬うちに数体のゴブリンを纏めて斬り伏せる。
攻略者全員で足並みを揃え突撃し、混戦となるが、左中央を攻めるヤマトサークルと中小サークルはほとんど戦闘に入っていなかった。
それは何故か。
「……千」
斬って。
「千百」
斬って。
「千二百」
一切合切を斬りまくる大和撫子が文字通り暴れているからだ。
撫子が振るうは抜刀術。しかし今、抜き身の刃を無尽に振るい、刀を一薙ぎすれば大量のモンスターが宙を舞う。まさに鬼神のごときゴブリンを斬り伏せていた。
「……俺たち要る?」
「まあそう言うな」
撫子によって切り開かれたモンスターという障害がない道を走る攻略者たち。
圧倒的な撫子の戦闘力に感服するも、穏やかに士気が下がっているのは否めなかった。
しかし、ここで攻略者たちに緊張が走る。
「グガアアアアアアア!!」
「「!?!?」」
青い鬼――豪鬼。
有象無象のゴブリンとは一線を画す体躯。徘徊型ボスの一角であり、耐久面が非常に優秀のオーガである。
吐く息は熱を帯びているのか蜃気楼の様に周囲を歪ませている。
大きさにして三メートル弱。人並の棍棒を担いでおり、マッシブな腕から繰り出される攻撃を受ければ並の者は一溜りも無い。
――どう対処する。
――周りのゴブリンも無視できない。
――しかし連携すれば。
オーガを確認した者は思考を巡らせる。
そんな中、豪鬼が大きく息を吸い、衝撃波を生む特大の咆哮を――
「――ガアア◆◆――――」
――ッスパ!
「――――」
豪鬼。脳天から縦に裂かれる。
ゆっくりと露と消える豪鬼。
(――ッ何が)
一体何が!? あのボスである豪鬼が一瞬で倒された。
もちろん倒したのはこの女。
「……耳障りだ」
日本最強の女――大和撫子。
「……ふむ。まだまだ湧いて出るか。皆の者!! 私に続けーー!!」
号令。
物凄い速さで駆けながらモンスターを倒していく。
「……俺たち要る?」
「……要る。たぶん」
「帰ってドラゴンズ〇グマ 2やりたい」
「俺はローニンやりたい」
スタンピードはまだまだ続く。
米粒程に見えていたスタンピードの蠢く影。それが次第に大群のモンスターというハッキリとした形に見えてくると、少なからず臆してしまうのは仕方が無かった。
しかしどうだろうか。
前を見れば見方が走り、横を見れば仲間が共に歩幅を合わせ、後ろに感じる気配は頼られる視線。
一人一人がそれを感じ、臆する心持より奮起が止まなかった。
「――!?」
最初にアクションがあったのは他でもない。
敵陣中央付近からまたもや力の塊――魔法攻撃が浮かび上がった。
「ギイイィイ!!」
別個体のオーガメイジによる魔法攻撃。それがグワリと鈍い音を立ててゆっくりと落ちてくる。
再び現れた特大魔法。ならば先ほどと同じく日本最強の彼女がオーバーヘッドキックをかましてカウンターをしてくれる。
そんな期待を孕んでいないとは言い切れない。
だがしかし、今は走っている。敵に迫っている。
後戻りはできない。後戻りはする気はない。
彼らは攻略者。彼女らは攻略者。
座して死を待つよりは、出て活路を見出さん。
つまりは。
「同じ手が通じると思うかよ!!」
「オラオラオラァ!!」
防御を選ぶほど彼らは甘くない。
「迎撃用意ッ!!」
ここで魔法、魔術等々を得意とするサークルが走りながらも一斉に陣を展開。
二重三重。否が応でも陣が重なるのは共に前へと進んでいる証拠に他ならない。
「――ファイアボール!!」
「ライトニング!!」
「エアカッター!!」
「アクアバレット!!」
「轟火球!!」
「ダブルレーザー!!」
炎が、雷が、風が、水が、焔が、光子が、十や二十を通り越し、そして重なり合い一つの矢と化した。
――ギュインッ!!
織り込んだ編の様に蠢く矢が放たれ、攻略者たいに影を落としている特大魔法に衝突。
――ッドガッッ!!
「――ッ」
一瞬で爆風に見舞われる攻略者たち。けたたましい破裂音が鳴り響き、魔法と魔法がぶつかり合った上空には魔法の余韻がバリバリと電撃として残っていた。
――迎撃成功。
だがこれで終わりではない。むしろ序盤。
ダンジョン『鬼の島』
スタンピード。
攻略者VS鬼。
両陣営が迫り、邂逅。
「キシイイイイ!!」
その最初の一撃を入れたのはスピードスターの異名を持つ男。
「――ッシ」
「グエ――」
ディメンションフォース所属・サークル長・妻夫木蓮。
小刀による一瞬の一閃により、有象無象のゴブリンを両断。
胴が二つに裂け、その隙間から鋭利な視線を覗かせる妻夫木。
殺ったゴブリンが露と消えかけた瞬間。
「――ッ」
妻夫木の姿が消える。
否。
「え」
――ッッッシュババ!!
