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3 ヒロインへの道
110 湖のほとりにて
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「何をニヤついている」
「いえ、別に?」
ハル様は耳が赤くなってることに気がついているのか、冷静な表情を取り繕ってるみたい。
声色に少しだけ焦りが混じる。
それに気がつくと、ますます嬉しくなってついついにやけてしまう。
ふふふ。今日のハル様かわいい。
もしかして、ハル様の瞳の色のドレス喜んでくれたのかな?そうだといいな。
この3年、毎日のようにハル様と朝食を取って随分と仲良くなった。
ハル様は時々こんな風に手を繋ぐ。
もちろん、誰も見ていないと思ってる時だよ?
今日は私の実家だから少し気が緩んでるのかな。
繋いだ手から伝わる温もりに心まで温かくなる。
忙しいのに、時間を作って会いにきてくれたんだ。うれしいな。
ついついニコニコしながらハル様を見てしまう。
「なんだ」
「嬉しくて」
ハル様がぼん!と音を立てて真っ赤になった。かわいい~!!!うわああああ!!
「ごほん」
目を逸らし、咳払いをしてごまかそうとしている。
なんで、そんなにかわいいの!!!
ああ、もう、心臓がきゅんきゅんしすぎて死んじゃうかも。これがキュン死?
私はバタバタと暴れそうになる気持ちを必死で抑えた。
一応、後ろからは、少し距離を置いてクロードさんとセオドアとマーシャが付いてきてるよ?
お目付役は必須だもんね。
ヴィダル先生にもよーーーーく言い聞かせられてるんだ。
絶対に、キス以上の接触は禁止だって。
まだ私たちは正式な婚約者じゃないから、そんなことしたら「ふしだらな関係」と言われて足を引っ張られる元になるからって。
みんながみんな賛成してくれるわけじゃないもんね。元婚約者候補たちもいるし。
なのでハル様と朝食を食べる時は必ずクロードさんとアナさんが一緒。外ではセオドアまで一緒。
セオドアは迷惑そうだったけどね。
「確かこっちの方だったな。」
ハル様が私の方をちらりと見て言った。湖の方角を知っているみたい。
「ご存知なんですか?」
「さっき来るときに見た」
なるほど。
男爵家の屋敷は通称「奈落の森」に囲まれている。
馬上なら、屋敷に向かう道から湖を見ることができる。
私は空気をいっぱいに吸い込んだ。
ああ、うれしい、たのしい。
今日はハル様に会えたし、一緒に居られる。
目の前に鏡のように輝く湖が見えた。
いつもよりもずっとずっと気持ちよくて爽やかな場所に思える。
湖を渡る風も、透明な湖も、木々も、みんな、いつもよりきれい!
「きれいですね」
嬉しくなってそう言うと、ハル様が私をじっと見て、
「うん、綺麗だ」
と、ぼそっと言った。
そのまま、スカイブルーの瞳が私を捕らえて離さない。
足が地面に縫い付けられてしまったように、全然動けない。
ただ、心臓だけが、どっくんどっくんとすごい音を立てて鳴り響いている。鼓膜が破れそうなほど。
私の心臓のはずなのに、別の生き物みたいな気がするほど大きく鳴り響いているけど、でもやっぱり私みたい。体全部の細胞が身体中を駆け巡って大騒ぎしている。
「ステラ」
ハル様が低い声で私の名を呼んだ。
その一言で私の身体中にビリビリと電気が走り抜ける。
ゾクゾクして、言葉が出てこない。ただただ目を見開いてハル様を見つめるだけ。
何も、逃さないように。
この大切な一瞬一瞬を全て記憶できるように。
「会いたかった」
かすれた声に、震える。
ハル様が右手を差し伸べると、剣だこのある大きな手で私の頬をやさしく撫でた。
目を伏せてその感触を噛みしめる。
「私もです」
次の瞬間、ハル様が目を細めると顔を近づけ、その唇が私の頬をかすめ、次に唇に触れた。
この時が永遠に止まってしまえばいいのに。
ハル様が私をそっと大切な宝物を守るように抱きしめた。
温かい。
爽やかなムスクの香りに包まれて、このままハル様の中にとろけてしまいそう。
「ステラ、ステラ」
ハル様が私の耳元で囁いた。低くかすれた声にゾクゾクする。
「早く帰ってこい」
私の心がギューっとなって、それからキュンキュンと音を立てて鳴り出した。
ぎゅっと顔をハル様の胸に押し付ける。
「はい。ハル様」
くぐもった声が裏返って、変な声になった。
ハル様は驚いたように私の顔を見る。
私もびっくりしてハル様と目を見合わせた。
「ははっ」
笑った‥‥‥!!!
日頃無表情な人の笑顔の破壊力、半端ない。
ドキドキしすぎて、もう心臓が止まっちゃうかもしれない。
私はきゅーんと変な声を出して、ハル様の胸に顔を埋めた。
ハル様の、ハル様のばかあああ!!!
