悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ

文字の大きさ
73 / 147
もう15歳

しおりを挟む
「ちょっ! 審判!! これ反則でしょ?!」
「先に投げナイフを使ったのは誰なんですか? 氷槍中の50」

 砂が巻き上がり、氷の槍が乱れ飛ぶさまを眺めながら、私は傍らに座る大きな鳥の魔物をもふります。ぺたりと寝ている羽毛をその流れにそって撫でると、つるつると手が滑りました。
 私が腰かけているのは、オアシスを囲むように配置した巨石です。その上に降り注ぐ太陽の光はきつく、じりじりと照り付けてきます。日が当たっている手の甲を自分の影に隠すように抱き込むと、鳥が翼を広げて日陰を作ってくれました。

「ありがとう」

 ふおーっと膨らんだ鳥の胸元に手を突っ込んでワシワシしつつ、膝の上のオニキスの頭を撫でます。
 ああ。幸せ。
 審判役のクラウドが厳かに告げました。

「続行」
「えぇっ!! 魔法は無しでしょ?!」

 深紅の髪を振り乱しながら、レオンが叫びました。砂が目に入ったのか、金の瞳が潤んでいます。

「始める前に言いませんでしたよね。水穿6」

 逃げ惑うレオンを、涼しい顔をしたルーカスが指をさします。その先から、水が弾丸のように6回発射されました。彼の呪文というか、合言葉の後の数は、大きさや量を示しています。ルーカスの精霊はおおざっぱなのか、多くなってくると数に誤差があるようですけど。

「普通、その歳では使えないでしょ?!」
「僕が普通だと思うからいけないんですよ」

 普通は学園で学ばなければ呪文を知らず、呪文を唱えられなければ魔法が使えませんからね。
 騒ぎながらもレオンは愛用の大剣の間合いまで、ルーカスに近付いています。
 ルーカスが拳を構えました。その手には、彼に強請ねだられて私が作り、社交デビュー祝いに贈った籠手こてが装着されています。素材はミスリル製の糸。腕の動きを阻害しないよう、糸状にして編んだのです。
 ついでに左右の手のひらを合わせると、異空間収納が出現して武器を取り出せる仕様になっております。てのひらから武器が出てくるっていう、あれですね。ルーカスは細身の剣と、短剣なら人並みに扱えるという事でしたので、ミスリル製のそれが何本か入っています。あとゲームでは適性があった弓矢も。そして武器を握って特定のリズムでその拳をもう片方でたたけば、収納することができます。

 ゲームのルーカスは根暗のもやしっ子でしたので、弓と魔法による遠距離攻撃を得意にしていました。それが王都にいる間に、接近戦対策で体術を習ったらはまってしまったらしく、メキメキと上達したとのことです。
 まあ、遺伝子的には私に近いのですから、運動神経が悪いわけではないのだと思います。きっと拳闘士的な適性もあったのでしょう。

 さて、なぜレオンと弟のルーカスが砂漠のオアシス前で戦っているかなのですが・・・それはルーカスがレオンに手合わせを申し込んだからです。
 学園入学まであと半年という今日の昼過ぎ、昼食後のくつろぎタイムに、オニキスからルーカスが来たと告げられました。そういえば父の手紙に「ルーカスがテトラディル領へ行く」と書いてあったなと思いながら、玄関で出迎えました。
 そして馬車から降りてきたルーカスが、私にしなだれかかっているレオンを見た途端、にっこり笑って手合わせを申し込んだのです。寒気がするほど美しい笑顔でした。
 そうそう。非常に残念ですが、私にはレオンを矯正しきれなかったのですよ。というか私が秘密を隠さなくなったあたりで面倒になって、苦言を呈するのをやめました。レオンが来てから1月しか持たなかったことになりますね。うふふ。

 ちなみにこの5年、私は社交シーズンに入っても公式には王都へ行っていません。だってパーティーに招待されることもありませんでしたし。
 ルーカスの社交デビュー時も不参加。父が迎えに来ましたけど、逃げ隠れしました。こっそり転移で王都のルーカスの部屋へお邪魔して、本人を直接説得しましたのでそちらは問題ありません。当日はお祝いを言い、籠手を手渡しただけです。

 あ。学園入試の時だけ公式に王都へ行きました。そしてすぐに帰りましたよ。貴族の子女が通うのは義務ですから、私にとっては入試というより形だけのものですけど。
 制服を仕立てるのに時間がかかりますし、学園側にも入学者の身分によって準備が必要ですから、入試は入学の10か月前に行われます。願書の提出は入学の一年前ですね。

「どうしました?」

 ぼーっとルーカスが大剣を殴りつけて軌道を逸らすのを眺めていたら、鳥が私の足元へくちばしから何かを落としました。
 掌より少し大きい位の蜥蜴とかげですね。大きな目で、黒っぽい紫のような不思議な色合いをした蜥蜴が、自分のギョロ目をベロリと舐めました。かわいい。

「ありがとう。でも私は蜥蜴を食べられません」

 ふるふると頭を振る鳥。貢物ではないようです。
 蜥蜴は私が手をのばすと、逃げずに掌へ乗ってきました。妙に人に慣れていますね。

「お友達ですか?」

 少し間がありましたが、鳥がこくりと頷きました。と、いう事は精霊が入っていたりするのでしょうか。
 オニキスへ視線を向けると、頭を起こしてじっと蜥蜴を見ていました。しかし何もせず、やがて興味を失ったようで、再び私の膝へ頭を乗せます。
 精霊が入っているかもしれませんが、害はないようですね。

「撫でても大丈夫でしょうか?」
『敵意も毒もない』

 では遠慮なく撫でることにします。嫌なら逃げられるよう、蜥蜴が乗っている手を下に置き、もう片方の手でそっと撫でます。ギョロ目を閉じた蜥蜴が、クックッと笑うように鳴きました。面白いですね。
 そうして爬虫類特有のすべすべに癒されていると、レオンの悲鳴が響きました。

「ぎゃあぁぁぁ!!! 嘘! 欠けた! 刃が欠けたんですけど!!」
「そこまで。」

 戦闘意欲を喪失したらしいレオンが、座り込んで大剣を撫でています。クラウドは二人の間に割って入りました。
 ゲームでの根暗もやしはどこへやら。体格のいい派手な美少年に成長したルーカスが、勝者の笑みを浮かべて大岩の上の私を見上げました。

「姉上! 見ていましたか?!」

 実はよそ見をしていましたが、黙ったまま微笑んで手を振ります。そしてすぐ、それは蜥蜴が乗っていた方の手だったと気付いて焦りました。しかし不思議な色の蜥蜴は逃げたのか、もう姿がありませんでした。



 ルーカスがテトラディル領へ帰ってきてから半月ほど経ちました。そして毎日のように、ルーカスとレオンは手合わせをしています。
 その度に砂漠のオアシスへ行くのですが、毎回、鳥が私に生き物を手渡してくるようになりました。小鳥だったり、ネズミだったり、蛇だったり、また蜥蜴だったり・・・2回目あたりで昆虫は苦手だと言っておきましたので、手に乗せられることがなくて幸いでした。

 そして今日、両親がテトラディル領へ帰ってきました。父は時々屋敷に私の様子を見に来ていましたので、2か月ぶりでしょうか。母は5年ぶりになります。

「カーラ、制服の仮縫いが済んだ。着てみなさい」
「はい。お父様」

 場所は私の部屋。チェリが制服を受け取って、私と共に寝室へ入ります。

 姿見に映っているのはゲーム開始時の17歳より、やや幼さの残った15歳のカーラです。
 毎日のように砂漠へ出向いているというのに、相変わらずシミひとつなく完璧に整った肌、やっぱりきつめの紫紺の瞳、腰まである艶やかな黒髪、毎日の鍛錬にも負けない白く華奢な手足、二つに割れた腹筋と細い腰、そして順調に育った胸!
 鏡の中で下着姿の美少女以上、美女未満がニヤニヤしながらジャンプして、たゆんたゆんする自分の胸を楽しんでいます。
 おっと。人を待たせているのでした。

