異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

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婚約編

64(ネイサンside)

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(何故だ…何故アレクを「殺せない」のだ)

(奴さえ殺す事が出来ればウォーリスだけでなく、
 この世界の頂点に君臨する事も可能だったのに…)

 牢屋に収監されて居るにも関わらず、ネイサンは黒い思惑を未だに抱いて居る。

 自分の目でアレクが第二王子として披露目がされて居るのを「見て居た」にも関わらずに、だ。

(どうやったらアレクを「殺せる」のだろうか…)

 殺す事しか頭にないネイサン。

 事の発端は彼らが幼少期に遡る。


 * * * *

「あ、あのっ…アレク」

「ん?」

「あたし…アレクの事が…」

「あ~…ごめんな。
 俺、騎士になる為に村を離れる予定だからさ。
 他のヤツにしといてくれよ」

 村の女の子は皆、アレクに憧れを持ち、恋心を抱いて居た。

 ネイサンの想い人も、たった今、アレクに告白し玉砕したのだ。

 ただ、残念な事にネイサンが、その告白シーンを目撃してしまった。

(え…?何で?!顔は俺の方が勝ってるだろ!?)

「う、ううん。
 判ってるからいいの。
 アレクが騎士を目指して居るから
 強いって言うのも知ってるし、
 あたしを助けてくれたのも
 優しさからだって知ってるから
 大丈…っ」

「・・・ほんと、ごめん…。
 助けたのは偶然だし、
 君にはネイサンが居るじゃないか」

「えぇ~…アイツ、
 アレクよりもん。
 やっぱり強い人に守られたいって思うものよ」

 日本で言う所の小学生が言う台詞ことばでは無いが、アレクの強さは村1番と言っても過言では無いのは事実だった。

(くそっ!アレクめ…
 必ずヤツを倒して彼女が俺を認めてくれるようになってやる!)

 考え方は単純では有ったが、アレクに挑むキッカケは想い人の一言だったのは間違いない。

 だが、どれだけ努力してもアレクに勝てる事は無かった。

 アレクに挑む時、同じ行動を取って「読まれてしまう」からでも有るのだが、目先の「もてたい」と言う思いに囚われ、違う動きをする事に神経が向かわなかったのだ。


 * * * *

 あれから数年・・・いや数十年、経過しても行動パターンは同じで、アレクに挑む動きが変わる事がなかった。

 アレクを襲撃した時、声を出して挑まなかったら一撃は入って居た知れないのだが、そんな事に気付くネイサンでは無い。

(こんな場所に閉じ込められては居るが、
 同じ空間に居るのは判って居る。
 ならば、どう動きアレクをるかだが…)

 確かに「同じ空間」では有るが、王城内の牢屋と王族の私室では雲泥の差。

 それに彼は「自分が断罪され首切られる事」に気付いて居ない。

 かなり問題では有るが、ネイサンが自滅したと気付く事は無いだろう。

 ブツブツとアレクを襲撃する計画を練って居る事に、牢屋を守る騎士が気づかない訳が無い。

(アレク…と呼び捨てにして居るが、
 これはアレクシス殿下の事で有ろうな。
 ランフォース様にご連絡せねば…)

 もう1人の見張りに聞いた言葉を書き記したメモを渡し、ライへ届けて貰う事となり、ネイサンの計画は実行されずに済んだのだ
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