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俺のは優しい方だ【ある意味R18】
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※少しだけ残酷描写要注意
ーーーーーーーーーーーーーーー
「リィナ……」
腕の中の愛しい彼女……リィナを起こす。
彼女の柔らかな肌が、呼吸をする度に小さく動き、甘えるように俺の胸に頬を寄せる。
(可愛い……)
アストの胸にじわーと愛おしい気持ちが溢れ、そっと彼女の額にキスを贈る。
その刺激が、後押ししたのか、彼女のまつ毛が震え、ゆっくりと、瞼が開いた。
「……アスト?」
眠そうに目を擦るも、「おはよう」と笑ってくれる。
そうして俺を優しく抱きしめてくれた。
(こんな幸せがずっと続けばいい……)
二人でぎゅっと抱きしめ合うと、幸せな時間が満ちていく。
「リィナ……実はまだ明け方の5時なんだが……急に呼び出されてね」
「……え?」
「ごめん、少し早めに仕事にいく。緊急事態なら、もしかしたらリィナも後から来てもらうかもしれないから、今日はすこしだけ早めに朝の支度出来るか?」
「うん……アストはこんな早くから大丈夫なの?」
「最低限の5時間は寝たし、大丈夫」
そう言ってアストはリィナの頬にキスをして、起き上がった。
「リィナはもう少しだけ寝ていて」
さっと衣服の支度をしながら、アストは洗面所に消える。
「うん、ごめんね……」
うとうとしながらも、昨晩のアストとの甘い疲れから、リィナは再び夢の中へと意識が傾く。
(見送りしたいのに……)
そっと、心の中だけで呟いたつもりがどうやら声に出ていたらしい。
アストが穏やかに笑う気配がして、頭を撫でられる。
「リィナ……また後で」
そう言ってアストは自室から退室した。
扉をしめて歩き始めると、1人の男性が頭を下げた。
「ヒュー……呼び出したのはお前だな?」
「はい……早朝から呼び出して申し訳ありません。お知らせはなるべく早めの方がいいと思ったものでして……会わせたい人物がいます」
彼は、何故か緊張したように、表情が固く、こちらを見ているようで、微かに視線を逸らしていた。
(ヒュー?……いつもと違うな)
「分かった……案内しろ」
ヒューが、どこかぎこちない気がして……アストは違和感を胸に刻み付けながらも、彼に導かれ歩みを進めた。
男は深いまどろみの中にいた。
けれど、突然。
頬に冷たい水がかかった気がして、飛び起きた。
「……ようこそ、閣下。この国へ。ご機嫌はいかがかな」
冷たい眼差しでアストは問いかけ、独房に寝ている男を冷ややかな眼差しで見つめる。
その顔はリィナに、決して向けたことがない酷薄な顔だった。
「な、……貴様は誰だ……!?ここは……」
男は自室ではないことに気づき、愕然とした顔で周囲を見渡す。
目の前には1人の若者が、少し離れたところには騎士服に身を包んだ男が片膝をついて控えていた。
そして、目の前の若者が口を開く。
「……貴方が我が国で、倒れていたから、わざわざ保護してあげたんですよ。けれどーーそう、なんの理由があって我が国に無断で入ったのか。取り調べようと思ってね。」
(何を……言っている?)
「……? 馬鹿な……私は自国から出た記憶は無い」
「"シラを切るつもりか”」
アストが気色ばむ男を、無表情で一瞥する。
「お前……どこかで見たことあるな……誰だ!!……私を誰と心得えてこんなことを」
心を落ち着かせようと、男は口元に手をやり、無意識に"髭”を触る。
そんな様子を、アストは冷たく笑って椅子に腰掛ける。
「ファルベルス王国……ディサーク宰相閣下、ですよね」
「私は……アストエル・ベーグブルグ・グラヴィル」
足を組み、卓上のグラスの水を手に取り、ゆっくり回した。
その名を口にした瞬間、男はハッと目を見開き、顔から血の気が引いた。
(……ベーグ国、第3王子……!)
