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3 ヒロインへの道
148 辺境
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河を越えた直後、私たちの通り道として水位を下げてくれていた川は、元の流れに戻った。
リーラの先導でそのまま城に続く道を駆け出した。
後ろから大きな叫び声と馬のいななきが聞こえてくる。
「川に二人ほど飲まれましたね」
騎士の一人が淡々と言う。
「当たり前ですよ。この川は表面上は穏やかに見えるところも、川の中は複雑に水流が流れていて、足を取られるんです。しかも、雨が一回降れば川底の石が簡単に動いてしまって、流れが変わるんです。だから慣れた俺たちだって渡れないんですよ」
「そうなんだ」
私が感心すると、別の騎士が言った。
「でも俺たちには聖女様がついてるから、百人力ですね!」
「いえ、そんなことは・・・みなさんに守っていただいているのに」
「喜んで、お守りしますよ!また、助けてください、聖女様!」
「こら、聖女様にねだるな」
ジョセフがしかめっ面で騎士を注意する。
「すいません、調子に乗りました!」
とおどけた調子で騎士が答え、皆が大笑いした。
「ジョセフ、そんなにかしこまらなくても」
私が言うと、ジョセフはプイと前を向いた。
その耳が真っ赤になっていることには、気がつかないことにした方がいいんだよね?
しばらく進むと、今までとは全然違う空気が広がっていた。
ピリピリする。最前線の雰囲気。
ここは辺境。
いま、何も起こっていなくても一瞬後には何が起こるかわからない。
そういう土地なんだ。
もし今隣国から攻撃があったとしたら、最初に攻撃されるのはここ。
命のやりとりをするのはここ。
リーラのお父様であるガウデン候は武闘派の堅物として知られているが、それは当然。
この環境で浮ついていたら、即、死を意味するから。
自分だけではなく、領民も王都にいる大勢の人たちの命すら危うくしかねない。
辺境にいる兵士や騎士たちが守っていてくれるからこそ、私たちは平和に暮らせていたんだ、と今更ながら初めて理解した。
ここは厳しい環境にあるからこそ、聖女の慰問が必要とされたんだ。
「慰問」は言い訳じゃなく、本当に必要とされている行為だった。
私は身の引き締まる思いだった。
正直自分が聖女なのかは確信が持てない。
聖女ってなんなのかわからない。
もし、なんの感情もなくただ人を癒すだけの存在であるとしたら、私はそうはなれない。
時にはマイナスの感情だって懐く普通の人間に過ぎない。
正直、ルシアナ様にもアリアにもいい感情を抱いてはいない。
特にルシアナ様はハル様のことを攻撃した時に、大嫌いになった。
身分が低い私のことを蔑んでいたことは知っていた。でも、私の大切な人を攻撃するなんてゆるせない。
その程度の感情的な人間だもの。
特徴があるとしたら、だいぶうっすらとしてきたけど前世の記憶があること、ぐらいしかない。
でも、私が聖女としてしっかり役割を果たすことで、みんなが喜んでくれたり勇気が生まれるのなら聖女として頑張るしかないと、思う。
前世の記憶があるせいで、自分が聖女だと言うことは知ってるしね。
これから、辺境に入り、兵士たちの慰問として何ができるのかわからないが、精一杯の力になれるように頑張ろう。
そう考えると、肩に力が入った。
***************************************************
短めでごめんなさい。
すみません、夏バテ→ストック切れが原因で、毎日更新が難しいです。
なるべく頑張りますが、ストックができるまでは途切れ予想ありです・・・
リーラの先導でそのまま城に続く道を駆け出した。
後ろから大きな叫び声と馬のいななきが聞こえてくる。
「川に二人ほど飲まれましたね」
騎士の一人が淡々と言う。
「当たり前ですよ。この川は表面上は穏やかに見えるところも、川の中は複雑に水流が流れていて、足を取られるんです。しかも、雨が一回降れば川底の石が簡単に動いてしまって、流れが変わるんです。だから慣れた俺たちだって渡れないんですよ」
「そうなんだ」
私が感心すると、別の騎士が言った。
「でも俺たちには聖女様がついてるから、百人力ですね!」
「いえ、そんなことは・・・みなさんに守っていただいているのに」
「喜んで、お守りしますよ!また、助けてください、聖女様!」
「こら、聖女様にねだるな」
ジョセフがしかめっ面で騎士を注意する。
「すいません、調子に乗りました!」
とおどけた調子で騎士が答え、皆が大笑いした。
「ジョセフ、そんなにかしこまらなくても」
私が言うと、ジョセフはプイと前を向いた。
その耳が真っ赤になっていることには、気がつかないことにした方がいいんだよね?
しばらく進むと、今までとは全然違う空気が広がっていた。
ピリピリする。最前線の雰囲気。
ここは辺境。
いま、何も起こっていなくても一瞬後には何が起こるかわからない。
そういう土地なんだ。
もし今隣国から攻撃があったとしたら、最初に攻撃されるのはここ。
命のやりとりをするのはここ。
リーラのお父様であるガウデン候は武闘派の堅物として知られているが、それは当然。
この環境で浮ついていたら、即、死を意味するから。
自分だけではなく、領民も王都にいる大勢の人たちの命すら危うくしかねない。
辺境にいる兵士や騎士たちが守っていてくれるからこそ、私たちは平和に暮らせていたんだ、と今更ながら初めて理解した。
ここは厳しい環境にあるからこそ、聖女の慰問が必要とされたんだ。
「慰問」は言い訳じゃなく、本当に必要とされている行為だった。
私は身の引き締まる思いだった。
正直自分が聖女なのかは確信が持てない。
聖女ってなんなのかわからない。
もし、なんの感情もなくただ人を癒すだけの存在であるとしたら、私はそうはなれない。
時にはマイナスの感情だって懐く普通の人間に過ぎない。
正直、ルシアナ様にもアリアにもいい感情を抱いてはいない。
特にルシアナ様はハル様のことを攻撃した時に、大嫌いになった。
身分が低い私のことを蔑んでいたことは知っていた。でも、私の大切な人を攻撃するなんてゆるせない。
その程度の感情的な人間だもの。
特徴があるとしたら、だいぶうっすらとしてきたけど前世の記憶があること、ぐらいしかない。
でも、私が聖女としてしっかり役割を果たすことで、みんなが喜んでくれたり勇気が生まれるのなら聖女として頑張るしかないと、思う。
前世の記憶があるせいで、自分が聖女だと言うことは知ってるしね。
これから、辺境に入り、兵士たちの慰問として何ができるのかわからないが、精一杯の力になれるように頑張ろう。
そう考えると、肩に力が入った。
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短めでごめんなさい。
すみません、夏バテ→ストック切れが原因で、毎日更新が難しいです。
なるべく頑張りますが、ストックができるまでは途切れ予想ありです・・・
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