DEATH GAME ー宝玉争奪戦

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3章

52話 2人のスピード王2

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(何この勝負!?)

和歌太郎は、目の前のロータリで闘う多古山と佐高を観て、空いた口が塞がらずにいた。

それもそのはず、2人の勝負は"

「ふぅ~!気持ちええわ!」

多古山が鉄の平台車を《重量操作ウェイト》で重量を軽くし、《推進力ジェット》にて加速させる。
その速度は時速100kmを超えている。それも一周200メートル程度のロータリでだ。

「さすがは浪速のスピード王というだけはありますね!」

対するフォークリフトを運転する佐高も負けてはいない。
動力源の無いフォークリフトを同じ速度で走らせる。
その仕組みは《摩擦操作フリクション》で発進時はタイヤの摩擦係数を増やし、《回転自在トルク》にてタイヤの回転数を上げる。そして、走り出してからは摩擦を減らす。
操縦と回転量、摩擦の3つを同時に操り多古山に競り合う。

ロータリーを縦横無尽に走り回る。平台車とフォークリフト

「兄ちゃん。速いなぁ!ずっと走ってたいけど……ええ加減決めやんとなぁ」

隣で並走する佐高に声をかける多古山
周囲から見れば高速だが同じ速度域にいる2人には止まった空間も同じ

「ですね。私も久しぶりに楽しかったです。ですがここからは…」

認め合った2人は一瞬だけ笑みを浮かべるが一転

「勝負や!」
「勝負です!」

互いの雰囲気が鋭く変化する。

並走していた平台車とフォークリフトがそれぞれ左右に別れ、2人の間に距離が開く。

最初に動きを見せたのは佐高。異次元BOXより鉄の輪投げを取り出し、人差し指に通した。

「"回転自在トルク"最大!"回転自在ゼロフリクション・ゼロ!」

佐高の人差し指で鉄の輪が高速回転
そして、その回転輪を多古山の方へと投げた。

空気抵抗が無く、異常な回転数を伴った鉄の輪は、圧倒的な速度で多古山へ向かっていく。

しかし、キンッ!

鉄の輪は何かに弾かれ、佐高の手元へと戻る。

「ええ攻撃やけど、俺は浪速のスピード王でありなから、浪速のガンマンとも言われた男や。攻撃自身は遅くとも早撃ちと命中率では負けへんで」

不敵に笑う多古山。
手にはスリリングショットが握られている。
多古山はスリリングショットにて鉄の玉を回転する輪へと的中させたのだ。

これには頬に汗を掻き、僅かな動揺を見せる佐高

「まさか攻撃方法まで……同じ遠距離ですか」

「どんどん行くで!」

多古山はスリリングショットにて鉄の玉を放ってくる。その狙いは正確。加えてマシンガンのような速射

佐高は、フォークリフトの爪部分や鉄の輪を同じく放ち、撃墜していく。

高速状態での激しい撃ち合いが続く。
両者一歩も引かない拮抗状態

「さすがです。こんな序盤で使うつもりはありませんでしたが……解放です"栄光の男ミスターグローリー"!」

闘いの膠着を抜け出すため、自身の奥の手である"称号"を解放した佐高

佐高の体から光の粒子が噴き出した。

「なっ!眩しい!!」

多古山はあまりの眩しさに一瞬目を瞑ってしまった。

「おらへん!」

光が収まれば佐高の姿は消えていた。
周囲を見回し佐高を探す多古山
しかし、いない佐高

だが唸りを上げるタイヤの回転音だけは聞こえる。

「まさか……っ!上か」

「遅いですよっ!」

フォークリフトが真上から多古山へと向かってきていた。

「くそっ!推進力ジェットバリバリやぁ!」

多古山は推進力ジェットを制御を無視して最大限に使用した。ロケットの如く吹き飛んでいく多古山

おかげでフォークリフトの爪は空を切る。

「なんや……そりゃ」

多古山が身体を起こし、佐高の方を見て眉をひそめる。

「"栄光の男ミスターグローリー"は光の粒子の硬質化。それを利用した光の道。今の私は空さえも走ります」

佐高の称号の効果は光の道。
今の佐高にとっては空さえも彼のテリトリーになったのだ。

一方、多古山は緊急回避により、平台車の車輪が壊れていた。

「残念ですがスピード王の座とナンバープレートは僕が貰います!」

高らかに宣言する佐高
勝負は決まったに思えた。
しかし、多古山は笑った。

「空は走るもんやない……飛ぶもんや!発動…"疾風の鴉レイヴン・ウィング"」

すると多古山の平台車に漆黒の翼がバサリと広がった。

「さぁ、2レース目といこうや」

多古山の平台車が空に浮いた。


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