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2 学園編
57 神学教授
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「我が国は建国王ジョン陛下に建国されました。建国にあたっては多くの困難がありました。
救国の王妃と名高い正妃エマニュエル様の助力なしには為すことができなかった偉業であると言われています。エマニュエル様は金環を抱く聖女様で‥‥‥」
歴史なんだか神学なんだかわからないが、今、講義しているのはあの聖女オタクのリカルドだ。
聖女の話になるたびこちらをチラチラ見て、私の反応をチェックしている。
そう言うバレバレの態度、やめてよね。
「そもそも聖女様に現われる金環のお印とは、聖女様が太陽の化身であり、世を救うために顕現されたことをお示しする大切な印であります。
このことは、神学書『神聖聖女録』にも記載されていますが、同書は現在77巻まで記載されている書物であり、聖女様の偉業を記録する貴重な書籍であります。これは教団の宝物として神職のみが読むことのできる本ではありますが、現在進行形で書き進められています。」
現在進行形って。
なんで書き進んでんのよ。
「それでは、次回より、『神聖聖女録』に記録された聖女様の偉業についてお話を進めてまいりましょう」
授業の終了を告げるリカルドの声。
リカルドの講義は特別講義ということで、週に一度、講堂で行われることになっている。
都合により初めての講義となった今日、久しぶりにリカルドに会った。
相変わらずの聖女狂で私を見た瞬間に土下座しそうになっていたので、必死で止めた。
私の平穏な生活をどうしてくれるのよ。
講義終了後も期待に満ちた表情でこちらを見ている。
目をキラキラさせて立ち上がってこっちをみている姿って‥‥‥プレーリードッグ?
「ちょっと、褒めておいたほうがいいんじゃない?」
セオドが耳打ちしてくる。さすが、気遣いの人。
「素晴らしい講義でしたね」
と微笑みながら社交辞令をかましてみる。
「ステラ様‥‥‥!!」頬を紅潮させたリカルドは周囲に人がいなくなった瞬間に足元に跪く。
「ああ、もうやめてください。本当に。私、聖女様じゃないですよ」
困り果てて私が言う。
「ステラが聖女ねえ」
セオも不思議顔だ。
「いいえ、あなた様は間違いなく当代に顕現された聖女様です。どうか、お導きを」
私の様な子どもが何を導けると言うのか。
ゲームもやってないしなぁ。
でも、どんなゲームだってたった13歳の子どもが世の中を変えるなんて不可能だ。
世の中のことわかってもいないのに責任重すぎ。
確かにステラ・ディライトは金環の瞳をもつヒロインかつ聖女だったんだけど、どんな奇跡を起こすのかしら?それとも存在するだけで奇跡みたいな?それとも祈りの力でどーとかって言うパターン?それにしちゃ学校しか行ってないけど。特別な修行してないよ?滝行とか?
ただ、初代王の正妃が聖女だったっていうのは、なぜ私が王太子の婚約者にさせられたのかって言う意味ではわかった様な気がする。
聖女って結婚できるんだね。この世界では。聖職者ってなんとなく結婚できない様なイメージあったけど。そういえば前世でも近所のお坊さんは結婚してたね。なんでそんな情報覚えてるんだろ?もっとあるよね、重要なこと。
「導く方法がわからないです」
ここは正直に言うしかない。
「では‥‥‥!ぜひ教団にいらっしゃいませんか?」
リカルドが我が意を得たりと目をキラキラさせながら私の指先に口付ける。
「えっ」
発言を失敗した?それは危険な予感しかない。幽閉とかされちゃいそう。聖女だからって2度と外に出してもらえないに違いない。
「王太子殿下のご了解をいただかないとね!」
セオがさっと私たちの間に割り込んでくる。ナイスアシスト!セオ!