彼の反応を見て、アストエルは確信した。
呪いの根源はーーーこいつだ。
「ようこそ、ベーグ国へ」
ヒューの、見立ては正しかったらしい。
後で褒賞を渡さねばならない。
「しかし、貴方の目的はなんでしょうーーお互い、無駄な時間は避けたいでしょう?素直に吐いてくれたらいいのですが」
男の顔が引きつり、額にじわりと汗が浮かぶ。
(……まさか、もう……)
「貴様……ッ 勝手に連れてきおったな!?」
「人聞きの悪い。我が国にいたのは貴方の方だ。隣国の宰相閣下ともあろうお方が……怪しい行動をしているのを見過ごすと思いか?」
敬うどころか、ふっと、嘲るような眼差しでアストは微笑む。
ーー今朝、急に呼び出されたかと思えば。
なんとリィナが、彼に黒幕探しを依頼していたらしい。
ヒューが先に密かに知らせてくれたから良かったものの、リィナの前では決して見せたくない場面だ。
無垢な彼女が、こうした尋問の空気に触れることなどあってはならない。
しかし。
ヒューが独断でこの宰相を誘拐してきたと知ったときは、流石に眉をひそめざるを得なかった。
宰相とは、国王の右腕ーーつまり実質、権力者としてナンバー2、
国政の全般を取り仕切る重要人物だ。
本当にこの男が黒幕なのかーーそれを見極める必要がある。
けれどヒューは闇雲に動いたわけではない。
彼は仲間を使って周囲から証言を集め、物的証拠まで揃えていた。
「仲間が助けてくれました」
なんて軽く言っていたが……その洞察と采配は、やはり見事だった。
(……リィナが彼を信頼する理由が、分かる)
自嘲するように小さく息を吐き、視線を再び宰相へ向けた。
あとは、最後のひと押し……宰相閣下からの自白だけ。
そのため、体外的にはアストは宰相閣下が自国に侵入していた事にして、取り調べを行うことにした。
宰相からしたら自国で寝ていたところ、気がつけば我が国に来て取り調べを受けているのだ。
本当に寝耳に水だろうが。
これが勘違いで終わるとヒューの首は飛ぶし、国際問題となり、最悪の場合戦争になる。
「本来は少しずつ証拠を集めて遠回りにでも追い詰めて自然と自白させるのが正しいやり方だったろうが……」
曲がりなりにも相手は隣国の貴族である。
正規の手順で行いたかった、けれどーー。
一瞬、瞑目し……けれども、どこか決意を秘めた瞳で、アストは宰相を見た。
(ここで………片をつける)
「……宰相。そこへお座り下さい。少し話しやすくなる薬を、用意しました」
そう言いながらアストは、器に入った水にそっと人差し指を入れた。
魔力を込めた指先から、振動が伝わり淡い光が灯り、小さな波紋が広がる。
これを飲んだものは、抗えない程の恍惚感を感じる。
感じすぎて、舌がとまらなくなる。
つまり、真実を話したくなる"魅惑水”の出来上がりだ。
(本来なら……こういう取り調べは第1王子の長兄が得意なんだがな……拷問の幻覚水責め、痛覚倍増、触手系……)
ふと、その時のことを思い出して、ほんの少しだけ青ざめる。
(いや、……深くは考えないようにしよう)
(とっとと、自供してもらう)
「喉が乾いたでしょう宰相閣下。これは私からの贈り物です」
(尊厳を傷つけられたからだけではない。大切な肉親を傷つけられたからだ……そして、今後、リィナにも危害が加えられないとも限らない)
首をかしげ、微笑んでいた表情が、一気に無表情となった。
ゾッとするような眼差しに、傍に控えていたヒューも、知らず、喉が上下した。
(は……流石に一撃でゴロツキを倒した方なだけある……)
言葉は丁寧だったが、その声音に一切の温度はなかった。
「どうぞ、召し上がれ。……これは命令だ」
一拍置いて、目を細めて笑った。
けれどそれは皮膚の表面だけの笑みで、底のない暗さを湛えていた。
ヒューは見ていられなくなり、わずかに視線を逸らした。
冷たい汗が背筋を伝う。
