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1章 妖を祓え
4話
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『 私は知ってる 』
華南は何かを追う。
黒い小さな影を見つけると、影は向かってきて華南は刀で切ると消滅する。
黒い影はさらに宙を漂い華南はそれを追っていく。
華南と戦っている途中で黒い影は遠ざかっていく。
前にはドレスを着た小さい女の子がいる。
「あぶない!」
華南は女の子を抱えるとぶつかる寸前で影がかすめて二人は転ぶ。
女の子を離して華南は近くに来た黒い影を切って消滅させる。
女の子の近くに来ると手にかすり傷が見える。
手にはクマのぬいぐるみ。
華南「すまない、ケガをさせるつもりはなかったんだ。」
女の子「ありがとう!」
華南「?」
女の子(エミリー)は手に包帯が巻かれ、ぬいぐるみを片手で抱き、華南と手をつないで歩く。
エミリー「私をあのおそろしいものから守ってくれたんだよね、ぶつかってたらこれ(手のケガ)よりもっとどうなってたか。」
華南「さっきのが見えるのか?」
エミリー「うん、でもみんな信じてくれないの。
お姉ちゃんも言ってくれたらわかってもらえるかな。」
華南「言ったところでわかるわけがない。 見える方が特別なんだ。」
エミリー「そうだ、お礼をさせて。 私のおうちはすぐだから。」
華南「いや。私には用事が 」
二人は大きな屋敷の前に来る。
門の前に来ると母親らしき女性(エミリー母)が立っている。
女性はエミリーの手を見る。
エミリー「ママ違うの、お姉ちゃんは 」
エミリー母「うちの子にケガまでさせてどういうつもりかしら! もう関わらないでちょうだい!」
エミリーはエミリー母に手を引っ張られて連れていかれる。
エミリーは悲しい顔、華南は心配そうにそれぞれ見る。
華南は屋敷を後にすると宙を舞う黒い影を見る。
追っていると影は坂の上のベビーカーに当たり、坂を転がっていく。
母親の女性はほかの主婦との会話に夢中で気づいていない。
華南は坂の下にいてベビーカーが転がってくるのを見る。
さらに転がった先は道路で車が走っている。
華南は寸前でベビーカーを受け止めて衝突を回避する。
「何やってるのよ、触らないで!」
女性がやって来ると華南は走り去る。
「もう・・・・・・」
持ち手を軽く振るう。
夜、屋敷ではエミリーがベッドで寝ていると寝返りうってクマのぬいぐるみからよそを向いてしまう。
窓のすき間から何者かが入ってくるとぬいぐるみを持ち去る。
次の日、屋敷では騒ぎになる。
「いけませんお嬢様!」
「外は危険です!」
エミリー「止めないで、探しに行くの!」
執事や使用人達は身を案じる。
屋敷から出ようとする。
「もうすぐお勉強の時間です!」
エミリー「イヤだ! クマちゃんがいないとなにもしたくない!」
自分の部屋のベッドに飛び込んで一人引きこもる。
エミリーは窓を開けて脱出しようとするが柵があって断念する。
大きな声で助けを呼ぼうとするがみんなに気づかれると思い、止める。
エミリーは方法を考えていると机の上に用紙を見つけ、用紙の一枚を取るとペンで書き、窓に来て柵のすき間から紙飛行機にして飛ばす。
華南は道を歩いている途中で紙飛行機が飛んでくると近くの出窓の植木鉢に落ちる。
紙飛行機を手に取ると気になって広げる。
[ HELP MY BEAR!! ]
(訳:クマちゃんをたすけて!!)
「クマ?」
華南は一緒に手を繋いでいた時のことを思い返す。
「まさか、エミリーの?」
華南は遠くで黒い影を見る。
子ども達が道で遊んでいると三輪車で走る小さな男の子。
三輪車は突然浮き、遊んでいた子達も注目する。
高いところまで浮かぶと男の子は段々恐くなって泣く。
三輪車はそれからまっ逆さまに落ちる。
華南もそれに気づいて走りだし、転落する寸前で飛んで男の子と三輪車を受け止める。
無事を確認すると走り出し、その後で父親が駆けつける。
「どうした、誰にやられた!?」
子ども達はわけもわからず華南が去っていった方を指さす。
華南はやって来たところは家屋がない場所。
そこに町にいたときよりさらに複数の黒い影が向かって来る。
華南は切ったり避けたりするが時折かすめたりする。
洞窟に入ると大きな黒い影がいる。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
〔 ベビーデビル 〕
小型の悪魔。
子どもを困らせることが大好き。
人に直接取りつくことはない。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
ベビーデビル「小さな女の子どもが来ると思ったらこんなやつかよ。」
華南「子ども達に迷惑をかけてなにになるんだ?」
ベビーデビル「ボクチンはね、子どもの困った顔を見ることが大好きなんだ。」
華南「祓われたくなかったら盗んだものを返せ!」
ベビーデビル「やだね、逆にお前をおもちゃにして遊んでやるよ!」
華南を取り囲むようにまわりには手下の黒い影達。
華南は刀で切ったり蹴り飛ばしたり火の玉をぶつけたりする。
ベビーデビルが向かっていき隙をついて刀で切ると消滅する。
体からはクマのぬいぐるみが出てきて受け止めると、華南はホッとする。
屋敷の庭でエミリーは散歩していると鉄柵の近くにクマのぬいぐるみが座っている。
エミリーは拾って抱き抱える。
「お姉ちゃんありがとー!」
華南は遠くにいて振り返ることもなく町を去る。
[報告書]
怪異調査協会本部宛
______の町をうろつく妖を討伐
溝口 華南
華南は何かを追う。
黒い小さな影を見つけると、影は向かってきて華南は刀で切ると消滅する。
黒い影はさらに宙を漂い華南はそれを追っていく。
華南と戦っている途中で黒い影は遠ざかっていく。
前にはドレスを着た小さい女の子がいる。
「あぶない!」
華南は女の子を抱えるとぶつかる寸前で影がかすめて二人は転ぶ。
女の子を離して華南は近くに来た黒い影を切って消滅させる。
女の子の近くに来ると手にかすり傷が見える。
手にはクマのぬいぐるみ。
華南「すまない、ケガをさせるつもりはなかったんだ。」
女の子「ありがとう!」
華南「?」
女の子(エミリー)は手に包帯が巻かれ、ぬいぐるみを片手で抱き、華南と手をつないで歩く。
エミリー「私をあのおそろしいものから守ってくれたんだよね、ぶつかってたらこれ(手のケガ)よりもっとどうなってたか。」
華南「さっきのが見えるのか?」
エミリー「うん、でもみんな信じてくれないの。
お姉ちゃんも言ってくれたらわかってもらえるかな。」
華南「言ったところでわかるわけがない。 見える方が特別なんだ。」
エミリー「そうだ、お礼をさせて。 私のおうちはすぐだから。」
華南「いや。私には用事が 」
二人は大きな屋敷の前に来る。
門の前に来ると母親らしき女性(エミリー母)が立っている。
女性はエミリーの手を見る。
エミリー「ママ違うの、お姉ちゃんは 」
エミリー母「うちの子にケガまでさせてどういうつもりかしら! もう関わらないでちょうだい!」
エミリーはエミリー母に手を引っ張られて連れていかれる。
エミリーは悲しい顔、華南は心配そうにそれぞれ見る。
華南は屋敷を後にすると宙を舞う黒い影を見る。
追っていると影は坂の上のベビーカーに当たり、坂を転がっていく。
母親の女性はほかの主婦との会話に夢中で気づいていない。
華南は坂の下にいてベビーカーが転がってくるのを見る。
さらに転がった先は道路で車が走っている。
華南は寸前でベビーカーを受け止めて衝突を回避する。
「何やってるのよ、触らないで!」
女性がやって来ると華南は走り去る。
「もう・・・・・・」
持ち手を軽く振るう。
夜、屋敷ではエミリーがベッドで寝ていると寝返りうってクマのぬいぐるみからよそを向いてしまう。
窓のすき間から何者かが入ってくるとぬいぐるみを持ち去る。
次の日、屋敷では騒ぎになる。
「いけませんお嬢様!」
「外は危険です!」
エミリー「止めないで、探しに行くの!」
執事や使用人達は身を案じる。
屋敷から出ようとする。
「もうすぐお勉強の時間です!」
エミリー「イヤだ! クマちゃんがいないとなにもしたくない!」
自分の部屋のベッドに飛び込んで一人引きこもる。
エミリーは窓を開けて脱出しようとするが柵があって断念する。
大きな声で助けを呼ぼうとするがみんなに気づかれると思い、止める。
エミリーは方法を考えていると机の上に用紙を見つけ、用紙の一枚を取るとペンで書き、窓に来て柵のすき間から紙飛行機にして飛ばす。
華南は道を歩いている途中で紙飛行機が飛んでくると近くの出窓の植木鉢に落ちる。
紙飛行機を手に取ると気になって広げる。
[ HELP MY BEAR!! ]
(訳:クマちゃんをたすけて!!)
「クマ?」
華南は一緒に手を繋いでいた時のことを思い返す。
「まさか、エミリーの?」
華南は遠くで黒い影を見る。
子ども達が道で遊んでいると三輪車で走る小さな男の子。
三輪車は突然浮き、遊んでいた子達も注目する。
高いところまで浮かぶと男の子は段々恐くなって泣く。
三輪車はそれからまっ逆さまに落ちる。
華南もそれに気づいて走りだし、転落する寸前で飛んで男の子と三輪車を受け止める。
無事を確認すると走り出し、その後で父親が駆けつける。
「どうした、誰にやられた!?」
子ども達はわけもわからず華南が去っていった方を指さす。
華南はやって来たところは家屋がない場所。
そこに町にいたときよりさらに複数の黒い影が向かって来る。
華南は切ったり避けたりするが時折かすめたりする。
洞窟に入ると大きな黒い影がいる。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
〔 ベビーデビル 〕
小型の悪魔。
子どもを困らせることが大好き。
人に直接取りつくことはない。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
ベビーデビル「小さな女の子どもが来ると思ったらこんなやつかよ。」
華南「子ども達に迷惑をかけてなにになるんだ?」
ベビーデビル「ボクチンはね、子どもの困った顔を見ることが大好きなんだ。」
華南「祓われたくなかったら盗んだものを返せ!」
ベビーデビル「やだね、逆にお前をおもちゃにして遊んでやるよ!」
華南を取り囲むようにまわりには手下の黒い影達。
華南は刀で切ったり蹴り飛ばしたり火の玉をぶつけたりする。
ベビーデビルが向かっていき隙をついて刀で切ると消滅する。
体からはクマのぬいぐるみが出てきて受け止めると、華南はホッとする。
屋敷の庭でエミリーは散歩していると鉄柵の近くにクマのぬいぐるみが座っている。
エミリーは拾って抱き抱える。
「お姉ちゃんありがとー!」
華南は遠くにいて振り返ることもなく町を去る。
[報告書]
怪異調査協会本部宛
______の町をうろつく妖を討伐
溝口 華南
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