「ぐう。」リカルドが黙り込んだ。
こいつ、ろくなこと考えてなかったな?本気で。嫌だもう。絶対に幽閉用の部屋とか服とか全部揃えられている予感しかしない。
「おほほほ。教育係とも相談しませんとね。それでは今日のところは失礼いたしますわ」
私はお上品に頬に手を当てて笑うと、一歩後ろに下がった。
やばいやばい。さっさと逃げ出そう。
セオと一緒に、慌てて講堂から脱出だ。
「あと少しだったのに‥‥‥」
2人の退出後にリカルドは悔しそうに歯噛みしていた。
ステラが教団に行くことに同意していたら、間違いなくもう世の中に戻ってこれることは無かっただろう。
聖女として教団の奥深くに囲われ、生涯そこで過ごすことになっていたはずだ。
すでに聖女のための白亜の館まで建設済みだ。その館には鍵がない。
選ばれたもののみが10種類の手順を組み合わせ入ることのできる複雑な構造となっているのだ。
ふかふかのベッドもシルク製のリネンもすでに準備済みだ。
当然衣類一式も最高級品のみで揃えてある。
いつか必ず聖女を我が手に。
そのためだけにリカルドは神学教授を引き受けたのだ。
ステラを教団につれていければ、もう2度と学園に来るつもりはなかった。
ステラはゲームのストーリーを知らなかったが、裏ルートで絶大な人気を誇っていたリカルドの「メリバエンド」をたった今回避したところだったのだ。
救国の王妃と名高い正妃エマニュエル様の助力なしには為すことができなかった偉業であると言われています。エマニュエル様は金環を抱く聖女様で‥‥‥」
歴史なんだか神学なんだかわからないが、今、講義しているのはあの聖女オタクのリカルドだ。
聖女の話になるたびこちらをチラチラ見て、私の反応をチェックしている。
そう言うバレバレの態度、やめてよね。
「そもそも聖女様に現われる金環のお印とは、聖女様が太陽の化身であり、世を救うために顕現されたことをお示しする大切な印であります。
このことは、神学書『神聖聖女録』にも記載されていますが、同書は現在77巻まで記載されている書物であり、聖女様の偉業を記録する貴重な書籍であります。これは教団の宝物として神職のみが読むことのできる本ではありますが、現在進行形で書き進められています。」
現在進行形って。
なんで書き進んでんのよ。
「それでは、次回より、『神聖聖女録』に記録された聖女様の偉業についてお話を進めてまいりましょう」
授業の終了を告げるリカルドの声。
リカルドの講義は特別講義ということで、週に一度、講堂で行われることになっている。
都合により初めての講義となった今日、久しぶりにリカルドに会った。
相変わらずの聖女狂で私を見た瞬間に土下座しそうになっていたので、必死で止めた。
私の平穏な生活をどうしてくれるのよ。
講義終了後も期待に満ちた表情でこちらを見ている。
目をキラキラさせて立ち上がってこっちをみている姿って‥‥‥プレーリードッグ?
「ちょっと、褒めておいたほうがいいんじゃない?」
セオドが耳打ちしてくる。さすが、気遣いの人。
「素晴らしい講義でしたね」
と微笑みながら社交辞令をかましてみる。
「ステラ様‥‥‥!!」頬を紅潮させたリカルドは周囲に人がいなくなった瞬間に足元に跪く。
「ああ、もうやめてください。本当に。私、聖女様じゃないですよ」
困り果てて私が言う。
「ステラが聖女ねえ」
セオも不思議顔だ。
「いいえ、あなた様は間違いなく当代に顕現された聖女様です。どうか、お導きを」
私の様な子どもが何を導けると言うのか。
ゲームもやってないしなぁ。
でも、どんなゲームだってたった13歳の子どもが世の中を変えるなんて不可能だ。
世の中のことわかってもいないのに責任重すぎ。
確かにステラ・ディライトは金環の瞳をもつヒロインかつ聖女だったんだけど、どんな奇跡を起こすのかしら?それとも存在するだけで奇跡みたいな?それとも祈りの力でどーとかって言うパターン?それにしちゃ学校しか行ってないけど。特別な修行してないよ?滝行とか?
ただ、初代王の正妃が聖女だったっていうのは、なぜ私が王太子の婚約者にさせられたのかって言う意味ではわかった様な気がする。
聖女って結婚できるんだね。この世界では。聖職者ってなんとなく結婚できない様なイメージあったけど。そういえば前世でも近所のお坊さんは結婚してたね。なんでそんな情報覚えてるんだろ?もっとあるよね、重要なこと。
「導く方法がわからないです」
ここは正直に言うしかない。
「では‥‥‥!ぜひ教団にいらっしゃいませんか?」
リカルドが我が意を得たりと目をキラキラさせながら私の指先に口付ける。
「えっ」
発言を失敗した?それは危険な予感しかない。幽閉とかされちゃいそう。聖女だからって2度と外に出してもらえないに違いない。
「王太子殿下のご了解をいただかないとね!」
セオがさっと私たちの間に割り込んでくる。ナイスアシスト!セオ!
「ぐう。」リカルドが黙り込んだ。
こいつ、ろくなこと考えてなかったな?本気で。嫌だもう。絶対に幽閉用の部屋とか服とか全部揃えられている予感しかしない。
「おほほほ。教育係とも相談しませんとね。それでは今日のところは失礼いたしますわ」
私はお上品に頬に手を当てて笑うと、一歩後ろに下がった。
やばいやばい。さっさと逃げ出そう。
セオと一緒に、慌てて講堂から脱出だ。
「あと少しだったのに‥‥‥」
2人の退出後にリカルドは悔しそうに歯噛みしていた。
ステラが教団に行くことに同意していたら、間違いなくもう世の中に戻ってこれることは無かっただろう。
聖女として教団の奥深くに囲われ、生涯そこで過ごすことになっていたはずだ。
すでに聖女のための白亜の館まで建設済みだ。その館には鍵がない。
選ばれたもののみが10種類の手順を組み合わせ入ることのできる複雑な構造となっているのだ。
ふかふかのベッドもシルク製のリネンもすでに準備済みだ。
当然衣類一式も最高級品のみで揃えてある。
いつか必ず聖女を我が手に。
そのためだけにリカルドは神学教授を引き受けたのだ。
ステラを教団につれていければ、もう2度と学園に来るつもりはなかった。
ステラはゲームのストーリーを知らなかったが、裏ルートで絶大な人気を誇っていたリカルドの「メリバエンド」をたった今回避したところだったのだ。
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