独房に、やがて男の叫び声がこだました。
ーーーーーーーーーーー
memo
国王……国の最終決定権、国全体の統治
宰相……国政の統括、法や外交の管理
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「リィナ……」
腕の中の愛しい彼女……リィナを起こす。
彼女の柔らかな肌が、呼吸をする度に小さく動き、甘えるように俺の胸に頬を寄せる。
(可愛い……)
アストの胸にじわーと愛おしい気持ちが溢れ、そっと彼女の額にキスを贈る。
その刺激が、後押ししたのか、彼女のまつ毛が震え、ゆっくりと、瞼が開いた。
「……アスト?」
眠そうに目を擦るも、「おはよう」と笑ってくれる。
そうして俺を優しく抱きしめてくれた。
(こんな幸せがずっと続けばいい……)
二人でぎゅっと抱きしめ合うと、幸せな時間が満ちていく。
「リィナ……実はまだ明け方の5時なんだが……急に呼び出されてね」
「……え?」
「ごめん、少し早めに仕事にいく。緊急事態なら、もしかしたらリィナも後から来てもらうかもしれないから、今日はすこしだけ早めに朝の支度出来るか?」
「うん……アストはこんな早くから大丈夫なの?」
「最低限の5時間は寝たし、大丈夫」
そう言ってアストはリィナの頬にキスをして、起き上がった。
「リィナはもう少しだけ寝ていて」
さっと衣服の支度をしながら、アストは洗面所に消える。
「うん、ごめんね……」
うとうとしながらも、昨晩のアストとの甘い疲れから、リィナは再び夢の中へと意識が傾く。
(見送りしたいのに……)
そっと、心の中だけで呟いたつもりがどうやら声に出ていたらしい。
アストが穏やかに笑う気配がして、頭を撫でられる。
「リィナ……また後で」
そう言ってアストは自室から退室した。
扉をしめて歩き始めると、1人の男性が頭を下げた。
「ヒュー……呼び出したのはお前だな?」
「はい……早朝から呼び出して申し訳ありません。お知らせはなるべく早めの方がいいと思ったものでして……会わせたい人物がいます」
彼は、何故か緊張したように、表情が固く、こちらを見ているようで、微かに視線を逸らしていた。
(ヒュー?……いつもと違うな)
「分かった……案内しろ」
ヒューが、どこかぎこちない気がして……アストは違和感を胸に刻み付けながらも、彼に導かれ歩みを進めた。
男は深いまどろみの中にいた。
けれど、突然。
頬に冷たい水がかかった気がして、飛び起きた。
「……ようこそ、閣下。この国へ。ご機嫌はいかがかな」
冷たい眼差しでアストは問いかけ、独房に寝ている男を冷ややかな眼差しで見つめる。
その顔はリィナに、決して向けたことがない酷薄な顔だった。
「な、……貴様は誰だ……!?ここは……」
男は自室ではないことに気づき、愕然とした顔で周囲を見渡す。
目の前には1人の若者が、少し離れたところには騎士服に身を包んだ男が片膝をついて控えていた。
そして、目の前の若者が口を開く。
「……貴方が我が国で、倒れていたから、わざわざ保護してあげたんですよ。けれどーーそう、なんの理由があって我が国に無断で入ったのか。取り調べようと思ってね。」
(何を……言っている?)
「……? 馬鹿な……私は自国から出た記憶は無い」
「"シラを切るつもりか”」
アストが気色ばむ男を、無表情で一瞥する。
「お前……どこかで見たことあるな……誰だ!!……私を誰と心得えてこんなことを」
心を落ち着かせようと、男は口元に手をやり、無意識に"髭”を触る。
そんな様子を、アストは冷たく笑って椅子に腰掛ける。
「ファルベルス王国……ディサーク宰相閣下、ですよね」
「私は……アストエル・ベーグブルグ・グラヴィル」
足を組み、卓上のグラスの水を手に取り、ゆっくり回した。
その名を口にした瞬間、男はハッと目を見開き、顔から血の気が引いた。
(……ベーグ国、第3王子……!)