 学園へは侍女、侍従の同行が禁止されています。それぞれが連れてくると物凄い人数になる上に、全員の素性を調べるなんてことできませんからね。貴族の子女が多く通う場所ですから、警備は厳重である必要があります。
 一応、素性がしっかりしていて、さらに試験に合格して、授業料等が払えれば誰でも入学できるという抜け道もあり、侍従に入試をさせたり、男爵家の子女を雇ったりする人もいます。入学定員がありますので、希望者が多いと入試で足切りされますから、それなりの教養が必要ですけど。
 ちなみに衣食住に必要なことは学園側の職員が行いますので、自炊や、洗濯をする必要はありません。

 そんなわけで学園では自立が推奨されているため、制服は自分で着なければなりません。
 チェリに手渡されるまま、順に着ていくのですが、白いブラウスのボタンを閉めたあたりで眉間にしわが寄りました。すでにけしからん領域に達しつつある、私のお胸たち。ボタンを上まで止めたというのに、その谷間が見えております。なぜ女子のブラウスは、こうも前が開いているのでしょうか。胸を強調するドレスもありますから、谷間が見えるのはタブーではありません。しかし・・・貧乳はこの学園にはいないとでも言いたいのでしょうか。

 そしてもっと眉間の皺を深くしたのが、グレーと黒、細いピンクのラインが入ったタータンチェックのふんわり膝上スカートです。
 そう。膝上です。

 実はこれには長く重い歴史があるのでございます。

 ずっとずっと昔の王太子がひっじょーに枯れ枯れな方で、女性に全く興味を示しませんでした。その王太子の気を惹くため、当時学園に通っていたご令嬢たちがこぞってスカートの裾を短くしていったのです。
 変化はスカートの裾が膝上に達し、とある令嬢が恥ずかしがって膝を隠すソックスを履いた時に起こりました。王太子がその令嬢に愛を囁き始めたのです!

 ・・・まあ、要約すると、脚フェチの王太子がいて、そのせいで膝上スカートとニーハイが制服として定着したということですね。この絶対領域を採用させるためだけに、そんな歴史をつくってしまうとは・・・絶対領域に対する制作者の執念を感じます。

 ここまで驚きの連続でしたが、濃紺のジャケットは比較的まともでございます。
 濃紺とグレーの組み合わせなんて、地味だと言うことなかれ。紺地に主人公の銀髪が映えるのですよ!
 形は側面から膝下丈の後ろへ徐々に丈が長くなる、テイルコート風になっています。絶対領域を実現させつつ、側面と後ろの露出度を落とすという、製作者の欲望と理性がかいま見えますね。
 しかし、けしからん体型のカーラがこれを着ると、卑猥な感じになるのですよ。胸の下にボタンがあるってなんでなんですか? 腰を絞るのはともかく、胸をさらに強調するだけではないですか。

 ゲームのカーラは・・・ちゃんと着てた。戦闘シーンで胸が揺れる度に、製作者の美学を感じましたね。しかし二次元だからこそ許された美学も、三次元では凶器です。
 チェリの視線に同情が混じっているのを感じます。さあ、女は度胸ですよ!

『クラウド、耐えろ』

 寝室を出る直前に、オニキスが言いました。
 ・・・結果のみご報告いたしましょう。

 クラウドは口と鼻を覆ってよろめきました。
 ルーカスは絶句して、食べかけのクッキーを落としました。
 母は気を失いました。
 父は盛大に紅茶を吹きました。

 この間、レオンは廊下待機でした。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

気配消し令嬢の失敗

かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。 15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。 ※王子は曾祖母コンです。 ※ユリアは悪役令嬢ではありません。 ※タグを少し修正しました。 初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

処理中です...