「いえ、別に?」
ハル様は耳が赤くなってることに気がついているのか、冷静な表情を取り繕ってるみたい。
声色に少しだけ焦りが混じる。
それに気がつくと、ますます嬉しくなってついついにやけてしまう。
ふふふ。今日のハル様かわいい。
もしかして、ハル様の瞳の色のドレス喜んでくれたのかな?そうだといいな。
この3年、毎日のようにハル様と朝食を取って随分と仲良くなった。
ハル様は時々こんな風に手を繋ぐ。
もちろん、誰も見ていないと思ってる時だよ?
今日は私の実家だから少し気が緩んでるのかな。
繋いだ手から伝わる温もりに心まで温かくなる。
忙しいのに、時間を作って会いにきてくれたんだ。うれしいな。
ついついニコニコしながらハル様を見てしまう。
「なんだ」
「嬉しくて」
ハル様がぼん!と音を立てて真っ赤になった。かわいい~!!!うわああああ!!
「ごほん」
目を逸らし、咳払いをしてごまかそうとしている。
なんで、そんなにかわいいの!!!
ああ、もう、心臓がきゅんきゅんしすぎて死んじゃうかも。これがキュン死?
私はバタバタと暴れそうになる気持ちを必死で抑えた。
一応、後ろからは、少し距離を置いてクロードさんとセオドアとマーシャが付いてきてるよ?
お目付役は必須だもんね。
ヴィダル先生にもよーーーーく言い聞かせられてるんだ。
絶対に、キス以上の接触は禁止だって。
まだ私たちは正式な婚約者じゃないから、そんなことしたら「ふしだらな関係」と言われて足を引っ張られる元になるからって。
みんながみんな賛成してくれるわけじゃないもんね。元婚約者候補たちもいるし。
なのでハル様と朝食を食べる時は必ずクロードさんとアナさんが一緒。外ではセオドアまで一緒。
セオドアは迷惑そうだったけどね。
「確かこっちの方だったな。」
ハル様が私の方をちらりと見て言った。湖の方角を知っているみたい。
「ご存知なんですか?」
「さっき来るときに見た」
なるほど。
男爵家の屋敷は通称「奈落の森」に囲まれている。
馬上なら、屋敷に向かう道から湖を見ることができる。
私は空気をいっぱいに吸い込んだ。
ああ、うれしい、たのしい。
今日はハル様に会えたし、一緒に居られる。
目の前に鏡のように輝く湖が見えた。
いつもよりもずっとずっと気持ちよくて爽やかな場所に思える。
湖を渡る風も、透明な湖も、木々も、みんな、いつもよりきれい!
「きれいですね」
嬉しくなってそう言うと、ハル様が私をじっと見て、
「うん、綺麗だ」
と、ぼそっと言った。
そのまま、スカイブルーの瞳が私を捕らえて離さない。
足が地面に縫い付けられてしまったように、全然動けない。
ただ、心臓だけが、どっくんどっくんとすごい音を立てて鳴り響いている。鼓膜が破れそうなほど。
私の心臓のはずなのに、別の生き物みたいな気がするほど大きく鳴り響いているけど、でもやっぱり私みたい。体全部の細胞が身体中を駆け巡って大騒ぎしている。
「ステラ」
ハル様が低い声で私の名を呼んだ。
その一言で私の身体中にビリビリと電気が走り抜ける。
ゾクゾクして、言葉が出てこない。ただただ目を見開いてハル様を見つめるだけ。
何も、逃さないように。
この大切な一瞬一瞬を全て記憶できるように。
「会いたかった」
かすれた声に、震える。
ハル様が右手を差し伸べると、剣だこのある大きな手で私の頬をやさしく撫でた。
目を伏せてその感触を噛みしめる。
「私もです」
次の瞬間、ハル様が目を細めると顔を近づけ、その唇が私の頬をかすめ、次に唇に触れた。
この時が永遠に止まってしまえばいいのに。
ハル様が私をそっと大切な宝物を守るように抱きしめた。
温かい。
爽やかなムスクの香りに包まれて、このままハル様の中にとろけてしまいそう。
「ステラ、ステラ」
ハル様が私の耳元で囁いた。低くかすれた声にゾクゾクする。
「早く帰ってこい」
私の心がギューっとなって、それからキュンキュンと音を立てて鳴り出した。
ぎゅっと顔をハル様の胸に押し付ける。
「はい。ハル様」
くぐもった声が裏返って、変な声になった。
ハル様は驚いたように私の顔を見る。
私もびっくりしてハル様と目を見合わせた。
「ははっ」
笑った‥‥‥!!!
日頃無表情な人の笑顔の破壊力、半端ない。
ドキドキしすぎて、もう心臓が止まっちゃうかもしれない。
私はきゅーんと変な声を出して、ハル様の胸に顔を埋めた。
ハル様の、ハル様のばかあああ!!!
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