彼の反応を見て、アストエルは確信した。
呪いの根源はーーーこいつだ。
「ようこそ、ベーグ国へ」
ヒューの、見立ては正しかったらしい。
後で褒賞を渡さねばならない。
「しかし、貴方の目的はなんでしょうーーお互い、無駄な時間は避けたいでしょう?素直に吐いてくれたらいいのですが」
男の顔が引きつり、額にじわりと汗が浮かぶ。
(……まさか、もう……)
「貴様……ッ 勝手に連れてきおったな!?」
「人聞きの悪い。我が国にいたのは貴方の方だ。隣国の宰相閣下ともあろうお方が……怪しい行動をしているのを見過ごすと思いか?」
敬うどころか、ふっと、嘲るような眼差しでアストは微笑む。
ーー今朝、急に呼び出されたかと思えば。
なんとリィナが、彼に黒幕探しを依頼していたらしい。
ヒューが先に密かに知らせてくれたから良かったものの、リィナの前では決して見せたくない場面だ。
無垢な彼女が、こうした尋問の空気に触れることなどあってはならない。
しかし。
ヒューが独断でこの宰相を誘拐してきたと知ったときは、流石に眉をひそめざるを得なかった。
宰相とは、国王の右腕ーーつまり実質、権力者としてナンバー2、
国政の全般を取り仕切る重要人物だ。
本当にこの男が黒幕なのかーーそれを見極める必要がある。
けれどヒューは闇雲に動いたわけではない。
彼は仲間を使って周囲から証言を集め、物的証拠まで揃えていた。
「仲間が助けてくれました」
なんて軽く言っていたが……その洞察と采配は、やはり見事だった。
(……リィナが彼を信頼する理由が、分かる)
自嘲するように小さく息を吐き、視線を再び宰相へ向けた。
あとは、最後のひと押し……宰相閣下からの自白だけ。
そのため、体外的にはアストは宰相閣下が自国に侵入していた事にして、取り調べを行うことにした。
宰相からしたら自国で寝ていたところ、気がつけば我が国に来て取り調べを受けているのだ。
本当に寝耳に水だろうが。
これが勘違いで終わるとヒューの首は飛ぶし、国際問題となり、最悪の場合戦争になる。
「本来は少しずつ証拠を集めて遠回りにでも追い詰めて自然と自白させるのが正しいやり方だったろうが……」
曲がりなりにも相手は隣国の貴族である。
正規の手順で行いたかった、けれどーー。
一瞬、瞑目し……けれども、どこか決意を秘めた瞳で、アストは宰相を見た。
(ここで………片をつける)
「……宰相。そこへお座り下さい。少し話しやすくなる薬を、用意しました」
そう言いながらアストは、器に入った水にそっと人差し指を入れた。
魔力を込めた指先から、振動が伝わり淡い光が灯り、小さな波紋が広がる。
これを飲んだものは、抗えない程の恍惚感を感じる。
感じすぎて、舌がとまらなくなる。
つまり、真実を話したくなる"魅惑水”の出来上がりだ。
(本来なら……こういう取り調べは第1王子の長兄が得意なんだがな……拷問の幻覚水責め、痛覚倍増、触手系……)
ふと、その時のことを思い出して、ほんの少しだけ青ざめる。
(いや、……深くは考えないようにしよう)
(とっとと、自供してもらう)
「喉が乾いたでしょう宰相閣下。これは私からの贈り物です」
(尊厳を傷つけられたからだけではない。大切な肉親を傷つけられたからだ……そして、今後、リィナにも危害が加えられないとも限らない)
首をかしげ、微笑んでいた表情が、一気に無表情となった。
ゾッとするような眼差しに、傍に控えていたヒューも、知らず、喉が上下した。
(は……流石に一撃でゴロツキを倒した方なだけある……)
言葉は丁寧だったが、その声音に一切の温度はなかった。
「どうぞ、召し上がれ。……これは命令だ」
一拍置いて、目を細めて笑った。
けれどそれは皮膚の表面だけの笑みで、底のない暗さを湛えていた。
ヒューは見ていられなくなり、わずかに視線を逸らした。
冷たい汗が背筋を伝う。
独房に、やがて男の叫び声がこだました。
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memo
国王……国の最終決定権、国全体の統治
宰相……国政の統括、法や外交の管理
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