と、斬撃の音。周囲にいるゴブリンたちが両断される。
映像の早送りの様にブレる妻夫木。常人。平均的な強さを持つ攻略者の視線では瞬き一つで姿を見逃してしまうほどのスピード。
それが物凄い勢いと速度で進行していく。
「おいぼーっとすんな!!」
「ッ!?」
「ゴブリン共と戦闘に入るぞ!!」
――ワアアアアアアアア!!!!
妻夫木の猛進に送れて両陣本隊がついに激突。
剣、槍、斧、等々の近接が得意な攻略者。野性味あふれるゴブリンたちの血飛沫が四方八方に噴出す。
「ソーン・ウィップ!!」
「グヘエ!?」
妻夫木蓮率いるディメンションフォースが中央右を進む中、右端を責めるサークルパンサーダンサー。その長である椿は果敢にも先導を切り、自慢の鞭で雄豚をバッサバッサと露へと変えていた。
何の躊躇もなく、一辺の迷いもなく、乳房揺れるボンテージ姿で戦場で闊歩。
「「「おおおおお!!!」」」
いつもの事だとパンサーダンサー各員の女性攻略者たちは続くも、勇猛果敢に攻めるその姿は周りに集められた中小サークルの男性たちを滾らせる。
「「「ぶひいいいいいい!!!!!!」」」
「――ッグ!?」
ちなみにブタの鳴き声で突進しゴブリンの小グループを一網打尽にしたサークルがいたりいなかったり。
「ライオ・スタンプ!!」
――ッドゴ!!
「――」
左端の陣に突如として大爆発。
敵の攻撃かと知らぬ者が見ればそう見えるが、実際は違う。
「テオ・インパクト!!」
合わせた両手から巨大な紅い半透明の獅子の顔が出現。
靡く鬣。大きく開かれた顎からは鋭い牙を覗かせる。
そして。
「発射!!」
――ッガアアアアアア!!!!
纏った装甲の両腕から蒸気が噴射。紅い獅子――テオ・インパクトが十や二十、五十とゴブリンを巻き込みさらに奥へ奥へと飛んでいく。
サークル銀獅子・獅童猛の一撃は今日も冴えていた。
そして冴えている者はもう一人。
「……」
――ッリン
「ビエ!? ――ッ」
ヤマトサークルの長――大和撫子。
一瞬うちに数体のゴブリンを纏めて斬り伏せる。
攻略者全員で足並みを揃え突撃し、混戦となるが、左中央を攻めるヤマトサークルと中小サークルはほとんど戦闘に入っていなかった。
それは何故か。
「……千」
斬って。
「千百」
斬って。
「千二百」
一切合切を斬りまくる大和撫子が文字通り暴れているからだ。
撫子が振るうは抜刀術。しかし今、抜き身の刃を無尽に振るい、刀を一薙ぎすれば大量のモンスターが宙を舞う。まさに鬼神のごときゴブリンを斬り伏せていた。
「……俺たち要る?」
「まあそう言うな」
撫子によって切り開かれたモンスターという障害がない道を走る攻略者たち。
圧倒的な撫子の戦闘力に感服するも、穏やかに士気が下がっているのは否めなかった。
しかし、ここで攻略者たちに緊張が走る。
「グガアアアアアアア!!」
「「!?!?」」
青い鬼――豪鬼。
有象無象のゴブリンとは一線を画す体躯。徘徊型ボスの一角であり、耐久面が非常に優秀のオーガである。
吐く息は熱を帯びているのか蜃気楼の様に周囲を歪ませている。
大きさにして三メートル弱。人並の棍棒を担いでおり、マッシブな腕から繰り出される攻撃を受ければ並の者は一溜りも無い。
――どう対処する。
――周りのゴブリンも無視できない。
――しかし連携すれば。
オーガを確認した者は思考を巡らせる。
そんな中、豪鬼が大きく息を吸い、衝撃波を生む特大の咆哮を――
「――ガアア◆◆――――」
――ッスパ!
「――――」
豪鬼。脳天から縦に裂かれる。
ゆっくりと露と消える豪鬼。
(――ッ何が)
一体何が!? あのボスである豪鬼が一瞬で倒された。
もちろん倒したのはこの女。
「……耳障りだ」
日本最強の女――大和撫子。
「……ふむ。まだまだ湧いて出るか。皆の者!! 私に続けーー!!」
号令。
物凄い速さで駆けながらモンスターを倒していく。
「……俺たち要る?」
「……要る。たぶん」
「帰ってドラゴンズ〇グマ 2やりたい」
「俺はローニンやりたい」
スタンピードはまだまだ続く。
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