9 / 45
8.ジョージside
しおりを挟む
* * * * * * * *
弟アレク(アレクサンダー)から隣国で起きた事柄を聞いた瞬間から、私は協力を惜しまない事を決定して居た。
あれ程までに怒りを露わにしたアレクを見た事が無い…それだけ隣国で行われてしまった侯爵令嬢への婚約破棄を許せないのだろうな。
「しかしジョンだったか。王子とも有ろう者が男爵令嬢と婚姻とは…。良く思いついたものだな。とは言え王で有る父親が許さぬ筈では有る…が…王すら愚王(クズ)ではなかろうな?」
王が賢ければ弟の計画は台無しになってしまう可能性が有る。だが逆に、クズだった場合は…盛大に奈落へと突き落とす事が出来るな。
「まずは案内状を作らねばならぬ」
そう、王子と男爵令嬢を我が国に招かなければ計画すら実行できない。
侯爵令嬢は愚かにも国外追放と言う形を取られてしまって居るからヴァリューに戻る事は不可能。
ならば我が国に来れるように計画を立てねばならぬな。
文面を考えて居た私の元に隣国フェリシアから訪問者が有ると通達が来た。
「ジョージ様、ナタリー・フェリシア王女様がお越しで御座います」
「ああ。結婚式の話し合いは今日で有ったな」
「御意」
「お通しして」
私には愛しい隣国の姫…ナタリーが居るのだが、弟の計画を実行するには男爵令嬢を誘惑する必要が有る。
だからこそ、彼女には伝えておきたいと思う。
「ジョージが悩む等、珍しいですわね」
そう言いながら私が座るソファーの左側に腰を落とすナタリー。
「まあな、弟が隣国の王子に盛大な残念劇を仕掛ける事になったのでな。計画に誘い込まなければならぬ王子への案内状の文言を如何にしようかと…」
「まあ。もしかしてジョージが相手の女性を誘惑するのかしら?」
「君が居るから本来なら不貞になるけれど本気で誘わないさ。あくまでも『本気だったのに裏切られた』と思わせたいだけだよ」
「でしたら相手の男性は爵位的には侯爵かしら?」
「いや第二王子だが・・・もしかしなくても君も計画に加わるつもりかい?」
「その方が面白そうですわ。第二王子ならば王女の夫・・・王位がチラつけば男爵令嬢など目に入らなくなってしまいますもの」
「確かにな」
「宜しいかしら?」
「ふっ…君の手腕を発揮してくれると嬉しいよ」
肩を抱き口づけを交わす…。
勿論、婚姻を結ぶ前の口づけでは有るが、愛情表現としては受け入れられるとの事でフェリシアの王からも許しは得て居る。
「さて文言を如何(いか)にしようか…」
「でしたら、ジョージの婚約者を探す目的と、わたくしの婚約者を探す目的の舞踏会をヴィクトリアで開催する事になった…では少々、無理が有りますでしょうかしら」
「それでは結婚する気で動いて居る男爵令嬢を来させる事は難しくないかい?」
「あら。婚約前でしたら参加は必須ですわよ?」
「なるほど…婚約を破棄したからと言って直ぐに新しい婚約者を決める事は出来ぬからな…新たに結ぶ事が出来る前に誘えば来る可能性が有る…か」
結構、ナタリーも腹黒い所が有るが、彼女の助言で次なる一手を招待状に託す事となった
弟アレク(アレクサンダー)から隣国で起きた事柄を聞いた瞬間から、私は協力を惜しまない事を決定して居た。
あれ程までに怒りを露わにしたアレクを見た事が無い…それだけ隣国で行われてしまった侯爵令嬢への婚約破棄を許せないのだろうな。
「しかしジョンだったか。王子とも有ろう者が男爵令嬢と婚姻とは…。良く思いついたものだな。とは言え王で有る父親が許さぬ筈では有る…が…王すら愚王(クズ)ではなかろうな?」
王が賢ければ弟の計画は台無しになってしまう可能性が有る。だが逆に、クズだった場合は…盛大に奈落へと突き落とす事が出来るな。
「まずは案内状を作らねばならぬ」
そう、王子と男爵令嬢を我が国に招かなければ計画すら実行できない。
侯爵令嬢は愚かにも国外追放と言う形を取られてしまって居るからヴァリューに戻る事は不可能。
ならば我が国に来れるように計画を立てねばならぬな。
文面を考えて居た私の元に隣国フェリシアから訪問者が有ると通達が来た。
「ジョージ様、ナタリー・フェリシア王女様がお越しで御座います」
「ああ。結婚式の話し合いは今日で有ったな」
「御意」
「お通しして」
私には愛しい隣国の姫…ナタリーが居るのだが、弟の計画を実行するには男爵令嬢を誘惑する必要が有る。
だからこそ、彼女には伝えておきたいと思う。
「ジョージが悩む等、珍しいですわね」
そう言いながら私が座るソファーの左側に腰を落とすナタリー。
「まあな、弟が隣国の王子に盛大な残念劇を仕掛ける事になったのでな。計画に誘い込まなければならぬ王子への案内状の文言を如何にしようかと…」
「まあ。もしかしてジョージが相手の女性を誘惑するのかしら?」
「君が居るから本来なら不貞になるけれど本気で誘わないさ。あくまでも『本気だったのに裏切られた』と思わせたいだけだよ」
「でしたら相手の男性は爵位的には侯爵かしら?」
「いや第二王子だが・・・もしかしなくても君も計画に加わるつもりかい?」
「その方が面白そうですわ。第二王子ならば王女の夫・・・王位がチラつけば男爵令嬢など目に入らなくなってしまいますもの」
「確かにな」
「宜しいかしら?」
「ふっ…君の手腕を発揮してくれると嬉しいよ」
肩を抱き口づけを交わす…。
勿論、婚姻を結ぶ前の口づけでは有るが、愛情表現としては受け入れられるとの事でフェリシアの王からも許しは得て居る。
「さて文言を如何(いか)にしようか…」
「でしたら、ジョージの婚約者を探す目的と、わたくしの婚約者を探す目的の舞踏会をヴィクトリアで開催する事になった…では少々、無理が有りますでしょうかしら」
「それでは結婚する気で動いて居る男爵令嬢を来させる事は難しくないかい?」
「あら。婚約前でしたら参加は必須ですわよ?」
「なるほど…婚約を破棄したからと言って直ぐに新しい婚約者を決める事は出来ぬからな…新たに結ぶ事が出来る前に誘えば来る可能性が有る…か」
結構、ナタリーも腹黒い所が有るが、彼女の助言で次なる一手を招待状に託す事となった
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
848
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる