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「…なんでタール様がいるの。」
「悪い?魔法学校に行くのに僕がついて行かないとでも思った?」
私の計画がぁ…
「魔法…私使えるんだよね?」
「…まぁ僕が見た限りはね。」
「…じゃあじゃあ空飛んだり出来る!?」
ふふふ
前世の記憶がある私にとって魔法は
憧れ!!
しかも
空飛んだり!!
手から火の玉出したり!!

…ふぇ?
「…シュルク。何期待外れって顔してるの?」
だって~
火の玉ないよ?
誰も空飛んでないよ?
カード状の何か持ってブツブツ言ってるよ?
「タール様…」
「これが魔法の使い方。もっとも初級のものだったら補助具無しでもできるんだけどね。」
私の理想…
ガラガラと音を立てて崩れ落ちたぞ…
「…タール様。あれ貸して?」
私はカード状の物を指さした。
「ダメ。シュルク絶対使うでしょ?」
「…むぅ…タール様に聞いたのが間違いだった!!」
私は走って1人の人に近づいた。
男だ…
まぁ仕方ないか
「…あのぅ…私にそれ貸してくださいません?」
「…は…はいぃ!!」
はいぃって何…
声うわずったよ?
「ありがとう。」
あれ?
ちょっと微笑んだだけなのに…
顔真っ赤…
まぁ
ほっとこ
地獄焔湖ニーズファイヤー。」
私はなんとな~く前世のマンガの魔法を呟いたぜ!!
誰にも詠唱は聞かれてないはず…
ってあれ?
何も起こんないや…
やっぱこの詠唱じゃダメ?
「タール様ぁ…詠唱教えてぇ…」
「シュ…シュルク。何やってるの…」
「え?なんにも起こんなかったでしょ?」
「後ろ…」
もう
タール様ってば
何にも怒らなかったって…
……あっれ~?
おかしいな~
裏にあったはずの山が穴空いてるな~
小さい山が無くなってるな~
私の目がおかしいのかな~
「…シュルク。なんて詠唱した?」
「ニ…地獄焔湖ニーズファイヤー…」
「…ちょっと学長室行こっか。」
「え?タール様?」
私はカードを生徒の人に返しタール様について行った。

「…シュルクが申し訳ありません!!」
「え?タール様?謝ることなの?」
「当たり前でしょ!!魔法学校の土地消し飛ばしたんだよ!?」
「えぇ…復元すればいいじゃん…復元リターン。」
私は小さく呟いた。
するとあの山は元に戻った。
「シュルク。2度と魔法使わないで。」
「え~なんで~?」
「シュルク様。私からもお願いします。」
「学長のおじいちゃんまで~?」
2人に今後一切魔法を使わないように言われてしまった…
なんで?
壊したら直せばいいし…
前世のマンガが役に立つって分かったし…
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