婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】

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~閑話サイラス・ベンドルトンの末路

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 ベンドルントン家でも同じような事がなされて居る。
「本当に馬鹿に成り下がってたのだな」
 そう吐露するのは兄。母はショックで寝込んでしまった。
「馬鹿と言わないで頂きたい兄上」
「馬鹿だろう?
 男爵令嬢に懸想して、かの者の発言のみを信じ断罪した相手は皇女殿下。
 これだけの情報量で馬鹿と言うな?
 お前は我がベンドルントン家に泥を塗ったのだぞ?」

「泥なんて何処に付いてるんです?」
 目に見える事だけを信じて居る様に呆れたのは父。

「お前は『泥を塗る』の意味を理解してないのだな。
 皇女殿下に失礼な発言をして何もないと思って居るのか?」
「実際、何もないでしょう?
 リリーに逢いに行きたいのですが…」

「…そのリリーとやらは戒律の厳しい修道院へと送られたそうだが?」
「は?殿下と婚や「・・・出来る訳が無いだろう?!」く?」

「でき・・・な・・・い?どうしてですか。
 王族なら何でも叶えられると聞いて居たのですが…」
「何でも…の意味が違う。まず男爵では王子に嫁ぐ事は不可能。
 せいぜい伯爵家くらいなら許されるだろうが…
 そもそも皇女殿下と婚約してる王子が、
 別の令嬢に懸想した時点で止めるのが友人では無いのか?」

「思い合ってる2人を引き裂くなんて出来ません」
「これで判ったでしょう父上、こいつに理解する頭など初めからなかったのですよ」

 はぁ・・・と溜息をつき
「そうだな、お前は東の砦に行け。廃嫡だ」
「え?はい…ちゃく?な・・・ぜ・・・」

「それも説明しなければならない程、馬鹿になったのか?」
「・・・・・・・」

「荷物は持たせてやる、二度とベンドルントン家を名乗るな」

 重たい腰を上げ倒れた妻の元へと向かうエドウィン。
「まっ…待って下さい父上!考え直「…せる訳ないだろうが」」

 兄の冷徹な目がサイラスに突き刺さった。
「王子と共に男爵令嬢の言葉を信用し、
 皇女殿下に有りもしない罪を押し付け、
 殿下との婚約を破棄させ、
 男爵令嬢と王子を添い遂げさせようとして置いて、
 考え直せ?馬鹿も大概にしろ」
「あ・・・に・・・う・・・え・・・」

「それとも何か?
 皇女殿下が下位貴族で有る男爵令嬢に無礼を働いたから皇女殿下こそ罪に問うべきだ…
 とか言うまいな?」
「うぐっ」

「…いうつもりだったのか…」

 もう救いようのない馬鹿を相手にしたくなかった兄は家令に
「こいつの荷物は出来ているだろう?即座に東へと放り出せ」
 と指示。
「御意」
 と指示を聞いた家令は用意して居た鞄1つを持たせ敷地の外へとゴミを出すかの如く、
サイラスをつまみ出した。

「エドウィン様のご指示です、辻馬車で東へ向かって下さい。
 そしてベンドルントン邸の敷地を二度と跨ぐ事は相成りませぬ。では…」
 そう言ってギー…と門扉は閉ざされた。

「そんなっ?!父上!母上!兄上!!考え直して下さい!
 僕は王子殿下が命令すれば何も出来なかっただけではないですか」

 何を叫ぼうと、どれだけ泣きわめこうとも門扉は開かれる事はない。
 その事に漸く気づいたサイラスは肩を落とし、
 東へ向かう辻馬車が有る乗り場へと向かい、
彼が東で反省したとかしないとか…その後の消息は不明である
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