空は青いか?

乱川 カナト

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スカイフリューゲル

#5

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 ワイシャツの上から綺麗な青色のジャージを羽織り、腕を組んで堂々としたその少年は高校生という枠に収まる程の人物ではない事が部員にも伝わる。
 鋭い目付きに筋肉質な身体付きが余計そう思わせるのだろう。
「言っておくけど新入生勧誘だからって僕は生優しく紹介するつもりないから」
 冷たく言い放つと舞台横の階段をゆっくり上っていく。幕から見える全校生徒の顔は何が始まるんだろう?という期待が募っていた。
「全く奏の悪い癖が出ちゃったね。さ、行こうか皆」
 副部長の四阿が手を2回パンパンと叩くと部員は背筋を伸ばし、
「はいっ!」
 と、声を揃えて返事をした。
「この部活は...スカイフリューゲル部?ってやつか」
 部活動紹介のプログラム表を見ながら遥が呟く。その隣でかなは固唾を呑んでじっと舞台を見ていた。
 かなの心境は少し複雑だった。さっき出会った秋月と自分との接点があるとすればスカフリしかない。でも、もし私が入りたいと思って希望を出しても果たして許可が出るのだろうか、と。
 何故入部の許可が出るか不安になっているのかは明確だった。
 あの目付きである。まるで人を人として見ていないかのようなあの目に圧倒されてしまっていたのだ。
「かなは知ってる?スカイフリューゲル部のこと」
「......もちろん知ってるよ」
「どんな事するの?」
「空を。青い空を鳥のように駆けて選手の腰に付いている鈴を取る競技なんだけどまるで人には見えないんだ」
「へぇ~。鳥ねぇ」
 司会者が何か喋ろうとマイクを握った瞬間、秋月が舞台に現れ手でさっさと去れと合図していた。
 それを見た瞬間そそくさと脇にはけていった司会者を横目に全校生徒は舞台を見つめる。
「どうする奏。僕が進行した方がいい?それとも君がやる?」
「......僕は目標だけ伝えられればそれでいい」
「そう。じゃあ最初は奏に話してもらおうか」
 四阿は手に持っていたマイクを秋月に渡し、小声で「あまり威圧感与えないでね」と助言をすると1歩後ろに下がった。
 会場が静まり返る。後ろで騒いでいた先輩達も口を閉ざし黙ってしまっていた。
「...新入生の皆さん入学おめでとうございます。部長の秋月 奏です。僕達はスカイフリューゲル部です。知らない人もいると思うので簡単に副部長から説明してもらいます」
 マイクを四阿に差し出すと手に取り、説明を始めた。
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