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2 学園編
55 教育係からの手紙 【王太子ハルヴァート】
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「ステラ様の教育係を拝命してしばらくたちますが、勉学については全く問題がございません。
ただ、異性に対する意識が非常に低く、一見するとガードが低いまたは馴れ馴れしいと誤解を受ける可能性もございます。
婚約者のいる男性に対しても普通に話しかけてしまわれます。
ただの挨拶程度の会話ではありますが、ご本人があまりにも美しく、あの容姿で微笑まれると、そこに特別な意味を見出してしまう生徒もいる様です。
このままでは、ステラ様のせいで婚約解消に追い込まれたと言い出す生徒が生じる可能性すらございます。
また、婚約者の意味を本当に理解しているのかも確信が持てません。
婚約者とは『将来結婚を約束した特別な存在』であり、『正式な結婚前ではあるが、それに準ずる存在である』という理解が不十分なのではないでしょうか。
それは、ご自分が『殿下の婚約者である』と言う事実が単に便宜上のものであるとの理解からなるものにほかなりません。
殿下はステラ様との婚約をどの様に考えていらっしゃるのでしょうか。
ステラ様と将来結婚の意思がなく、単に『聖女候補を守る』ために結ばれている婚約であり、近い将来に解消を視野に入れられているものであれば、ステラ様の行動は不思議なものではありません。」
ここまで手紙を読んだ瞬間にハルヴァートは手紙をグシャリと握りつぶした。
婚約を解消‥‥‥?
何と、思うとおりにならない女だ。
ステラ・ディライト!
私が婚約者として扱うといえば、大人しく従うのが筋であろう。
王太子ハルヴァートの生活は毎日多忙である。
すでに立太子していることから、王太子としての業務があるため、毎日学園に通うことはできない。
学園の寮で生活し、午前中は授業、午後は政務、また夜までも立場に伴う社交などの業務に追われている。
授業を休まざるを得ない日は多いが、王族として学年上位を保たねばならない。
今の所首位を譲ったことはないが、気を抜けばすぐに抜かれてしまう。
本来であれば婚約者として伴わなければならない行事もあるが、まだ不慣れなため、免除してやっていれば、他の男と手合わせをするなど、許しがたい行いを‥‥‥
ジョセフとステラが手合わせを行なったと聞いた時のあの怒りがふつふつとまた沸き起こってくる。
しかも他の男に馴れ馴れしく話しかけている?はあ?
一体、ステラは何を望んでいるのか。全くわからん。
機嫌をとる様に側近に言われ、何か欲しいものはないかと聞いたら教科書10冊ずつと答えられた。
それをどう捉えたらいいのだ。
(まあ、少なくとも、色気はないな)
ハルヴァートはため息をつく。
女らしい他の婚約者候補たちから色を含んだ視線で見られると、面倒な気持ちしか起こらなかったが、ステラが自分に対して少しも色を感じないと考えるとイラつくのはなぜだろう。
彼にはその理由が全く見当もつかなかった。
(なぜだろう。イライラする)
ハルヴァートの気持ちは全くすっきりとしなかったが、タチアナの手紙をもう一度開いて読み直す。
最後部には「ステラ嬢ともう少し会話を」と書かれていた。この言葉がやけに引っかかる。
(少し、ステラとの時間を取れる様に努力するか)
これだけイラついても、ステラとの婚約を解消するという考えは全く生じなかった。
別に自分の婚約者でなくても、ある程度の護りを与えることはできるのだが、ステラを一番近くで守る存在は自分だという信念にも近い思い込みは全く揺らがなかった。
実は、彼には年の近い婚約者のいない弟すらいるのだ。
そして、それが何故か、ということには全く気がついていなかった。
ただ、異性に対する意識が非常に低く、一見するとガードが低いまたは馴れ馴れしいと誤解を受ける可能性もございます。
婚約者のいる男性に対しても普通に話しかけてしまわれます。
ただの挨拶程度の会話ではありますが、ご本人があまりにも美しく、あの容姿で微笑まれると、そこに特別な意味を見出してしまう生徒もいる様です。
このままでは、ステラ様のせいで婚約解消に追い込まれたと言い出す生徒が生じる可能性すらございます。
また、婚約者の意味を本当に理解しているのかも確信が持てません。
婚約者とは『将来結婚を約束した特別な存在』であり、『正式な結婚前ではあるが、それに準ずる存在である』という理解が不十分なのではないでしょうか。
それは、ご自分が『殿下の婚約者である』と言う事実が単に便宜上のものであるとの理解からなるものにほかなりません。
殿下はステラ様との婚約をどの様に考えていらっしゃるのでしょうか。
ステラ様と将来結婚の意思がなく、単に『聖女候補を守る』ために結ばれている婚約であり、近い将来に解消を視野に入れられているものであれば、ステラ様の行動は不思議なものではありません。」
ここまで手紙を読んだ瞬間にハルヴァートは手紙をグシャリと握りつぶした。
婚約を解消‥‥‥?
何と、思うとおりにならない女だ。
ステラ・ディライト!
私が婚約者として扱うといえば、大人しく従うのが筋であろう。
王太子ハルヴァートの生活は毎日多忙である。
すでに立太子していることから、王太子としての業務があるため、毎日学園に通うことはできない。
学園の寮で生活し、午前中は授業、午後は政務、また夜までも立場に伴う社交などの業務に追われている。
授業を休まざるを得ない日は多いが、王族として学年上位を保たねばならない。
今の所首位を譲ったことはないが、気を抜けばすぐに抜かれてしまう。
本来であれば婚約者として伴わなければならない行事もあるが、まだ不慣れなため、免除してやっていれば、他の男と手合わせをするなど、許しがたい行いを‥‥‥
ジョセフとステラが手合わせを行なったと聞いた時のあの怒りがふつふつとまた沸き起こってくる。
しかも他の男に馴れ馴れしく話しかけている?はあ?
一体、ステラは何を望んでいるのか。全くわからん。
機嫌をとる様に側近に言われ、何か欲しいものはないかと聞いたら教科書10冊ずつと答えられた。
それをどう捉えたらいいのだ。
(まあ、少なくとも、色気はないな)
ハルヴァートはため息をつく。
女らしい他の婚約者候補たちから色を含んだ視線で見られると、面倒な気持ちしか起こらなかったが、ステラが自分に対して少しも色を感じないと考えるとイラつくのはなぜだろう。
彼にはその理由が全く見当もつかなかった。
(なぜだろう。イライラする)
ハルヴァートの気持ちは全くすっきりとしなかったが、タチアナの手紙をもう一度開いて読み直す。
最後部には「ステラ嬢ともう少し会話を」と書かれていた。この言葉がやけに引っかかる。
(少し、ステラとの時間を取れる様に努力するか)
これだけイラついても、ステラとの婚約を解消するという考えは全く生じなかった。
別に自分の婚約者でなくても、ある程度の護りを与えることはできるのだが、ステラを一番近くで守る存在は自分だという信念にも近い思い込みは全く揺らがなかった。
実は、彼には年の近い婚約者のいない弟すらいるのだ。
そして、それが何故か、ということには全く気がついていなかった。
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