藍音のたわごと〜あなたのココロを揺さぶりたい〜

藍音

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127 「嫌な女」研究 ケース2 身に覚えのない悪口を言いふらされた話

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嫌な女にざまあするお話はいつも人気があります。
某サイトのコメント欄でも「いよいよざまあですね」みたいな読者のコメントが散見されることもあり、みんなそんなに「ざまあ」が好きなのかなぁ?と思うことがあります。
個人的にはそんなことよりもかわいいモフモフの方が好きなので、目の前で文句を言っている人がいても「めんどくせぇ」と心の中で考えていることが多いです。
やり返したとしましょう。でも倍返しされる可能性もあるし、そもそも道が交わる相手なのでしょうか。
そして何よりも私にはざまあをやり遂げるための粘着質が足りません。

以前、趣味(ダンス)の関係でお付き合いのあった方に蛇蝎のように嫌われたことがあります。時々一定の方にものすごく嫌われることがあります。
私の存在が許せないみたいです。
でも、そんなこと言われたってねえ?
そっちがそう思うんならこっちだってそう思うじゃない?って話です。

ただ、裏返すと相手のコンプレックスが透けて見えます。
仕事がないとか、仕事で不満があるとか、彼氏がいないとかそんな感じです。
(定職について、結婚してて子供がいるから憎らしいって言われても、どうしようもありませんよね?)
関係ない人や癇に障った人に八つ当たりしたって絶対に改善しません。
むしろ嫌な心が透けて見えて、顔に出ていました。
ヒロインちゃんの中でステラがアリアの顔に性格の悪さがにじみ出てるって思うくだりがあるのですが、まさにそんな感じです。

その人たちは二人で徒党を組んで私の悪口を言いふらし、誤解が解けるまでには数年かかりました。
何人もの人から「聞いてた話と全然違う」とか「あの人たちにすごい嫌な人だって聞いてたけど、別人の話みたいなんだけど?」って言われました。どんだけ言われてたんでしょうか。
思い出すだけでうんざりします。

教室の先生にまで言われ、最初は歴の長いあちらの方が有利でしたが、時間が経つにつれ、だんだんに先生もわかってきました。
おかしいのはあっちだろって。
「人のことが気になって仕方ない、難しい方々なんですよ」
そうおっしゃってましたけどね。
で、私が何をしたのかというと「相手にされたことを徹底的に無視」しました。
悪口はすべて完全スルーです。
身に覚えがないからです。認める必要も弁解する必要もありません。

心配してくれる人もたくさんいました。ありがたかったです。
二人組の一人からある日LINEが来ました。主な内容は、
・趣味(ダンス)が上手いと思っているのか。
・調子に乗っている。
・あんたの「なんとかなるよ」といういい加減なところが我慢ならない。
そんな感じの内容でした。
思わず一番仲のいい子には見せちゃいましたよ。ドン引きしてたけどね。
「うわあ、上からだねえ」って。

こんな相手に反論しても無意味でしょう?
思い出すだけで当時の嫌な気分を思い出してきましたが、その後、反論せずに正直にみんなと付き合うことで結局あっちの方が立場がなくなっていったことを思い出しました。
嘘はしょせん嘘で本当になることはありません。時間が経てば必ず本当のことが理解されます。

でも、そんなカッコいいことだけじゃなくて、立場が弱くて反論できない立場だったってこともありました。だって、先輩なんだもん。あっちが。
そもそも、ダンスの教室なんだから、ダンスで勝負すべきなんですよ。
場外乱闘なんていらない。無駄です。
職業も立場も関係ない。それが趣味のいいところじゃないですか。

不思議なことに、いじわるや悪口にエネルギーを割いていると、趣味であろうと伸びないです。
二人組はいつしか解消されたようですが、解消後も仲はいいみたいです。気が合うんですね。それはそれでいいと思います。

まあ、自分がいい加減であることは自覚しています。
でも、言わせてもらえば「なんとかなるよ」ってのは人間の体得した素晴らしい気質の一つでもあると思うんです。だから直す気ありません。
だって正直に誠意をもって過ごしていれば必ず「なんとかなる」って知ってるからです。
というわけで、いやな女のことを思い出したのですが、これからも「なんとかなるよ」と自分に言い聞かせて乗り切りたいと思います。

このエッセイを書いた後に、ひとつ気が付いたことがあります。
今書いているヒロインちゃんがいじめられるくだりがこの経験談とそっくりだったんです。
覚えのないことを言いふらされて戸惑うヒロインとまるっきり同じだったことに気がつきました。
とすると、やっぱり人生に無駄なことはないのかもしれませんね。作品に反映できたのだからあの時の嫌な思いは無駄じゃなかったってことですね。
いじめられてよかった、とはとても思えないけれども。
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